第4節 初めての艱難辛苦
おかしいことに、学校に行ってから、成田太郎はたまに発熱や頭痛、風など小さな病気にかかることがあったが、倒れて学校へ行けなくなることがなかった。成長と伴い、風や雨に弱いこともなくなり、体もでかくなり、元気となっていった。知らないうちに、同じ年の子供より大きくなっているが、独りで居ることが好きで、静かで落ち着いた性格がそのまま引き継がれた。
最初に、両親はとても心配していた、親族の家へ里子に出すことがなく、三女に毎日送迎してもらっている。朝、三女は彼を学校へ送って、午後になったら迎えに行く。最初に、彼はお姉さんにしばらく背負ってもらっている、風や雨と会ったら、お姉さんから守ってくれている。
学校へ行く道が長いため、お姉さんは彼を学校へ送ってから家に帰らない。最初の1ヵ月半ぐらいは、お姉さんが学校の出入り口か辺鄙なところにしゃがんで、学校が終わるまで待っている。お姉さんは彼によく注意を払っている、暑くなったら、彼の服を減らしたり、汗多く出て下着まで濡れたら、彼を学校のそばにあるでかくない百貨店に連れて、あそこで綺麗な服を着替えさせる。
校長先生と教員たちは彼の特別な状況を知っているから、特別な扱いをしてあげている。お姉さんのことを責めないどころか、彼に体育授業に行かせない。
後に天気が暑くなり、良く衣服の加減をしなくても良い季節となった。彼も学校の新しい生活に慣れている、理由がない汗ばみなどもしなくなった。お姉さんは体操の時間以外に授業が終わってすぐ彼に来てもらうこともしなくなった。そんなに緊張しなくなったお姉さんは暇のときに百貨店の前の階段でセーターを作ったり、アルバイトをしたりしている。昼に学校が終わったら、彼をレストランへ連れて一緒に昼食を取っている、昼食の後、彼と一緒に遊んでいる。昼食を取ったら、彼はいつも眠くなり、天気が良くない時に、お姉さんに旅館へ連れてくれて休んでいる。天気が良い時に、旅館へ行かなくても、百貨店の前の階段でお姉さんに胸に抱かれて昼寝している。
百貨店の主人は年寄りの夫婦で、三人の子供が居る。娘二人が結婚して、残りの息子は太郎のお姉さんより2歳上で、体が弱いため、中学校卒業したら進学しなかった。家族の商売に手伝って、家業を受け継ごうとする。家族の条件が良いので、結婚相手を紹介してくれる人も少なくない、両親のハードルが高いので、息子がまだ婚約できていない。
最初は夫婦はそのお姉さんを他人並みの扱いを取っていたが、しばらく立って、互いに良く知るようになったら、交流も多くなった。お姉さんのお父さんが成田家族の継承者だとわかったときに、彼女に対する敬意ができて、互いには親族関係ではないが、兄弟二人が忍者の子孫で、その昔の伝説を信じている。その後、夫婦は彼女に対して関心を持った、いろいろな形で彼女を助けようとしている、彼女は無効にご迷惑を掛けたくないので、いつも断っている。
ある日、彼はお姉さんに抱っこされて寝ている。寝込んだ後に、夫婦が再び二人の前に現れた、何も言わずに彼を自分の家を連れて行って、部屋に寝かせた。お姉さんはそうしたくないが、夫婦は彼に自分の家の前で寝ることを看過できない、元々体が弱いので、また病気になったら、心配して後悔するから、まして、彼は成田家族の継承者だからと話した。
感動されたお姉さんは夫婦が彼女に対して好感を持ったと夢にも見なかった。その後、店は人手不足となり、暇な彼女に助けてもらい、給料もそこそこよかった。お姉さんは確かに暇だし、またご夫婦に恩返ししたいが、一番の目的は自分の弟の世話をすることなので、お姉さんは助けることができるが、店員として働けない、自分の弟が自分を必要とする時には、仕事から弟のほうに向かうと言った。夫婦は彼女頑固な表情を見て、それを許した。
それから、お姉さんは毎日彼を学校へ送っている。彼が学校に入ってから、お姉さんは百貨店へ仕事に行く。体操時間に彼を見に来て、店に戻るか料理をする。昼休みに入ったら、彼女は再び学校へ迎えにきて、夫婦の家で昼食を取る。昼食後、兄弟二人は遊んだり、昼寝したりして、午後に再び学校へ送り、午後の授業が終わったら、お姉さんと一緒に家に帰る。時に彼は午後学校に行かない日がある、昼食を取ったら兄弟二人が家へ帰る。
