第42話 魔槍の降臨
野田とアンリュウが戦っていた頃。
ミヤトとルシファーもいい勝負をしていた。
「さぁ、どっからでも来いよ。お嬢様♪」
「随分と、舐めてくれたものだな?」
挑発するルシファーに、ミヤトはかなり闘志を高めていた。
そのまま愛刀の天叢雲剣を、鞘から抜いて構えた。
「これが魔剣の一本、天叢雲剣か?」
「そう言う貴様の背中に背負っている剣はなんだ?」
「別に、ただの魔法剣だよ」
ルシファーも背中の魔法剣を抜いて構えると、気合を入れたかのように周りから風が出てきた。
ミヤトはその風で髪をなびかせながらも、ルシファーを睨みながらどう攻撃してくるか、警戒し続ける。
「まずは、こちらから行かせてもらう」
するとルシファーは手のひらから火の玉を生み出して。
「ファイヤーショット!」
そのまま発射したがミヤトが軽くかわした。
「これしきの攻撃で、私に勝とうと?」
「こんなの、あいさつ代わりに決まってるさ!!」
さっきよりも大量の火の玉を出現させて一斉攻撃した。だがミヤトにとっては、とても軽い攻撃なので、次々とかわして避けていった。
そして全てかわしきったと思った瞬間。
「ぐわぁ!?」
背中に強い打撃と熱が襲った。
すぐにミヤトは後ろを振り向くと、そこには火の玉が大量にあった。
「あれは囮か?」
「もちろん、そうに決まってるだろうだ!!」
発射してきたのでこれもなんとか避けたが、先ほどの攻撃で背中にダメージが残った為なのか、腕や足に火の玉が掠って傷を作ってしまう。
しかしルシファーは今度、疾風を魔法剣に纏わせ斬りかかってきたので、すぐに天叢雲剣で防ぐ。
「前後の攻撃全てが、カモフラージュだったとは?」
「素晴らしいな!背中にダメージを負いながらも、攻撃を防ぐなんて大した奴だ」
「生憎、この鎧には治癒機能が着いてるからな。すでに回復した!」
説明するとミヤトが反撃を開始して、回転斬りでルシファーに攻撃する。
「うわっ!やったな!!」
「さぁ、来い!」
そのままミヤトの天叢雲剣とルシファーの魔法剣が、火花が出るほど激しく打ち合う。
するとルシファーは魔法剣に、雷の力を加えて大きく振り下ろした。
「喰らえ!」
「させるか!」
だがミヤトは素早く避けて攻撃しようとしたが。
「うわっ!うぷっ!?」
今度は魔法剣の先から大量の水を発射して、ミヤトを遠くまで吹っ飛んでしまう。
「どうだ?少しは頭と身体を冷やしたか?」
「……なるほど、これほどの実力とは思わなかったな!」
ルシファー二度目の挑発が効いたのか、ミヤトはずぶ濡れになりながらも立ち上がった。
そして天叢雲剣を一度鞘に収めると、身体から闘志が湯気となって出て来て、牛鬼の特徴である牛の角が少し鋭く伸びて、走る構えをした瞬間。
「牛鬼伝統必殺!ミノタウダッシュ!!」
角をルシファーに向けながら、猛スピードで突進してきた。
それはかつて野田との模擬戦でも使ったが、それはあくまで力を抜かしてのものだが、これが本来の必殺技であった。
「ロックシールド!アイスシールド!メタルシールド!」
だがすぐにルシファーが、何重かの岩の壁と氷の壁と金属の壁を出して防ぐけども、そんなもの今のミヤトには意味のない事なので、次々と破壊して突進し続けた。
すぐに新しい壁を作ろうとしたが間に合わず、徐々に壁が破壊されて近づいていき、最後の壁に突進しようとしたその時。
「っ!?はっ!」
ミヤトはなにか危険を感知したのか、ジャンプしてルシファーの後ろに回りこむと、いつのまにか彼の手にワルサーが握っていた。
「クソ…あのまま突進し続ければ」
「貴様も、創造魔法を?!」
「まっ、少しならな!」
「うわっ!なんだ!?」
ルシファーの身体から植物の蔦が生えてきて、そのまま触手のようにミヤトを縛りつけて上空に持ち上げた。
「おのれ!これしきの拘束!?」
「言っとくが、無理に動こうとすると、妖力を吸い取られちまうぞ」
「って、なに服の中にっ、ひゃっ!!」
