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弱者の天国  作者: JCN
第4章 昔が煙如く
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第1節 神守家族

 8,9歳ぐらいの似萍は昔の苦しみに別れを告げた。彼女は固い信念を持ち、自分のお母さんを探すために、営林場から消えた、彼女の生死について誰もわからない。

 それは陳新のせいだと明らかになっている。陳新は彼女を苦しめたり、彼女を嫌って避けたりして、彼女はそれからキャンプ地にいる希望を失ってしまった、自分のお母さんのところでしか、本当の幸せと安らぎを得られないと思った。

 陳新は本当に似萍を恨む理由があれば別にいいが、似萍が覚悟して死のうとしたら、一番恐れるのが陳新だった。特に初めの頃、似萍が失踪した時に、喜ぶはずだった陳新だが、茫然として荒野で奔走していた、その惨めな叫び声が大地で鳴り響き、神様さえそれを見て感動するだろう。それだけではなく、悔しい彼は療養中にも関わらず、似萍を探し出していった。

 彼はどうしてそのような人間になったか。どうして自分の娘に対する態度が違ったりするのか。それについて、話がとても長引く。

 ……

 200年前から、日本国のある辺鄙な海沿いに小さな漁村がある。10数世代は漁業で生計を立てている、その中の数世帯は小さいな田んぼを開墾して作物を作っている。

 ある夏、台風が上陸して、凄まじい嵐による土石流はある農家の大部分の田んぼ及び数軒の家に損害を与えた。

 その家族の夫婦は50代近くで、3人の娘を育てている。長女と次女は結婚して子供を産んでいる、末女の年も結婚できるが、その夫婦は婿に自家へ住み込んでもらいたいから、なかなかその意向がある婚約者がいない。夫婦と末女3人は田んぼの収穫で生計を立てているので、農作物と住まいが壊されてから、生活がさらに苦しくなっていった。命を取り留めた夫婦は雨が止む前に、田んぼへ見に行って、号泣した。

 心が苦しんでいるところ、険しい山道から黒服を着ている人が寄ってきた、足元がよろよろして、まだ話をしていないうちに、気を失って倒れた。

 その人は30代の男性で、粋な顔をしている。体に傷は数箇所がある、ふくらはぎのところの傷が一番酷くて、骨も見えている、その傷の周辺の筋肉はすでに雨水で白く浸かっている。

 仏教を信仰している夫婦は思わずその人を家へ運んだ、傷を処理して、ベッドに寝かせた。目がずっと覚めていないのを見て、主人は遠く離れた町へ医者さんを呼びに出かけた。町に着いたら、賞金が高い指名手配を見た、その対象が自分の家にいる人だ。主人は結局医者さんを捜さずに直接家に帰った。家に着いたら、その人がすでに起きた、主人はその指名手配のことを教えたら、男がこれから賞金をもらうために自分を通告するかと聞いた。主人は家族皆仏教を信仰しているので、世間のことに煩われるわけがない、縁があるから互いに巡り合った、善悪を問わずに、人の命を救えるのが一番だと話した。

 他人に見つかるのを恐れて、男を半壊した小屋に隠した。小屋の出入りが不便のため、男の世話をやくことがほぼ末女に任せている。後に、男の本名が三郎だとわかり、その以外のことについては誰もわからない。克己精神が強い彼だが、自分のことについて何も話さない、無口で、自分を助けてくれたこの家族に対して感激の気持ちでいっぱいだが、家族の皆に用心して一定の距離を置いてある。

 3ヶ月後、男は負傷から回復したが、障害が残っている、歩く時はいつもよろよろしている。この家を離れる数日の前に一人で遠く出かけて、多くのお金を持ち帰った。家族の主人はどうしてもそのお金をもらわないと言いつつ、最後にやっと自分の理由を告げた、それはお金の出所が分からなく、仏法に逆らう恐れがあるからだ。

 「本当にわしに感謝したいなら、そのお金をお寺の方に寄付しなさい。あなたの善悪を問わないけど、善悪を知らんわけじゃない。行いの悪い人は悪く報われる。もしあなたが悪いことをしたなら、改正を望む」。男はその話を聞いて、何も話さなくなった。家族のみんなと離れる前に、末女が泣き出して、男の懐中に寄って、離れてほしくないようだ。

 男が離れた。しかし、3ヵ月後にその家族の生活が一番厳しい時に再び現れた。家に入ったら、自分が婿養子の希望を厳粛に申し出た、自分が貧乏で体の障害があるのを気にしなかったら末女をくださいとお願いした。

夫婦二人はまだ躊躇しているうちに、末女が嬉しくて涙さえ流れていた。それを見ると、夫婦も賛成した。

 数日後、家族は質素な結婚式を挙げた。

 結婚してから、田んぼの仕事はほぼ両親と末女に任せている、重い仕事ができない三郎は家で出来るだけのことをやっている、部屋や庭を片付けたり、洗濯したり、ご飯を作ったりしている。まるで家庭主婦のようだ。村の人から、三郎こそ本当の婿養子だよと言われているが、三郎もそれに対して、笑うだけで、何も言わない。

