戦い
堂島は脇にハルカを抱え高架下に走っていた。
ハルカは気を失ったふりをしていた。
高架下にハルカを横たえ、堂島は変身し始めた。堂島が食虫植物の化け物に変身した時、ハルカはオオカミに変身していた。
「お前は人間じゃないのか」
「そういうお前は人間の知性があるのか」
お互い向き合い、戦いのゴングが鳴るのを待つ。
オオカミは無数の触手攻撃を俊敏にかわし続ける。が、無限に襲い掛かる触手が1本、また1本、オオカミの皮膚に突き刺さる。体液を吸収されることにより体力を奪われ、徐々に動きが鈍くなる。複数の触手に絡めとられハエトリソウに似た縦に裂けた割れ目に体を飲み込まれ始めた。
そこにケンタウロスの姿をした豪徳寺が現れた。近くで化け物が暴れていることを察知した豪徳寺が駆け付けたのだ。
無数の触手がケンタウロスの羽と背中を突き破るが痛みを無視した。
オオカミであるハルカを助けるのが先だ。裂けた割れ目に半分以上埋没しており時間がない。両手の手刀で割れ目を覆う複数の牙を叩き折り、オオカミの体を引き出す。
消化液に溶かされ始めた体を引き抜き、離れた場所まで一気に運んだ。
改めてケンタウロスの姿をした豪徳寺は、食虫植物の化け物を見た。
「お前は堂島か。」
「オマエ ハ ゴウ トクジ ナノ カ。」
話し合いで済むはずもない。どちらかが死ぬまで戦うしかない。
お互いに分かっていた。
豪徳寺は意識をコントロールした。可能な限り人間の意識を抑え、化け物の能力を引き出すことに専念した。
食虫植物の姿をした堂島は、無数の触手を振り回し突っ込んできた。
ケンタウロスは無数の触手に体を貫かれながら、手刀で化け物の脳天を叩き割った。
豪徳寺とハルカは堂島の墓前に手を合わせ、避難所を去った。




