第8話 ホルの過去
「はい、お茶」
「……ありがとう」
氷真家のリビングには新しい服に着替えて、ソロリックとホルが向かい合ってお茶を飲んでいたけど、彼ら2人の間にはとても重い空気が漂ってた。それは当然かもしれないけども。
「ゴメンね、勝手に覗いて……」
「こっちこそ……かなりキツイのを見せて……」
2人はそれぞれ謝る。ソロリックがホルの着替えている所をみてしまい、ホルもまたソロリックに自分の全裸を見られてしまったので。
「ところで、あの写真は?」
ソロリックが棚に飾ってある電子写真立ての、小さい頃のホルと赤ん坊のホロを抱いてると人型の女の雪と、雪だるま型の男の雪と人型の雪の少女の写真だった。
「僕の父さんと母さんと弟のホロ……」
ホルは懐かしくも悲しい顔になる。
「……それで、お父さんとお母さんは?」
「2人とも死んだよ。ホロが小さい時に事故で」
「え?!」
ホルもソロリック動揺に両親を亡くしていた。
「じゃあ、この子は?」
雪の少女にも訪ねると
「彼女は、幼馴染のテミ……僕の憧れの人なんだ。」
すると話し始めた。
「僕とテミは両親が親友で、家も隣だからよく遊んでいたんだ」
ホルは懐かしい雰囲気に浸して話し続ける。
ちなみに語っていないけどテミの両親も、麻井とは親友同士でよく会っていたのだった。
「テミはね 妖魔将軍と一緒に、妖怪達の支えになるのが夢で、たくさん勉強して努力していたんだ。僕はそんなテミに憧れて……彼女の手伝いをするのが僕の夢だけど」
「ん?その、もしかして……」
するとホルは悲しそうに頷き
「テミは重い病にかかって余命は(人間の年)2年だから、当然僕もテミもその両親もショックを受けて……」
それは当時ホルが(人間年齢)16歳の頃。
ホルが毎日病院でテミのお見舞いに行って、残された時間を過ごして来た。
「テミ!死なないでよ!!」
だがついにその時が来て、ホルは涙を流しながら必死で叫ぶ。
「ごめんね……私はもう……」
テミはもう諦めかけた声になる。
「お願い……約束して、私の代わりに……」
「もちろん!僕が君の代わりに夢を!!」
「約……束……よ……」
するとテミは優しく微笑んで溶けて消えてしまい、ホルは静かに泣き続けた。
ここで昔話が終了。
「そして……約束した僕はテミの夢を受け継ぐ事にして、だから女装してテミがどんな気持ちで、夢に向かっていたか考えたんだ」
これがホルが女装し始めた原因だった。
「別の学校に女子として転校して、なんとかバレないように、卒業しようと苦労したけど、結局野田くんに……」
ホルが野田の通ってた高校に転校して、しばらく静かな日々が続いたが、ホルがスミレと資料を運んでいた時。
「すみません、手伝ってくれて」
「いえいえ、何事も助け合いですから」
お礼を言うスミレに少し照れる。
「なにやってんの?」
そこに野田が現れる。
「見て分かるでしょ?資料の整理よ。」
「たしかにな、ところでスミレさっき先生が呼んでるぜ」
「え!でも……」
「ほら、俺が代わりに持つから、行けよ」
野田がスミレから資料を持つと、スミレは頭を下げてすぐに先生の所に向かった。
「ほら、早く片付けに行くぞ」
「う、うん。」
資料室に着くとさっそく2人で整理する。
「相変わらず汚いな。ちゃんと綺麗にしとけよ」
「文句言わないの!」
ぶつぶつ文句言う野田に、脚立に上がって整理するホルに叱られる。
「全く…うわ!?」
するとホルはバランスを崩して、床に叩きつけられそうになった。
「危ねぇ!!」
がすぐに野田が受け止める事に成功した。
「ん?!」
「あ!///」
なんと野田は偶然かホルの股間を掴んでいた。
「降ろして」
「ああ……」
すぐにホルを床に降ろす。
「お願い……私が男だというのを、秘密にして///」
「分かってるよ」
2人は資料室を出て自分の教室に戻った。
ホルの昔話はここで本当に終了。
「つまり、これが男の娘キャラ誕生秘話ね」
「そうそうって、全然違うよ!!」
ボケるソロリックにホルはツッコミを入れる。
「でもまさか、そんな理由で女装するなんて」
「僕って、何事も形から入るタイプだから……」
ホルは恥ずかしそうになる。
「でも、まさかここまで本気なんて、凄いね」
優しく微笑むソロリックにホルは見とれてしまう。
「ありがとう。なんか……すっきりしたって感じするよ。」
「よかったね♪」
楽しく会話が進んでいってしまう。
「楽しかったよ♪」
「僕もだよ」
しばらくするとホルは途中まで、ソロリックを送る事にした。
「ここまでで良いから、またね♪」
「じゃあね♪」
こうしてソロリックとホルの、2人のほんのひと時な1日が終わった。
と今回明らかにされたホルの過去ですが少しベタでしたか?