数ヵ月後、ある日、彼はお姉さんと一緒に家に帰ったら、仲人が居た。こっそりと聞いたら、その夫婦に行かされたとわかった。彼は生まれる前に、男の子が居ないため、両親は性格が男っぽい三女を男として育ててきた、彼が生まれたら、三女も大人になって、性格も定着した。そのため、両親はその嫁に合格すると言えない三女に相応しい結婚相手を見つけられなかった、それでいつも彼を学校へ連れてもらっていた。三女は男のようにチャレンジに興味があり、しっかりとした考えがある、苦しい仕事を恐れない、女のように家事を担当している、頭もよく、女性工人のような仕事が多くやっていないが、まじめにやっているので、年寄りの夫婦に良い印象を残している。後に店で仕事をはじめ、本性が現れてきた。店のビジネスにすぐ慣れて、勉強も早かった、物事に対して自分なりの見解を述べ、たまに夫婦と食い違いが生じている。また、ある商売に対する処理方法をめぐって、双方が大きな食い違いができ、彼女も思い切って仕事をやめて、それから夫婦の前に現れなかった。それで終わりかと思ったら、数日後、年寄り夫婦が縁談を持ち込んできたとは思わなかった。
世間のことは常に偶然に一致するのがある。偶然に一致したのは、夫婦唯一の息子は幼い頃から体が弱く、性格も弱い、人との付き合いたがらない。そのような人は家業を引き継いでも、他人に頼ってビジネスをやらなければならない。夫婦にとって、最も相応しい人はその三女なのだ。この前の食い違いが実は三女の間違いだ。しかし、夫婦はそのことを気にせず、かえって彼女がビジネスに向いていると思った。彼女が仕事に来たくないとわかって夫婦はとても不安だった。息子の理解を得てから、他人より先に縁談に来た。
三女は将来の旦那に特別な感情を持っていない。しかし、彼女の性格はビジネス場での活躍に向いている。また、自分の弟の世話をやりやすくなる、ご夫婦の家族は思いやりがある、特に彼女への思いやりがある。この前の喧嘩も彼女のせいなのに、夫婦は気にせずに、かえって縁談を持ち込んだことに、彼女もとても感動している。彼女は自ら自分の両親に縁談に承諾してもらった、条件としては自分の弟を連れて行くこと、夫婦の家族からも必ず自分の弟をよく扱うこと。自分の弟をよく世話するために、3年以内子供を生まないと約束した。
彼女の両親も彼女を男として育てた、ずっと彼女に服従している。向こうのハードルが高く、求めようとした結婚相手だ。一番大事なのは、彼女が嫁いだら、姉と弟二人は苦労しなくてもいいから、その結婚を承諾した。
その夏末に、学校が始まる前に、三女が結婚した。学校が始まって、休み以外に彼は三女の家に泊まっている。
2学期から、彼は体育授業に参加するようになった。体がどんどん元気となり、顔色も良くなってきた、身長も伸びて、2年後周りのクラスメートと同じようなり、クラス最も背高い学生の一人となった。
初めて学校へ行く日、つまり学生登録の日に、彼にとって一番印象深かったのは橋本英雄さんのことだ。橋本さんが自分のお父さんへの説教がなければ、自分も学校へ行けて、体も丈夫になり、勉強もちゃんとした。そのため、彼は心より橋本英雄さんのことを尊敬している。しかし、理由がわからないが、その日から、橋本さんと会うたびに、いつも緊張する気がする。のちに智子を通じて知ったが、橋本英雄さんは士官学校から卒業して、中尉だった。数年前の日露戦争のときに、彼は負傷して、両足が爆発で骨折した。完全に回復できないため、彼は軍隊から退役した。戦場で死ねなかったことは彼にとって遺憾なことだ。でも、彼は本当に死んだら、智子もいなかった。
最初の日の小さな出来事で智子と彼が知り合った。学校が始まり、二人が再び会ったら、まるで仲良い友達のようだ。前の約束で、二人は同じクラスの一番前にある同じテーブルに座らされた。
しかし、そのようなことが2年間しか続かなかった。
地主家族のお嬢さんから良く扱われているが、彼はいつも彼女の命令に従わなければならない、一緒に遊ぶときにも、彼女に苛められている。小学校1・2年生のときに、女の子は男の子より背が高く、男達より団結している、男をなめていた。たとえば、男子学生を女性トイレに閉じこませたり、男を床に倒したり、男に女性団体に入らせ、一緒に遊んだりして、また馬鹿だと言い出して、彼たちを団体から放り出す。智子も彼のことをそう扱っている、背が低い彼女は他人と勝てないが、同じ背が低い彼をいじめ、泣かせている。彼が泣いているのを見て、智子はいつも楽しそうな表情をしているが、結局、いつも彼女が彼を慰めている。
