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飛猫~イフ~  作者: 秋華(秋山 華道)
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プロローグ

宇宙には、無限の命があり、その中のほんの些細な時間に、人生が存在する。

ときには植物として、時には動物として、そしてときには人間として。

それぞれの命がおくる人生は、それぞれの世界を有している。

たとえば地球にある全ての命は、同じ時間軸の中で、それぞれの世界で、それぞれの人生をおくっているというわけだ。

地球という世界は、命の数だけ、同じ時間に存在している。

そしてそれぞれの世界は、それぞれの世界に微妙に干渉しあっている。

あなたが今すごしている世界は、あなたを中心に動いていて、となりには別の人が中心の世界がある。

そのとなりの世界で、その世界に住むあなたに、何かが干渉してきた時、それは力となって、あなたの世界のあなたに影響する。

となりの世界で、あなたを殺そういう動きがあれば、あなたの世界のあなたもまた、死へと向かおうとするのだ。

それぞれの世界は、中心となる命の望む世界へと動こうとする。

たとえて言えば、「この世界は素晴らしい」と思う人の世界は、素晴らしい世界であろうとする。

「駄目な世界だ」と思う人の世界は、駄目な世界へと力が働く。

それは、全ての人が「この世界は素晴らしい」と思えば、全ての人の世界が、素晴らしい世界へと向かうのだ。

故に、今の地球の姿というのは、より多くの人が望み、考え、創造した世界であると言える。

偏差値で言えば、50の世界。

時間軸の中で、その辺りを生きる人は数が多く、0や100といったところには、ほとんど世界が存在しない。

だけど、決して存在しないわけではない。

常識にとらわれず、固定観念を持たない者が、その辺りの世界を造っていた。

当然中心付近の偏差値50あたりには、頭の固い人や夢の無い人、知性や感情を持たない植物の世界が無限に近い数だけある。

これだけの説明で、分かる人には分かるかと思うが、中心である偏差値50辺りの世界では、不思議な事は何一つ起こらない。

全て説明のつく範囲で、時間は流れて行く。

しかし、偏差値0や100の世界では、日々不思議な事が起ころうとする。

ただ、数が少ないので、時間軸の全ての世界に影響を及ぼす大きな力となる事はほとんどなく、結局全ての世界で、不思議な事はそうそう起こる事はない。

それでも時々、強い想いや希望からくる創造は、全ての世界に影響し、いつのまにか世界の常識となってゆくわけだ。

天動説が、地動説に変わったように。

目に見えないものの存在を認識できたように。


あなたが昨日別れた友達、今後もし、全く連絡もとらず、会う事もなく、情報を聞いたり、関わる事もなくなった場合、その人がその後どういう人生を送っても、あなたの世界に影響はない。

最近、孤独死という言葉をよく耳にするが、そういう死者が増えたのは、まさしくそれが原因だ。

孤独死をする人というのは、人とのかかわりが無くなり、生きていても死んでいても、どの世界にも影響しなくなった人。

誰にも必要とされなくなった人。

そういう人が、死へと向かう僅かな力で、死んでいったもの。

そして、孤独死以外にも、そういった理由で死んでいく人は多い。

今日死んだこの人もまた、多くの関わりを失い、わずかなきっかけで、死んでしまった一人だった。

死因は、車にはねられた事による内蔵破裂と出血多量ではあるが、本当の原因は、全ての人の世界に、存在していないも同然になったからだった。

もし、一人でもこの人の事を大切に思い、必要とし、関わりを持とうとする人がいたら、きっとこの人は、今ここで死ぬことは無かっただろう・・・

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