第50話 勇者&アーマー大活躍
ミヤト達が獣人のレジスタンスと戦っていた頃、野田達も鳥人とロボットの兵隊に囲まれていた。
「これって、ヤバイよなぁ!?」
「まさに、ピンチだね!」
するとリーダーらしい鳶型鳥人の男が前に出てきた。
それも嫌味な顔をした感じの。
「やぁ、ギバドンさま♪」
「貴様は、サグート!?」
「知り合いか?」
「内戦で活躍した軍人だけど、あまりの残虐行為で軍を追われ、指名手配になった男だ!」
ギバドンが全員にサグートという獣人を説明した。
「さすが、鳥頭領の息子ですな…では、これは知っていますか?」
するとサグートの隣に立ってる、ロボットの胸の扉が開くと、そこには黒い神秘的な角笛が入っていた。
「それって!?」
「あれは盗まれた筈のギャラルホルン!?」
「ギャラルホルンって、使い方で聖器にも魔器にもなれる角笛!?」
ギャラルホルンと呼ばれる笛に、ホルは驚いた。
このギャラルホルンは平和や優しさという思いで吹けば、荒れた地が美しくなり人々の心と身体が癒される。が、反対に破壊と混沌といった悪意の思いで吹くと、大地が裂けて腐るだけでなく、人々の心も悲しみに満ちたり、邪悪に目覚めたり出来るという、大変危険な笛である。
「そうさ、あの内戦で盗まれたとされた、鳥人に伝わる聖器にして魔器でもある角笛さ…そしてその犯人が私って訳さ♪」
笑いながらサグートが、ギャラルホルンを手にとって自慢する。
「これさえあれば、ひと吹きで獣王パークを壊滅させる兵器だ!だけどアナタの父は、コイツを使わずにいるなんて、本当にバカな奴ですな?」
「き…貴様!」
自分の父である鳥頭領を見下すサグートに、ギバドンは強く怒りを見せ始めた。
「とりあえず、命定を奪って獣人どもと戦争起こした後、これを吹いて獣人を一気に絶滅してやるさ♪」
「おいおい、なんだよこれは!?」
「まさか、鳥人側にもまた戦争を起こそうとしている連中がいるなんて…」
「これじゃあ、どっちもどっちじゃないか!」
野田達はサグードら鳥人達が、ハクホスと同じ事を企んでいた事に、驚いたり呆れたりしていると、サグードはミオーズに目を向けた。
「これはこれは、獣帝様の一人娘ではありませんか?」
「なっ、なによ?!」
「いやいや、ただこんな所に来るとは、随分と無用心だと思いますよ?本来ならばギバドンを人質にする予定でしたけど、ミオーズ王女も人質に出来るからな!」
サグードの目がとまさに獲物を狩る目なった。
「さぁ、2人の腕と足を切り落としてもいいから拘束して、他は…皆殺しだ!!」
そして一部の鳥人側のレジスタンスとロボット兵が、空高く飛んで上空から襲い掛かってきた。
「全く…勇者がいるって事を忘れてるな」
するとヴァルベンは背中のバズーカ砲と、両肩のミサイルポットを、上空の鳥人兵とロボット兵に向けて。
「全火力…Fire!!」
と掛け声と共にミサイルや砲弾の一斉砲撃に、上空の敵は一気に一掃された。
「では、私も参るとしますか」
さらにキッカが両手を剣に変形して、さらに足から車輪を出すと
「機械忍法、高速演舞!」
そして車輪が動き出すと、獣人の優れた動体視力でも追いつけないほどの、超スピードで移動しながら、ロボット兵を両手の剣で切り裂いてバラバラにした。
「なっ!なにっ!?」
当然のようにサグードはあっという間に、自分の部下の半分がやられて混乱し始める。
「貴様は戦う相手を間違えたな?」
「私達は人間国の科学力で、肉体を強化改造を施したサイボーグ…それが勇者だ!」
キッカは次に両手を元に戻すと、手から大量の手裏剣を出して。
「喰らいなさい、手裏剣千発!」
そのまま手裏剣を大量に投げ続けて敵に攻撃し続けると、また両手を先程の剣に変形した。
「続いて忍法、増分身!」
さらにキッカは実体そのものを分身するといわれる忍法、増分身で5人になって鳥人兵とロボット兵を倒しまくる。
