13:エース
序盤は都合よくいきます。
その後も都合よく……ならないように誤魔化せたらいいなと思います。
訓練場として作られたB2階は、そのままダンジョン使用変更出来るように前半は狭い入り組んだ挟撃できる通路や、敵を追い込む為の袋小路などを多数揃えた迷路や、中腹には狭い通路から開けた場所を設け、地理的に数的有利を作り出す。通路が狭ければ、大人数で開けた場所への同時移動は困難。飛び道具を用いて狙い撃ちすれば展開に遅れを取るだろう。
そして今回戦闘兵として借り出されてきた者達は、酪農での止め棒家畜の頭を叩いてきたゴブリン達と、畑の耕しで身体能力が向上している者達だ。彼らは、農業していた筈なのだが、特殊な仕事だったせいか、戦闘系のスキルを複数所持していた。やはり、ハイゴブリンだけが異常のようで、他のゴブリンのレベルは10レベル程に留まっており、スキルもLv3はおろか、Lv2もあまり見受けられない。
「やっぱダンジョンって暗いね」
「マスター。設定にて変更可能ですが、暗い中、敵が明かりを点けていると目立ちますので、ダンジョン内は暗い方がこちらが有利です。農業フロアでは、家畜、食物の影響を考えて、マナを用いて明るくしておりますが」
「そうだね。ゴブリン達にも暗闇に慣れてもらわないとだしね。ってそもそもゴブリンや夜目が効くほうだよね」
「そうですね。今集まっている者達に、武器の扱いと、紅白に分かれて集団戦の訓練をしましょう」
「あの子も呼ぼう。実質内のエースだし」
「あの子と申しますと……あぁ。ハイゴブリンの彼女ですか。しかし、彼女は同胞に一度襲われています。トラウマになっていないでしょうか」
「確かに。仲間認識は、俺が皆の前で紹介すればいいとして、彼女の気持ちの問題だよね。無理やり働かせるのも本望ではないしね。本人にヒアリングしてから決めようか」
「はい、マスター。それが宜しいかと」
谷山とマリは、自作したダンジョンを再度点検しながら、ハイゴブリンが眠る防災センターへ戻っていく。
「そういえば……」
スタスタと歩きながら谷山はマリへ質問を投げかける。
「ダンジョン内暗いけど、モニター監視できるの?」
「はい! 暗くともくっきりパッチリです!」
「完璧だね~後は無線機の代わりがあればな~」
「その辺りは魔法や魔道具で補っていきましょう」
「未だに魔法の存在が確認でき……お?」
「どうかされましたか? マスター」
「今ゴブリンのステータスリスト見てたんだけど、いたよ! 魔法使える奴!!」




