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結婚したくない腐女子が結婚しました(連載版)  作者: 折原さゆみ
番外編 年齢について考える
259/259

24年齢差IF(大鷹35歳×紗々25歳)

「今日はよろしくお願いします」

「ヨロシクオネガイシマス」


 私は結婚相談所に登録して婚活に励む25歳の女性である。就職をしてから早3年。私は出会いのなさに絶望していた。中小企業の事務職に出会いなどない。そもそも、会社で働いている人数が少ないのだから当然である。恋人がいない歴=年齢となっている現状は致し方ないにしても、このままだと結婚も出来ずに生涯を終えてしまう。


 さすがにそれでは人生寂しすぎると思い、結婚相談所に登録してみたわけだが、若いというのはかなりのアドバンテージとなるらしい。見た目も性格も別に普通の私でも、毎日たくさんのお見合い申し込みがアプリを通してやってくる。しかし、ここで気をつけてもらいたいのが、年齢差だ。


 お見合い申し込みが来るのはありがたいが、彼らの年齢層に問題がある。大半が10歳以上年上からの申込みだった。カウンセラーには年上を勧められるが、さすがに10歳も年上の相手とは結婚したくない。年齢的に年下はムリだが、同い年、または2~3歳差の相手が理想的だ。


 そんな中、私はお見合い申し込みしてくれた男性の中から、ひとりの男性とお見合いすることに決めた。


 大鷹攻おおたかさおさむ35歳。10歳年上の男性である。顔写真がイケメンで、職業良し、性格よし(プロフィールを見る限り)。これは10歳年上でも全然余裕で結婚できそうな優良物件に見えた。



 お見合い当日。私は集合時刻に間に合わず、遅刻してしまった。駅近くのカフェでお見合いすることになっていたが、当日、電車が大幅に遅延してしまった。


「電車の遅延なら仕方ありませんよ。倉敷さんのせいではありません」


 遅刻した理由を正直に話したら、大鷹さんは気を悪くするわけでもなく、仕方ないと言ってくれた。それだけで年上の懐の深さを感じた。


「どうして、10歳も年上の男性の申し込みを受けたのですか?僕はてっきり、倉敷さんは僕とのお見合いを断るかと思っていました」


 席は予約できる店だったので、大鷹さんは先に席で待っていてくれたらよかったのに、律儀に私を店の外で待っていてくれた。店員には事情は説明済みで、私と一緒に店内に入ると、すぐに予約された席に案内された。


 席に着いてドリンクを注文すると、大鷹さんが先に質問してきた。どうしてかと言われたら、こう答えるしかない。


「10歳も年上でも良いと思えるほどの優良物件に見えたからです」


 アプリで見た時から思っていたが、出会った瞬間、これは年上・年下問わず、お見合い申し込みが殺到する男性だと改めて感じた。だからこそ、私のような年下だけがメリットの女性にお見合いを申し込んだ大鷹さんの真意を聞いておきたい。


「私からも言わせてもらうと、なぜ10歳も年下の私のようなガキ臭い女性に大鷹さんはお見合いを申し込んだのですか?大鷹さんなら、年下・年上関係なく女性は選びたい放題で、お見合いも成立しやすいはずではないですか?」


「それは……。僕だって女性だったら誰でも良いという訳ではないからです。そもそも、僕はあまり派手な女性は好みません。どちらかというと」


「そこまでで結構です」


 これ以上聞かなくてもその後の言葉は想像がつく。どうやら、イケメン過ぎて女性関係でトラウマ級の何かがあったらしい。そしてそれは派手な女性が関係していたようだ。つまり、大鷹さんはその反対の女性を意識的に選んでいるということ。派手の反対とは。


「地味な女性を選んでいると」


「別にそういう訳では」


「だとしたら、申し訳ないですが私とは釣り合いません。派手な女性に嫌気がさしているということなら、私よりも、もっと性格が穏やかな人が大鷹さんには会っていると思います」


「僕はそうは思いませんでしたけど。とはいえ、10歳も年下の倉敷さんが僕を選ぶのはお勧めしません」


 なぜ、お見合いの場なのに、お互いを辞めたほうがいいと言い合っているのだろう。きっと似た者同士なのかもしれないが、年齢の差が邪魔をしている。だからこそ、お互い素直な気持ちになれない。そうだと思いたい。


 飲み物が届いた後も不毛な言い合いは30分程続いた。


「では、倉敷さんの今後の婚活がうまくいくように祈っています」


「私も、大鷹さんが無事に結婚できるようお祈りしておきます」


 このお見合いで大鷹さんとの縁は切れたのだと思っていたが、まさか会社の先輩の元恋人が大鷹さんであったことを知るのはもう少し後の話しである。




※※※

「どうでしょうか?」


「いやいやいや、どうでしょうもないでしょう?物語の中くらい、年の差を越えて結婚してもいいと思いますけど」


「大鷹さんがあきらめると言ったんですよ。だから、その意見を取り入れて書いてみたわけです」


「読んでいて切なくなるので、どうせなら、歳の差結婚をした僕たちの物語も書いて」


「これ以上はムリです。この話題での執筆は終わりです。またのご来店をお待ちしております」


「酷いです」


 書き上げた話は、個人情報を含むため、小説サイトに投稿はせず、大鷹さんにだけ特別公開した。二人だけの秘密の物語である。まあ、書いていた私も結婚できなくて寂しいなと思っていたのは内緒である。


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