出逢い①
遠い昔、神は魔物に抗う為の力を人々に与えた
その中でも神が寵愛した12人の者たちがいたという
彼らをファヴールと呼ぶ
「この子は呪われている」
それは誰かに言われた言葉
揺れる荷馬車で目が覚める
ルーツは、少し長い前髪を手で払いのける
「ダンナ目が覚めましたか?」
男は荷馬車を引きながらルーツに話しかける
「もう着いたのか?」
「もうすぐ着きますよ」
男は、噴き出す汗を拭いながら答える
「それにしてもさっきは何だったんですかね?魔物が何もせず逃げるなんて…」
男は不思議そうに頭をかしげる
「でも、良かったです。私では魔物を追い払うこともできないので…」
先程、荷馬車の男が襲われていたがそこにルーツが通りかかり、何故かその瞬間魔物は逃げていったのだ
この世界には魔物と呼ばれる生き物が存在している
誰でも生まれたときは異能の力が備わっているが魔物を倒すほどの力はない
「…最近、魔物が増えてるのか?」
「そうなんですよ…」
魔物を倒せなくても、国に要請すると騎士が討伐してくれる
騎士は魔物に対抗できるほどの力をもち、この国を守る者としている
「国に魔物討伐の要請はしたのか?」
「一応…したんですけど、今隣国と揉めてるらしく手が回らないそうで…」
この地形には大きく分けて四つ大陸があるのだが、その大陸の1つ1つが3つに分かれおり、それぞれ国になっている
「なぜ、揉めてるんだ?」
「さぁ?私たちもよく知らないです」
男は、頭をかき申し訳なさそうにする
魔物が増えてるのと関係があるのか?
ルーツは黙りこみ考えていると
「ダンナは、旅人なんですか?」
男は、ルーツに聞いてきた
ルーツは、旅人にしては軽装なので男は怪しんでいるのだろう
「実は俺も魔物に襲われて…お金は無事だったんだが荷物は取られたんだ」
「それは!大変でしたね!」
男は信じたようだ
「それなら、私の知り合いの宿に泊まって下さい!安くさせますよ」
男はニコリと笑った
結構お人好しだな
「すまない…お願いする」
「かしこまりました」
ルーツは、薄暗くなっていく空を見ていた