「おのれ…」
「サグードさん!だから我々は、人間国の勇者に気をつけて警戒した方が良いと!」
「うるさい!こうなったら、獣人の王女とギバドンを人質に取れ!!」
「「「「了解!!」」」」
サグードがロボット兵に命令して、野田達とミオーズとギバドンに目を向ける。
「来たよ!?」
「回復はしたけど、やれるとこまでやってやるよ!」
「上等!返り討ちにしてやる!」
「ふ~~~こういうのは乗り気じゃないが…」
「私も回復完了です!」
野田をはじめ、アンリュウとグレスとトムの心の鎧甲所有者も、それぞれのアーマーや武器を構える。
「よ~~~し!僕だってやってやる!」
するとホルは懐から小さな容器を取り出して、蓋を開けるとドライアイスが入ってたので、それをガリボリと食べ始める。
「ちょっと!それドライアイスだよ!」
「良いの!これで僕の力がぁぁぁぁ!!」
その時、ホルの身体から大量の冷気が出て、さらに全身が氷にに包まれると思いきや、バキーンと大きな音と共に破裂して、いつのまにか全身を氷の甲冑で包み込んだ姿になった。
「ホルさん…その身体は?」
「これこそ僕のバトルスタイル!たとえ火や高熱の精霊が近くに居ても、溶けたり気分を悪くなる事はない!!」
頭の中のなにか外れたかのように、テンションが上がりまくって、一番に敵に走って向かっていった。
当然ロボット兵も驚いてしまう。
「おいおい、なんか来たけど?」
「やれやれ!」
「アイスソード!コールドブレード!」
走りながら戦闘スタイルのホルが、両手から氷の剣を出すと、そのままロボット兵を斬りつけた。
「ぐわっ!斬られたところから、凍りついて!!」
叫びながらロボット兵が凍り付いてしまう。
それからホルが次々と敵を倒していった。
「スゲェなぁ?あの男の娘の妖怪…」
「たしか、雪はドライアイスを食べると、肉体が強化されるって言ってたけど…ありゃ狂化だな?」
野田とアンリュウは豹変したホルに引くけども、すぐに戦闘に入った。
ソロリックとミオーズを自分達の後ろに、隠れるように下がらせて、5人は戦闘体制になり。
「wishバスター!!」
「タンクアタック!!」
「ヒートガン!」
「tragedyキャノン!」
と野田が願望で重火器を生み出して、アンリュウは創造魔法で戦車を出して、グレスが両手から高温の弾を出して、トムは悲劇にキャノン砲にしエネルギーを溜めて、上空と地上の敵に一斉射撃を開始した。
「「「「うぎぁあああああ!!!」」」」
「「「「完全な化け物だぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」
4人の攻撃に敵は断末魔を叫びながらやられていった。
「この!おら!」
それからギバドンも、護身用として持ち続けていた剣で、なんとか鳥人兵を倒していった。
「私も…武器があれば!」
ミオーズも戦おうとしたかったけども、武器がなくてどうにもならないでいた。
「…仕方ない」
するとグレスは右腕の歓喜を外したと思ったら、そのままミオーズに渡した。
「やってみろ。お前なら使えるだろう」
「え?」
「「「ええっ!?」」」
「「「「なにっ!?」」」」
グレスの思いがけない行動にミオーズはもちろん、野田も声を上げて驚いた。
「お前…なんで?たしか心の鎧甲を集めるのが目的じゃあ?」
「勘違いするな!ただこの女がそわそわしてると、うっとうしいからだ。別に使わなくても良いんだぞ?」
「……もちろん使いますよ!私もみんなの役に立ちたいから!」
「そうか、とりあえずこれを見てやってみろ」
取り扱いの書かれた紙も渡してさっそくミオーズは、右腕に歓喜を装着してみると、そのまま彼女の腕のサイズに合うように、その大きさと長さが変わっていくのであった。
「これって?」
「心の鎧甲はな、装着する相手に体格や体系を合うようにしてくれるのさ」
