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心の鎧甲  作者: 鴉山大樹
第01章 出会いと誘拐
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第4話 ハグレた存在

「ん?なに?」


ミリクが住む屋敷では、裏にある池で全裸の池に入って、風の音と水の動きなどで占いをしてた。


[これは…なんか恐ろしい予感ね?……]


占いの結果に不安を感じながら池から出て屋敷に戻ると


「ただいま泉さん」

「お帰りなさい。どうしましたか?」


カマイタチのメイド・鈴崎泉がミリクの濡れた身体を拭きながら尋ねる。


「分からないけどとても恐ろしくて……多分世界に影響が起きるほどの……」

「それは本当なのですか!?」


ミリクの言葉に鈴崎は慌ててしまう。


「でも趣味でやってる事だし、そんな深刻にならなくてもいいからね」


心配しないように言って自分の部屋に入り。


[大丈夫だよね?……たまに当たったりするけど……今回は外れるよね]


服に着替えながらミリクは自分に言い聞かす。それから着替え終わって居間に来ると鈴崎が紅茶を入れる。


「そういえば昨日から人間国の飛行機が飛んでませんね」

「え?たしかにこの間まで、バンバン飛んでたけど」


と新しい話題に切り替わった。


「もしかしてこれは、占いと関係あるのでは?」

「これもよく分からないけど……多分関係ないと思うから」


なんとかそう信じるミリクだった。










ショッピングモール・モンストでは、野田がカート集めや品出しをしていた。


「昨日は大変だったぜ。バイトの日だったなんてな」


笑いながら仕事する野田はバイト仲間の、黒髪で血のような目と牙のある妖怪・吸血鬼=ヴァンパイヤの青年に言うが無視する。


「……ホントお前って人付き合いがないね、ダイゴ」

「うるさいなぁ」


溜め息をしてヴァンパイヤの青年・小山ダイゴに呆れてしまう。


「お前も喋り過ぎだろ?」


するとそこになぜか白木がいたがじつは彼もバイト店員だった。


「しかし昨日お前ギリギリセーフだったな。もし遅れたら給料が下がるところだったからな」


さらに同じバイトの倉山も登場。


「いや~~~俺ってこういうのは、忘れやすいたちでね」

「まっ、たしかにな」


笑う野田に呆れる白木であった。


「せっかくだから、今日飲みに行こうぜ」

「おっ!良いねそれ♪」

「たまには良いか♪」

「割り勘だがしたがないな」


野田の提案に全員は賛成した。

夕方の居酒屋に野田達四人が飲みながら色んな話で盛り上がっていた。


「なあ野田。この前買ったDVDは?」

「もちろん見たに決まってんだろ。すんごくエロかったぜ!」


野田と倉山はエロDVDの話を始めていく。


「あれ?野田に白木?」


すると後ろのテーブルに頭に皿を着けて顔の色が緑色の妖怪・河童がいた。


「よう!中橋もいたのか!!」


河童の青年・中橋朔朗に声をかける。


「お前ら。バイトの帰りか?」

「そっ。中橋も?」


じつはこの5人は、ミリクとスミレと加藤と黒燕丸にメアリス、そしてホルを含めれば、全員同じ学校の同級生だった。


「それにして加藤は兎も角、ミリク達は希望通りの仕事になったな」


ダイゴが寂しそうに言うが実際、ミリクは見習いの環境自然保護員。スミレも見習いだけど福祉の職員。黒燕丸はカラス天狗とハルピュイアで構成した空中団の団員。メアリスはアイテム製作のデザイナー。ホルはこの前の話どおりバイトの秘書兼事務員で。三人の就職先はそれぞれ希望した進路だった。


「でも良かっただろ?三人が望んだので」

「お前さぁ、進路全然考えて無い奴が言うなよ」


野田がのん気に言うが、倉山は完全に呆れる。


「痛いとこ言うなよ」


そして五人はしばらくすると居酒屋から出た。


「じゃあまた明日」

「あばよ」


4人はそれぞれ帰っていくと野田は少し夜道を散歩をした。

何もなく虫の音や風で木と草がすり合う音が奏でて、月も光って少しロマンチックな雰囲気になりながら歩いてる。


「ん?」


だがそんな時、ベンチには昨日見た灰色ロングヘアーの人間のような少女が、座っていたので、すぐに野田は茂みに隠れた。


[本当に人間かな?でもなんでこの国に?]


野田は風で灰色の髪をなびかせてる、不思議そうに少女を見つめ続けてた。


「なにこっそり見てるの?」

「あはははははは!バレた?」


あっさりと気付かれてしまい、少し笑いながら出てきて隣に座る。


「いきなりなに?」

「別に。ただ可愛かっただけ」


「でもあんまり、私に関わらない方が良いと思う」

「ん?」

「じつは私……人間と鬼のハグレ妖怪なの」

「え!?ハグレ妖怪?」


ハグレ妖怪は妖怪と人間または獣人や魔人の間に生まれた存在の事。


「私のような中途半端なのと関わると、大変な目に合うかもしれないから」


切なく悲しそうな顔で言うけど


「いや。俺ってそんなの気にしないし、一々気にしてたら身が持たねぇだろ?」


野田の笑いながらの発言に対して。


「……なんか、アナタと一緒に居ると面白く感じるね」


少女は微笑んで立ち上がる。


「今度、買い物とか付き合ってね」

「もちろん。それで君の名前は?」


すぐに野田は名前を聞き出す。


「ソロリック・ホルトラント。アナタは?」

「野田進だ」

「じゃあよろしくね♪野田くん♪」


そして鬼と人間の間に生まれたハグレ妖怪の少女・ソロリック・ホルトラントは、野田に別れを告げてどこかに行き野田も家に帰るのだった。

本編のヒロインで妖怪と人間のハーフ・ソロリック・ホルトラントの登場です。

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