三年生になってしばらく、ある日の午後、ある男の子がボールを学校へ持ってきた、授業が終わって休みの時にみんなは一緒にボールで遊んでいた。ベルが鳴り、ボールが彼から遠く飛んでいった。彼はボールを捕まえ教室へ帰ろうとしたら、みんな教室に入り、先生も教室の入り口にいた。彼はボールを持って自分の席へ戻って、授業が終わったらボールの主人へ返そうとした。智子はそれを見て、突然ボールを奪った。彼はどうお願いしても、返してくれなかった。意地悪い智子はボールを奪って、先生に見つからないように、ボールを両足の間に入れた。彼はボールを取り戻さなければならない、授業が終わって、自分が持っていたボールが女の子に奪われたら、必ずみんなに笑われる。彼は方法を考えた、先生が教室の後ろに行ったときに、彼はこっそりと傘を持って、智子に気づかれないうち、急に差し出した。
彼は智子の両足間のボールを出して、奪おうとしたが、ボールが落ちる瞬間に、智子が悲鳴を上げた、すぐ地面に倒れて号泣した。
先生は急いで走ってきて、智子の足に大きな傷があり、血が流れている。ほかのことを気にせず彼女を抱いて教室を出た。
彼はしばらくしたら、何か起こったかがわからないようにぼんやりとそこに立っている。意識を取り戻したら、クラス全員が自分のことを見つめているのに気づいた。自分が大きな誤りを犯したとわかって、彼も崩れた。彼は走って走って、お姉さんのところへ駆け込み、お姉さんと会ったらすぐ泣き出して気を失った。
目が覚めたら、自分が病院にいることに気づいた。お姉さんから、智子も同じ病院にいて、今隣の部屋にいる。彼女も命に別状がなく、すぐ回復できると教えてくれた。彼がショックを受けられないのを恐れて、お姉さんは彼を責めていなかった、深く呟いて、頭を振らしている。それだけでも、彼は苦しくて、泣きながらお姉さんに自分が学校を辞めると言った。
彼は当日退院した。翌日になったら、彼はどうしても学校に行かないと言った。午前中、ずっと自分を部屋に閉じこませている。昼になったら、クラスの担任先生が彼を探しにきた、少し彼を叱っていたら、彼に学校に行くことを勧めている。彼もしようがなくて、自分が学校に行ってもいいが、智子の隣に座りたくないという条件をつけた。先生はそれを聞いて笑って言った「智子ちゃんもあなたと一緒に座りたくないと言ったよ。二人とも一緒に座りたくないなら、分けましょうか。あなたが男だから、寛容になれ。明日成田君が学校に行ったら、同じ席に座ってね、先生のほうから成田君のことをひどく叱るから、怒ったぶりをして、成田君を後ろの席へ行かせる。そうすると、智子ちゃんは先生が彼女のためにやっているとわかって、気持ちが済んだら、成田君と仲直り。成田君も智子ちゃんと一緒に座りたくないから、とても誤解されたような顔してね」。彼は承諾した。
翌日、彼は学校へ行った。智子も親に背負われ学校に行った。智子と会ったら、彼は急いで謝っていたが、智子から相手にしてくれなかった。担任先生が教室に入って、クラス全員の前でひどく彼を叱って、彼もそれで泣いた。担任先生は彼をほかのところに座らせ、彼も話を聞いて行った。元の席と離れて、彼はこっそりと智子を望んだら、智子がこっそりと笑っているのを見た。
そのことの後、彼はいつも智子と遠く距離を置いている、話の交流も避けようとしている。しばらくしたら、智子は彼に近づいて話そうとしたら、彼は見なかったふりをして、早く去っていた。その時から、智子が彼を見る目付きがどんどん疎遠感を感じてきた。その後、彼の背もどんどん伸びていき、後ろの席へ移り、前列に座る智子と次第に離れていき、彼女を注目することも忘れるようになった。いつの間にか、彼女に対する記憶は細い体のイメージしかなくなった。
遊び嫌いな彼はすべての力を勉強に入れた。彼の成績が良く、単科の点数がいつもクラスのトップ5に入っている、総合点数もトップ3に入っている。家族のみんなはそれで喜んでいる、特にお父さんはいつも微笑んで「わが成田家は何世代も経てきたけど、やっと出世できる人がいた」。
お父さんは継承者だが、神様からの啓示があり、彼に引継ぎのことを思わせなくなった。彼は自分が大学まで行きたいと言ったので、それもいいことだから、彼を好きにした。大学の学費が高く、普通の家族が負担できない。神様から守られているおかげで、お父さんは海へ行くたびいつも多くの収穫ができている。息子の大学費用のために、白髪も出ているお父さんはまだ大海原で漂っている。
あっという間に、彼は小学校から卒業して、中学校に智子と会ったこともなかった。クラスメートの話によると、彼女は町で勉強して、おばさんの家に住んでいるそうだ。