「そうなのか…?」
「そうですけど、知らなかったみたいですね?」
[ヤバイ…アタシも知らなかった…]
グレスが心の鎧甲の装着機能を説明したが、野田とアンリュウはそんな機能がある事を、初めて知ったので驚いてしまう。
「良し!アタシだってやってやる!」
さっそくミオーズがロボット兵に向かって走り。装着した歓喜からコードを発射して、ロボット兵6体に刺しこんた。
「なっ!なんだ?!」
「はぁぁぁぁぁ!!」
「うっ!エネルギーが減って…いくぅ……」
そのまま歓喜の能力で6体のエネルギーを全て吸い取り、ロボット兵を活動停止させる。
さらに今度は6人の鳥人兵に身体を向ける。
「喰らえ!紙に書かれた必殺技の、Delightフラッシュ!!」
歓喜から強力な閃光が放って、鳥人兵はその光を浴びてしまう。
「うわっ!眩し…い…」
「あれ?身体が…重い?」
「眼が…かす…」
次々と鳥人兵は目から血を流し、身体の隅々から痺れを出しながら倒れていった。
「なにが起きたんだ?!」
「さっきも言ったが、歓喜は相手のエネルギーを吸い取る事も与える事も出来るが、今の技は敵に大量のエネルギーを放射すると、身体の機能を壊す。まるで酸素中毒と同じように」
グレスがさっきの必殺技、Delightフラッシュの説明をする。
こうしてサグードを残して、全てのレジスタンスは、野田達とグレスと勇者達によって壊滅した。
「うぐぐ…!」
「さぁ、これで終わりだ!観念するんだな」
野田が1人残ったサグードに、近づきながら負けを認めさせようとする。
だが、サグードは不気味な笑みを見せる。
「お前、なに笑っている!?」
「いや…今から獣王パークに行けば良いなって思って」
「なにをバカな事を…この状況で行ける訳ないだろが!」
「バカはお前達だ。だってギャラルホルンには、また別の能力が存在する…」
そう言うと、サグードは持っていたギャラルホルンをくわえて、少しだけ音を鳴らした。
するとサグードの身体が光り始めると思ったら、そのまま光の粉になってその場から消えてしまった。
当然、野田達は目を見開いてしまう。
「消えた!アイツはどこに!?」
「しまった!ギャラルホルンをもう1つの能力の事を忘れていた!」
「もう1つの能力?!」
ギバドンの説明によれば、行きたい場所を想像しながらギャラルホルンを吹けば、その思った場所に移動する事が出来るもの。
つまり、自由自在に移動しながら、大地の再生や破壊がやり放題になるというのであった。
「アイツ、きっと獣王パークに逃げたぞ!」
「そこでギャラルホルンを、本気で吹くつもりだ!」
「だったらすぐに!」
するとアンリュウの懐から、大きな布を出して地面に広げると、アザゼルが転送刻印が大きく描かれていた。
魔人は別の魔人に属性の刻印を植えつける事で、本来持っていな属性の魔法が少しだけ使えるが、こんな風に紙や布に描いておけば魔人ではなくても、魔力も持たない種族も魔法が使えるのである。
「アンタらも、出来れば来てくれないか?」
「私からもお願いします!!」
グレス達にも一緒にに来てくれないか頼んでみる。
「もちろん、鳥人によって生まれたケジメは俺がつけてやる!」
「勇者として、ほっとけないな!」
「同じく……」
「私も同行させてください!」
「どっちみち、歓喜をちゃんと返却するまで、付いて行くつもりだ」
ギバドンとトムとヴァルベンとキッカと、さらにグレスも転送刻印に乗って、野田達はすぐに獣王パークに転送して戻った。
今回はヴァルベンとキッカの実力はもちろん、心の鎧甲を装着したミオーズの活躍はいかがでしたか?ちなみに戦闘形態のホルも?
そして北欧神話の聖器兼魔器のギャラルホルンも出しました。
次はミヤト達の前に現れた謎の勇者ナダレの正体と、合流した野田達を待っていてください。