 三郎は他人に笑われることを気にしない、外へ出て娯楽もしない。家で本を読んだりしている、主に仏教関係の経典を読んでいるが、経典の内容について考えたりして、覚悟したら、さらに経典の世界におぼれる。結婚してから、家の信仰に従い、あまりお寺に行かないが、お肉を食べないようにした。三郎と末女が生んだ子供もお肉除きの食生活を送ってきた。三郎は歳月に連れ、仏教に対して敬虔になり、超越して、安らぎになった。しかし自分の過去をいつもわざと避けている。

 結婚して3年、三郎は家の後ろにある小山を買って、山頂でお寺のような小屋を建て、屋内に顔がはっきりしてない仏像を置いた。三郎は仏像を小怪霊と名付け、自分のお守りだと言った。なぜ小怪霊の名前にしたか、なぜ守ってくれるかなどについて、三郎は答えようとしないが、いつも線香を供奉して祭っている。

 家族に三郎が増えて、生活がもっと苦しくなるはずだが、一番苦しい時に、三郎はいつもお金を出している。両親は来世のことに害を与えるのを恐れていつもお金の出所を詰問している。三郎は盗んだ金でも奪った金でも騙した金でもなく、自分が稼いだ金だと仏様に誓っているが、一体どうやって稼いだかについて、死ぬまで言わないと神様に誓ったと説明している。両親はどうしようもなく、また普段の行いを見て、昔に悪い人だと思わない、しかも仏経にも「凶刃を捨てさえすれば,直ちに成仏する」ということがあるので、両親はそのまま構わないことにした。

 三郎が来てから、家族の生活がそれほど苦しくなくなった。三郎はお金を持っているが、一番必要な時だけ少し出しているので、外から見ると、その家族の生活はそんなに変わっていないように見える、少し改善されても、村の皆とほぼ同じで少しだけ優れた程度だ。その理由を探ろうとする人々も他のお金があると思いつかない、ただ三郎は男だけど、女より生計をうまく維持できると思っている。

 その家族は和やかな生活を送っている。三郎の奥さんは男3人・女3人合わせて6人の子供を生んでくれた、みんな健康に育ってきた。医療条件が良くない時代に、その辺鄙な漁村では大きな奇跡とも言える。三郎はそれらのことをすべて神様からのお守りだと見なして、因縁などについてもっと信じ込んだ。

 数十年後、両親は和やかにこの世を去り、6人の子供も結婚して、自分の子供を育てている。

 もう数十年後、90歳過ぎた三郎は妻に亡くなられ、自分の残りもわずかだと予感した。ある日、三郎は自分の子孫を集めて、長く心の底に隠した秘密を家族全員に告げた、それは三郎が元々忍者だった、多くの人々を殺し、多くの人々に殺そうとされていた。自分の義両親がいないと早く死ぬはずだった。しかし、一体どのような人を殺したか、どのような人に殺そうとされたかについて言わなかった、それは永遠たる秘密となった。

 三郎はこう告げた、自分が療養のとき、次第に感銘して、仏様の存在を感じていた、自分のお守りの小怪精もそうだった。小怪精がいなかったら、最後の使命を完成できない。夢でしか出ていなかった小怪精が一体何かについて、三郎は自分さえ分からない、知っていることはこれだけだ、小怪精が海から来て、神力があるが、名分がない。まだ幼く、戒律に従いたくないので、他の神々が人間に祭られたりして、羨ましくなり、裏で三郎の使命達成に手助けた、使命達成後、三郎が仏教に帰依して、小怪精のために小寺を立て、常に祭るように約束していた。もし続けてやり遂げたら、小怪精も自分の限られた神力で彼と子孫をできるだけ守ってあげる、その守りも小寺にある仏像が非人力的に壊されるまでだ。

 三郎はこう言った、自分の使命をやり遂げた後、神の呼びかけに応じ、ここに戻り、昔の悪人から一変して、仏教に専念し、和やかな生活を送るようにした。元々、自分が持っていたお金をすべてお寺に寄付して、世間の罪を償いたかったが、夢で小怪精が数回も出現して、残りのお金を長男に継いでもらうように教えた、長男がなくなり、長男が生んだ長男に継いでもらう。お金がなくなったら、田んぼを財産として継承してもらう。承継できなかった人は家族を離れたら自由にさせるが、継承者は必ずしも仏様へ敬虔な心を持ち、続いて小怪精の仏像を祭らなければならない。戒律に従うなら、神様からのお守りを子孫までいただけるが、そうしないと、親族まで全員重罰される。

 子孫たちはその話を聞いて少し困惑しているが、戒律に信じて人望高い人は大げさな話をしないと分かっているので、しかもその仏像が長く祭られてきているから、本当かどうかにも関わらず、誰も犯すつもりがなく、みんなは跪いてその仏像を祭っている。神守家族のうわさが次第に広がっていった。

