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不法行為につき、即座に駆逐いたします。〜突撃、いじめバスターズ!〜  作者: 村松希美


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第2章




第1節:新たな敵は「黒幕の影」



「『名誉毀損罪(刑法第230条)』。公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無に係わらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。……ふむ、実にクラシカルでありながら、現代社会において最も頻発する不法行為の一つだな」


放課後の部室(という名の空き教室)。陣内 蓮は、タブレット端末に表示されたSNSの画面を睨みつけながら、いつものように六法全書の文言を滑らかに唱えていた。


「おいおい、蓮。今度は何を見つけてブツブツ言ってんだよ」

隣で炭酸飲料を飲みながら、佐藤 翼が画面を覗き込む。

画面に映っていたのは、地域でちょっとした有名人(?)として悪名高い、自称・スピリチュアル思想家の高齢女性、通称「おばあ様」を崇拝するアカウント群だった。彼女はネット上で「あの店は呪われている」「あの生徒は不吉な存在だ」といった、根拠のないデマや誹謗中傷を巻き散らし、狭いコミュニティを支配している。


そして最悪なことに、その「おばあ様」の言葉を鵜呑(うの)みにし、手先となって動いている若い男たちのグループがいた。彼らは自らを「正義の執行者」と称し、標的とされた人間を複数人で取り囲んでは、ネットやリアルで集団いじめ(ケンカの煽り行為)を仕掛け、それを動画に撮って大喜びしているのだ。


「こいつら、タチが悪いな……」翼が眉をひそめる。

「おばあ様に操られているだけの『操り人形』の癖に、自分たちが偉くなったと錯覚し、偉そうに格好をつけている。だが、その実態は1対1では何も言えない、集団という安全圏からしか攻撃できない小心者だ。……実にダサい」

蓮の眼鏡の奥の目が、冷徹に光った。


「他人の尊厳を泥靴で踏みにじり、ケンカを煽って大喜びする。そんな『集団いじめ』を娯楽だと思っているアホどもには、現実のリーガル・ジャスティス(法的正裁)を教えてやる必要があるな」






第2節:ダサさの可視化作戦



数日後、蓮の予想通り、その「操り人形」の一派(リーダー格の金髪男・(たけし)たち)が、いじめバスターズの噂を聞きつけて、蓮たちを学校近くの公園に呼び出してきた。


「よお、法律オタクの陣内じゃねえか。お前、ネットでおばあ様の悪口言っただろ? 人の心を傷つける奴は、俺たちが成敗してやるよ!」

武は、背後に5人の仲間を従え、ポケットに手を突っ込んでニヤニヤと笑っている。自分たちが「正義の味方」として圧倒的に優位に立っていると信じ込んでいる顔だ。

蓮はため息をつき、静かにボイスレコーダーを起動した。


「武くん。まず第一に、私は客観的な事実に基づいた批判しかしていない。第二に、君たちが今やっている行為は**『恐喝罪(刑法第249条)』、あるいは『強要罪(刑法第223条)』**の予備行為に該当する可能性がある。何より……」

蓮は一歩前に出て、武の目を真っ直ぐに見つめた。


「群れなければ何も言えず、おばあさんという他人の言葉を自分の思想だと勘違いして、集団いじめで大喜びしているその姿……客観的に見て、**ウルトラ泥臭いほど『ダサい』**という自覚はあるかね?」


「あんだとぅ!?」武の顔が怒りで引きつる。

「君たちは勝った負けた、上下関係でしか人間を見られない、(ゆが)んだ自己愛の(かたまり)だ。誰かを(たた)いて一体感を得ることでしか、自分のちっぽけな承認欲求を満たせない。それは『強さ』ではなく、内面の自信のなさの裏返し、すなわち**『ただの小心者のポーズ』**だと言っているのだよ」


