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          9  流通

 流通を担う面で貧民の女性達はいい働きをする。愛想良く相手にせっして緊張をほぐすためだ。居酒屋への納品はそれが上手くいく。

            9  流通


 貧民の若い女性達は流通面でいい働きをしてくれる。例えば居酒屋には貧民の女性とアンドロイドが2人で行く。共有アイテムボックスから物を取り出すアンドロイドはともすれば奇異に見られるけれど、貧民の女性のお陰で場が和む。アンドロイドは大きくなったマリエールをモデルにしているため概ねアンドロイドの方が美人だが貧民の女性の方が愛想がいい事が多い。流通が大きくなった時期と貧民の女性が流通に関わり出した時期は被るから一概には言えないが貧民の女性の役割が大きな物だったのは確かだろう。それが証拠にアンドロイドは名前で呼ばれる事が先ずないが貧民の女性は名前で呼ばれる事が良くある。居酒屋はだいたい何時も同じ納品だけど、貧民の女性がいると会話が弾む。

「キャサリンちゃん。今日のハイボールはウィスキーとジンジャーエールなの? 」

18歳でちゃん付けは如何なものだろうかと思うが愛嬌だろう。

「今日のハイボールは小麦を材料にしたウィスキーを炭酸水で割った物です。特に指定がなければ每日色々な材料に配合してお客様の反応を確かめています。」

キャサリンは営業努力を強調した。居酒屋の店長は、

「ジンジャーエールで割った物の方が売れるようだ。今後はジンジャーエールで割ったハイボールにしてくれるか。」

キャサリンは「判りました。」と明るく答える。流通に向いた貧民の女性は皆流通の仕事についている。衣類や食品などは皆貧民の女性のでは貧民の女性の出番だ。しかし軍事産業や医療関係ではアンドロイドの方が信用される。何事も適性がある。 

 マリエールは王都に店を持った。一般人が相手だ。裕福な人と一般の人は分ける仕方ない事だ。店を持って流通が拡大した。商売相手がマリエールが積極的に働きかけている相手以外にも広がったからだ。店頭も外商もやる。生鮮食料品はレプリカで対応している。

総合的な店舗は珍しい。まして共有アイテムボックス利用して商売している商店は他にはない。売れ行きは順調だ。子どもでも楽しめる展示や行事が盛りだくさんだ。

 流通は世の中の基盤だ。流通を握る者は世界を握ると言っても過言ではない。物を動かす力が流通だ。流通の力が国の力だと言ってもいい。流通の力を得るためため人は競い国は争う。流通を優位にするために人や国は富を求め資源を確保しようとする。マリエールも流通のために複製を使いアイテムボックスを使いアンドロイドを使い貧民を使っている。マリエールの試みは成功と言ってもいいだろう。しかし完全な成功とは言えないだろう。流通の規模はまだ大きくない。流通のシステムも未完成だ。

 マリエールはアンドロイドのシオンに聞いた。

「流通システムを完成するためには何をどうすればいいの。」

シオンは毅然と言った。

「みんながマリエール様の商品を知り進んで購入する事と進んでマリエール様に売る事です。」

始めに浮かんだのは農家が進んで農産物を売るイメージだ。しかしそれは難しい。主要農産物は国が納税として徴収して商人に売っているからだ。

 流通は経済の基盤だ。流通をより良く行なうため人は競い、国は争う。より良く資源を手に入れるのは流通の基本だ。

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