 しばらくして、三郎はこの世を去った。

 すべての財産は長男に継がれた、長男がなくなり、長男の長男に継がれた。すべての継承者は神からの厳しい指示に従い、仏様への敬虔な心を持ち、戒律に従い、触れ回らない、和やかな生活を送っている。

 不思議なことに、三郎の子孫特に直系親族は一般人と変わらないが、皆長生きで、生まれた赤ちゃんは夭折が少なく、大きな災害と遭っても怪我はするが、死ぬまでのケースが少ない。100年後、各地に分散する子孫は数えられないほどいるが、主に広島に住んでいる。

 この頃になったら、成田という苗字の一系もできた、まだふるさとで暮らしている親族はその古くない伝説を深く信じている、神様からのお守りを賜っている。その喜びの気持ちとともに、神様からのお守りがなくなるのを恐れている、次々の継承者に神からの指示に従い、神様への敬虔な心を持ち、触れ回らないことを何回も教えている。そうすると、継承者は逆に自分に対して、物事を決められなくなった。

 数十年後、大地震が起きて、成田家族の皆は神様の力で生き残れたが、財産に大きな損失がでた。当時の継承者は成田俊仁だ。地震による山崩れと土石流があって、巨石が混じった土砂はすべての田んぼを埋めた。先祖からのお金もすべてなくなり、田んぼを失った家族は頼りをなくした。

 成田家族の皆はその成田俊仁を助けようとしてもどうしようもなかった。自分の家族の被害も酷く、お金を集められなかったし、神様の指示に従いこの家を出たら、自由にさせられるので。ふるさとに残った親族は生活に迫られ、魚と肉を食べる漁民になっているので、しかたがないので、素食の成田俊仁家に魚と肉を持ってきた。

 そうなると、生産手段を失った成田俊仁の生活が次第に苦しくなり、数ヵ月後、親族からの援助が続いているにも関わらず、常に食べ物がない状態に晒された。

成田俊仁はそれがすべて神様からの試練だと思っている。しかし、自分の痩せすぎた子供を見て、話す気力さえなくなっているのを見て、彼はそのままでいられなくなった。

 一度自分の子供に肉を食べさせようとしたが、親族のみんなに止められた。家族の全員を連れてこの家を出ようとしたら、同じく親族のみんなに止められた。成田家の生死よりも、むしろ親族のみんなは神様からのお守りを失うことや、神様から罰されることをもっと恐れている。みんなは本当にそうなってほしくないので、できるだけ成田家を助けようとしている。

 どうしようもない成田だが、神より道を導いてくださるのを祈るしかない。

 ある日、成田の夢の中、神が本当に現れた。神から成田家の人は魚を食べれるようにする、でも魚だけとする。自分が田んぼを失ったため、海へ漁に行けるが、一人でしか行けない。成田はいいですが、親族の人々から反対されると答えたら、神は方法があるよと言って、成田の耳元で何かを言いつけた。

 翌日、成田は目が覚まして、家の木造風呂を出して、また大きな杭を探してきた、風呂の下にワイヤで木材を固めた。

 ある人はそれを見て、成田に理由を聞いたら、成田は夢で神からのお告げを話した。その木造風呂を舟にして、一人で島の向こうへ小さな網で漁に行ってくる、もし一日でいっぱいの魚を取れれば、神からのお告げが本当のことになるが、そうじゃないと、昔の生活に戻り、食べ物がなく死んでもよいと言った。

 そのことは風のようにすぐ漁村の隅々まで広がった。多くの人が寄ってきた。止める人もいなく、そんな大漁できることを誰も信じていない。そのありえない奇跡があるかどうかを確かめて、成田を助けて、木造風呂を海辺まで運んできた。また誰かから小さな網を貸してくれて、使い方まで教えてくれた。

 成田はその木造の風呂を漕いで、島へ出かける。わずか数時間後、彼は戻ってきた。陸地に上がったら、容器の中に魚がいっぱい入っている。多すぎて木造の風呂の中まで飛んできた、多くの魚がまだ生きている、種類も豊富だ、珍しい魚も少なくない。深い海にしかない魚もいる。何の綻びもなかったので、皆は神の出現だと信じた。

 その日の午後に、成田と子供たちは初めて魚を食べた、とてもおいしかった。子供たちの笑顔を見て、彼は再び泣き出し、跪いて神様からのお守りに感謝している。

 それから、成田は毎日海へ漁に行って、毎日のように豊漁だ、魚を売って儲かって、船と釣り具を買い換えてから、漁量が一般人なみになった。その時に成田はすでに漁師となり、魚以外に、お肉を食べれない。彼は神からの指示を厳しく従っている、仏様に敬虔な心を持ち、戒律を守り、触れ回らない。彼はそのすべてをやり遂げた。 

 ある時、親族のみんなはとても不安となっていたが、そのすべては昔のように過ぎているのを見てやっと安心した。

 この家族は相変わらず神守家族だ。


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