「てめえ、コケにしやがって! 野郎ども、やっちまえ!」

武の合図で、周りの男たちが一斉に(つか)みかかろうとした。


その瞬間、翼が背後の植え込みから、三脚に固定された本格的な配信カメラをガタッと突き出した。

「はい、ストーーーップ! 配信開始!」翼が大声で叫ぶ。







第3節:崩れ去るメッキ



「な、なんだそれは!?」武たちが足を止める。

「今回は、前回のハッタリとは違うぞ」蓮は不敵に笑った。

「今回は本物の、地域密着型プラットフォームでの完全生配信だ。さらに、君たちの所属する大学、およびバイト先、そして君たちが狂信している『おばあ様』のデマ発言の魚拓(証拠)一式を、画面の横に同時テロップで表示している」

スマホを確認した武の仲間の一人が、悲鳴を上げた。


「お、おい武! ガチだ! コメント(らん)が『うわ、こいつら群れて何やってんの?』『おばあさんに操られてる人形じゃん、ダサすぎ』『実家と大学特定した』って、大炎上してる!」


「ひっ……!」

武たちの顔からみるみる血の気が引いていく。

彼らは自分たちが「格好いい正義の味方」として世界に映っていると思っていたのだ。しかし、画面の向こうの世間から突きつけられた評価は、**「誰かに操られて集団いじめをしている、みっともなくて哀れな小心者」**という、冷徹な現実ラベルだった。


「社会的価値観というものはね、時代と共にアップデートされるのだよ、武くん」

蓮は冷たく言い放つ。


「これからの社会において、集団いじめは『怖いもの』ではなく、**『徹底的にダサくて、恥ずかしくて、関わりたくない精神的未熟さの象徴』**になる。君たちはその先陣を切って、恥のサンプルとして世間に(さら)されたわけだ」


「頼む、消してくれ! 配信を止めてくれ!」

武は頭を抱え、その場に崩れ落ちた。さっきまでの傲慢な態度は微塵(みじん)もなく、ただの(おび)えた少年に戻っていた。






第4節:人生は、勝ち負けではなく「物語」だ



事件は解決し、武たちは二度と嫌がらせを行わないと誓い、彼らの背後にいた高齢女性のコミュニティも、ネット上の証拠拡散によって急速に求心力を失っていった。


夕暮れの公園。蓮と翼は、ベンチに座って静かに空を見上げていた。

「いやー、今回もスカッとしたけどさ」翼が炭酸飲料を飲み干す。


「あいつら、最後まで『俺たちの負けかよ……』って絶望してたな。どこまで行っても勝ち負けでしか物事を考えられないんだな、可哀想に」

蓮は眼鏡を押し上げ、遠くの街並みを見つめた。


「フッ、人間や人生は、そんな単純な勝ち負けの(わく)にはめられるものではないさ、翼」

「お、珍しく真面目なトーンだな?」

「私はね、**人生は勝ち負けではなく『物語』**だと思っている」

蓮の声に、確かな芯が通る。


「どんな状況や環境にあっても、自分が何を心の底から感じ、どう考えて、どう行動したか。そのプロセスそのものが、その人の人生という物語の価値を決めるのだ。誰かを蹴落として『勝った』と喜ぶだけの人生なんて、プロローグの1ページ目で打ち切られるような、中身のない退屈な物語さ」

翼は少し驚いたように蓮を見つめ、それから嬉しそうに笑った。


「相変わらず、言うことが一丁前だな、法律オタクの(くせ)に。……で? そのお前の『物語』のヒロインである白雪紬(つむぎ)ちゃんには、いつになったら再会できるわけ?」


「ぶふっっっ!!!」

蓮は盛大にむせ返り、顔を真っ赤にした。

「そ、それに関しては現在、私の人生のタイムラインにおいて、伏線回収のためのデータを収集中であり……!」

「はいはい、相変わらずのチキンモードね。ほら、帰るぞ、いじめバスターズ」



二人の影が、夕日によって長く地面に伸びていく。

彼らの紡ぐ「物語」は、これからも誰かを救いながら、どこまでも続いていく。


もうAI設定はしてありますが。


AIと話をしていたら、会話がアイデアになってこの章ができました。


人間は、生産、成果機械ではないですよ。


人間は、何を感じ、何を考えて行動するかという生き物です。

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