蔦がミヤトの服の中に入り込んで、触ったり揉んだりしている。
「意外とエロい声出すね。でも胸が小さいのは残念だけど」
「うるさい!貧乳を気にしてんだから!!」
「自分から貧乳って…自覚してるんだな?」
「余計なお世話だっ!!」
涙目で怒鳴りなりながらも、縛られた腕を無理やり動かして、天叢雲剣を柄を掴み。少しだけ鞘から剣を出した瞬間、ミヤトを縛り付ける蔦が一瞬に腐敗し、そのまま地面に着地した。
「なるほど…それが天叢雲剣の力か?」
「貴様、私を怒らせた罪……ただで済むと思うな!」
「面白い…アザゼル!!」
「なんだっ!?」
ルシファーは大声でアザゼルを呼ぶので、すぐさま駆け寄る。
「まさか、お前……」
アザゼルはルシファーが何しようとするか、気づき
「そうだ、あれを出せ」
「……しょうがない」
するとアザゼルが保管用異空間の穴をルシファーの隣に出す。そこから禍々しいオーラが漂う、紫色の槍が出てくるとそのまま受けとる。
「まさか、これを使う程とはな?」
呆れながらもアザゼルはこの場から去った。
そしてミヤトはルシファーの槍を見て、その正体に気づきだした。
「その槍は、まさか魔槍か?」
「いかにもコイツは、魔槍ゲイ・ボルグ。俺の取って置きの武器だ」
これこそがルシファーの切り札、ゲイ・ボルグ。
怪魚の骨を加工して作られたとされる槍で、その怪魚の魔力と怨念が染み付いてるとされる魔器である。
「貴様も魔器使いだったとは……何かの偶然か?」
「アンリュウからアンタが魔器を使ってたと聞いて、俺も驚いちまったぜ」
「どうやら貴様とは、今までで1番楽しめそうだな?」
「そうか、それは良かった」
「では、第二ラウンドの開始としよう!」
2人はそのままそれぞれ武器を構えて、睨み合いながら動くタイミング
「はっ!」
「とりゃ!」
そして2人は同時に動き、ミヤトの天叢雲剣と、ルシファーのゲイ・ボルグが、ぶつかり強い衝撃波と、魔のエネルギー波が爆発したかのように発生した。
そのまま2人は天叢雲剣とゲイ・ボルグを、先ほどとは大違いに、残像が見える程激しく打ち合い。ミヤトはもちろん、ルシファーの身体に、次々と傷が出来て血が飛び散っていた。
だが、予想以上にミヤトの方が出血していて、少しグラついているのが分かる。
[隙だらけ!これで終わりだ!]
ルシファーのゲイ・ボルグがミヤトに襲いかかろうとした。
「そうはさせるか!」
「なにっ!?」
しかしミヤトは、見事な蹴り技でゲイ・ボルクを、上空へ蹴り飛ばしそのまま天叢雲剣を、ルシファーの頭部に振り下ろす。
だがルシファーも、素早くナイフを創造して、ミヤトの腹に突き刺そうとした。
そしてギリギリのところで、2人は動きを止めた瞬間、ゲイボルグが地面に突き刺さる。
「貴様、初めから本気のつもりじゃなかったな?」
「いやいや、俺は軽いつもりだったんだが…まさか、ここまで本気にさせるとは」
「しかし、さすがに私もはしゃぎすぎた。こんなにボロボロになってしまう程にな」
「じゃあ、引き分けか?」
「当然だろ?」
ミヤトとルシファーの勝負は引き分けとなって、2人はそのまま地面に座りこんた。
そして野田達が駆け寄った。
「ミヤト、どうしたんだよ!?全身血まみれじゃないか!?」
「てか、ルシファーもどんな決闘したの!?」
「ちょっと真剣になりすぎたんだ」
2人の状況に驚く野田達に、ルシファーが適当に返事した。
「やれやれ、ルシファーは本当に熱くなりやすいからな」
アザゼルが呆れながらも、地面に突き刺さったゲイ・ボルグを、保管空間に回収して元の世界に戻る扉を出した。
「ほら、早く戻ろうぜ。ベルゼブブ達を待たせる訳にはいかないしな?」
「そうですね。2人の傷の手当てをしないと」
「だな、倉山達も心配してるし、急いで戻るか!」
そして6人は元の世界に戻るのだった。
ルシファーがゲイ・ボルグの使い手と判明しました。
だけど、この槍にはある秘密があるのですが、それはもうしばらく待っていてください。