中学校卒業後、勉強を続けるために、彼は一人で町に行った。町に着いて、普段休みの時だけ家に帰れる、ほかの時間は彼が学校に住んでいる。
ある夏に、彼は夏休みで帰省した。家に帰ってお父さんが一ヶ月前に居なくなったことを聞いた。ある日、お父さんは静かな海に出たら帰ってこない人となった、海へ捜索に行った人も何も見つけなかった。
彼は悲しく泣いて、海岸の岩の上で、広々とした海を見つめている。泣き止まない彼はどうしても帰りたくないと言って、お父さんが帰ってくるまで待つと話した。
憔悴したお母さんは苦労して山へ登ってきた、彼のそばに座って、お父さんが元々居なくなるべきだったと告げた。成田家族の継承者は漁をする時から、世代皆が静かに居なくなっている、お父さんもそうなるべきだった。お父さんは一番長く生きて、最も楽しい生活を送った人だ、息子が出世して、学費も儲かっている。娘たちもみんな嫁いで、自分の孫までできている。お父さんはすでに満足している、元々早めに行くべきだった。息子としては悲しいではなく、喜ぶべきだ。
「成田家の継承者は海の子だ、お母さんから呼ばれているから、彼たちも家に帰っている。あなたは一生苦しんできたから、これからゆっくり休んでください。あなたは良い夢を見てください、私もすぐついていくから」お母さんは微笑んでいるが、老けた顔に涙がこぼれている。
お母さんの揺ぎ無さに彼は始めて見て驚いた。
お父さんは行ってしまった、継承者の束縛を彼に伝えていない、彼に対する唯一の希望は大学に入って、大義名分を持ってこの村を出ることだ。
彼はお父さんからのメッセージを覚えた。それから、彼は勉強にもっと励むようになった。
しかし…
災いが次々とやってきて、夏休みが終わっていないうちに、突然の火災で、三女お姉さんがいる街半分が焼却された、お姉さん家族の財産がすべてなくなり、年を取っている夫婦も家から逃げられなく、死亡した。火事のときに、妊娠しているお姉さんは自分のお母さんと一緒に病院で健康診査を受けていた、二人の子供も学校に行っているので、一命を止めた。お姉さんのご主人は家で店を経営している、家事がひどかったので、家から逃げた彼も自分の両親を救えなかった、店の品物を持ち出せなかったので、外で絶望的に号泣するしかない。
普通は焼却されたら、家を建て直しやすいが、店舗が焼かれたら、損害がいつも大きい。多くの品物がローンで仕入れたので、品物が焼かれてもそのローンが残っている。無情な打撃で、ご主人があきらめて、死ぬことさえ考えていた。
成田太郎は5人の姉がいるが、一番よくしてくれるのは3番目のお姉さんだ、お母さんより親しい。お父さんが泣くなり、お姉さんはお母さんを自分の家へ連れてきて養っている。ご主人も家族もお母さんのことを家族のように扱ってくれていた。その時に、成田太郎はお姉さんに、まだお父さんが僕に残してくれる金があると告げた。
お姉さんはそれを聞いて、太郎君の口を止めた。「それはあなたへのお金だから、大学進学用のお金だよ。私たちは死んでもその金を使わない。そうしないと、別の世界でお父さんと会うのも恥ずかしくなる。」
「今はどんなときかわかるか、まだそんな話をして。そのお金を要らなかったら、僕も大学に行かない。」
彼は思い込んだことだったら、本当にやり遂げる。お父さんが生きていたときに、もし太郎君がやりたいことを決めたら、好きにしろと言っていた。つまり、太郎君に自分の人生の道を選んでもらい、継承者の束縛を受けないでほしいわけだ。本当に彼のためかわからないが、お父さんの話はまだ効いている。皆は太郎君を止められなく、譲歩した。
一部の金を残して、太郎君に高校まで読ませる。ほかの金を三女お姉さんに渡して、ローンを返すや、残りは家の建て直しや新しい品物を仕入れるためにした。最初、ご主人は新しい商品を仕入れなくてもいい、自分がアルバイトか農業に出かけると言ったが、ご主人の弱い体を思ったら、太郎君はどうしても同意しなかった。
それで、ご主人は泣いて、太郎君の手を持って自分が必ず頑張って設けて、太郎君が大学に行く前に借りたお金を全部返すと話した。
しかし金儲けはそう簡単なことではない、小さなビジネスだから。
その時から、彼は小遣いを使わないようにして、新しい服も買わない、食事代さえ減らした。節約したお金をお母さんに預けて、大学進学のときに使う。
その時から、彼は生活の辛さをなめた。大きく損を受けた彼は自分の将来がどうなるかに迷っている。生活の流れゆきに任せるしかない。




