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心の鎧甲  作者: 鴉山大樹
第01章 出会いと誘拐
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第9話 牛鬼の剣士

野田は今日バイトが休みなので、自転車でモルトの家に向かっていた。


[……茶でも飲んだらすぐ帰るか]


なんて考えながらも家に着くと、何故かバイクが置いてあったが、気にせず扉を開けると玄関にはモルトと刀身が長い剣を背負う、頭に牛の角を生やした牛鬼=ミノタウロスの女がいた。


「な……何者だ?!」


女は背中の刀に手を付けよう構えるので、野田も思わず落ちてた木の棒を拾い構えたが


「やめろ。そいつは俺の知り合いだ」

「なに!?」


モルトが2人の間を割り込むように止めて、女はしばらく黙りながら自己紹介した。


「さっきはすまなかった……私はミヤト・バデュース。アンデグードのリーダーだ」

「アンデグード?」


牛鬼の女ミヤト・バデュースは謝罪するが、野田は彼女がアンデグードのリーダーって事に驚いた。

アンデグードとは牛鬼・バジリスクで構成された、騎士隊と武者組より上の戦闘部隊である。


「まさかあのアンデグードのリーダーが……女の子だったんだ」

「そうだが、ところでお前は?」

「え?俺か?野田進って言うんだ!」


野田は握手しようと手を出すんで、ミヤトはそれに応じて握手した。


「お~~~い、そんなところで突っ立てるより。ほらその刀」

「あ、はい」


ミヤトは剣をなぜか手袋をしたモルトに渡して、刃が少しだけ見えるように、鞘から抜くとかなり真剣な目で見ると


「少し手荒にしてるな?何かあったか?」


少し厳しい感じに尋ねる。


「はい……さすがですね……」

「ふ~~~とりあえず聞かない事にするよ。ほら2人ともぼさっとしてないで、上がったらどうだ?」


と言われたので二人は家に入る。


「……せっかくだから工房見るか?」

「え!いいんすか」

「どうせ待ってる間、お前ら暇なんだろう?」


いう訳で工房を見せてもらう事になった。


「ところでさ、アンタの剣てもしかして?」

「魔剣だがなにか?」

「……別に」


2人が会話しながらも、モルトの案内で工房に来て見ると、さまざまな剣や刀に鎧はもちろん。包丁や鍋にフライパンの調理器具もあった。


「思ったほど散らかってんな?」

「うるさい、余計なお世話だ」


すると鍛冶に使う炉に火をつけると、棚にある瓶を何個か取って中の粉を炉の火に入れた。


「なんだその?」

「さまざまな種類の木や霊草から取れた、葉と根と木の実や種を粉末にした物。こういう聖剣魔剣妖刀は、普通の炎じゃダメだからな」


そして炎が黒く燃えるとミヤトの剣を炉に直接入れて、特殊な鞴で空気を送りながら火を調節して、しばくすると炉から剣を取り出すと真っ赤に熱せられた。するとモルトの右手が金槌に変形して熱した剣を台に置いて、始めはコンコンと金槌で叩いて。


「はっ!!」

「おっ!」


声を上げながら火花が出るほど剣を叩き続けて、また炉に入れて打ったりした。


「初めて見たけど……スゲェ迫力……」


野田は思わず呆然となってミヤトは真剣に見つめて、するとモルトは大きな容器に水と粉を入れる。それから剣を水に入れると黒い大量の蒸気が立ち上り、研ぎ石を取り出して剣をゆっくり研いた。

そして何回も見直しをしながら研いて、しばらくするとミヤトに剣を渡した。


「試し切りでもするか?」

「いえ……その必要はないと思います」


尋ねるとミヤトは返事を返した。


「しかし……ほんと信じられねぇな」

「なにが?」

「年は俺より下みたいだから、アンデグードのリーダーってのは……」


たしかにミヤトは野田の1つ年下だった。


「なにかと思えば、戦士でもない貴様に……」

「言っとくが、こいつ強い方だぞ」


モルトの発言に目を開く。


「よく悪友と喧嘩しているよな?」

「おいおい、そんなの全然……え?」


するとミヤトは野田を睨み。


「ならば……私と手合わせしてくれないか?」

「え?!」


いきなり勝負を挑まれた。


「ちょっと待てよ。俺が言ったのは、喧嘩が強いって事で」

「だが彼の目は、戦士の目だ!」


そして野田はゆっくり考えて。


「……いいぜ!」


なぜかとんでもない事にってなってしまった。

モルトの作業風景と、新キャラの牛鬼ミヤト・バデュースも登場しました。

次回は2人の実力が判明します。

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