18:ゴブリン調査団
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「あ、あのゴブリン、僅かですが魔力を放ってます」
「お、配置変更~」
「今畑を耕している彼、魔法で土が動きました」
「観察対象1~」
「あの子、私に似ています」
「観察対象2~」
「あの子は――」
「変更~」
「あの――」
「観察~」
ベルと谷山は全ての作業場のゴブリン達を観察し、ベルの魔力探知で素質のありそうなゴブリン達を探していく。エリカも負けじと優秀な人材を探そうと必死だ。
「マスター! あの子は太刀筋がいいです。桑を真っ直ぐ綺麗に下ろしています」
「成る程、成る程」
「「マスター!」」
「お、おう、二人で言われても追いつかないよ、順番に聴くから」
「では、私から」
「いえ、私からです!」
「仕事熱心なのはいいんだけどな……」
「マスター、熱いですね。私という優秀なアドバイザーがいながら」
「からかうでない。二人とも譲らないなら、後でマリに報告してもらうぞ~」
「も、申し訳ありません。私は後で構いません」と焦り後退するエリカ。
「見苦しい所をお見せしました。この責任は私にあります。どんな罰でもお受けします」と、ただでは起きないベル。
そして、頭を抱える谷山と、腹を抱えるマリ。その後膝を抱えて座るしょんぼりした二人に谷山は頭を撫でてあげた。
「二人のお陰でリストがが揃ったよ。ありがとう」
谷山の一言に、二人の表情はパッと明るくなり、ニヤニヤし始めた為、谷山はその場を離脱した。
「取り合えず、ゴブリン育成計画第一段階のスタートが切れたかな」
「生まれつきスキルを持っている個体は珍しい為、こうして二人に素質を見極めてもらう必要がありますね」
「だな~。俺には武術の心得も、ましてや魔法なんか仕えないからな……」
「マスターも一緒に訓練を行いますか?」
「俺も? 俺はいいよ。バスケ部幽霊部員だったヘタレだから無理だよ」
「マスターの身の安全は私にお任せくださいな」
「おう、そのドヤ胸張りに免じて頼むぜ」
ステステと歩く谷山の前には酪羊の群が規律よく移動している。
「ところで、あれはなんだ?」
谷山の目に映ったのは少し大きめのワーウルフに跨るゴブリンが、鞭を片手に羊を監視しながら、時には地面に鞭を放ち、スパンっと乾いた音を鳴らしている。
「……自然界ではありえませんが、ダンジョン内では時たま魔物同士協調して活動する事がしばしばあるようですが、この形態は私のデータにはありませんでした」
「さながら馬に跨るカーボウイってところか」
ぼそっとした呟きを尻目に、多数の小さなゴブリンと、ワーウルフが跨って移動している。
「あぁ、この調子だと騎兵隊とか作れそうだな……」




