第7話 雨の日の会話
「お疲れさん」
バイトが終わった野田は家に帰ろうとする。
「なんか……いやな天気だな?」
雲が掛かった空を見上げながら歩く。
「あ!」
「あら?」
「お?」
その途中でホルだけでなくソロリックと出会う。
「ホル!それにソロリックも……」
「野田さん、また会うなんてね」
野田とソロリックはなにか良い雰囲気になり始める。
「あの……野田くん、彼女は?」
ホルは戸惑いながらも思わず尋ねる。
「はじめまして、ソロリック・ホルトラントです。アナタは?」
「私は氷真ホル。よろしくお願いします」
自己紹介するといきなり雨が降ってきた。
「うわ!雨かよ!?」
三人はすぐに雨宿りする所を探しながら走って、大きな木を見つけると3人は木の下に隠れた。
「ふ~~~いきたりの雨でびっくりした~~~」
3人の身体はかなりずぶ濡れになってたので
「全くだぜ。ほら、2人ともハンカチ使えよ」
「ありがとう」
「それじゃあ、悪いけど使わせて貰うね」
野田は2人にハンカチを渡したので、2人は顔や頭を拭いて絞ったりする。
「本当にありがとう。それで野田さんは?」
「別にいいよ。濡れた女をほっとく訳行かないし」
思わずカッコつけるけど、実は野田もホルが男だと知っていた。
「ところで野田さん、あんまり見ないでね///」
「え?ああ、分かった」
ソロリックとホルの服が雨で透けているので、少し恥ずかしそうに胸を押さえて注意する。
「ちょっと、話し変わるけど」
「え?」
ソロリックはホルの方に顔を向ける。
「アナタってもしかして雪?」
「ええ。そうだけど」
「たしか雪は殆どが雪だるまの姿だって?」
不思議そうに尋ねてみる。
「弟と父さんがね。私と母さんは人型なの。」
するとホルは寂しそうな顔になる。
「そういえば、最近雪はだるま型が多くなって、人の姿は少なくなってるらしいけど」
「うん。元々雪は私のような人型だったの……」
ホルは説明し始める。
妖怪界にいた頃の雪は全て人型だったけど、900年前の世界融合で環境が変わったせいで、身体がその環境に馴染めず溶けて死んでいった。
それはまさに地獄絵その物だったらしい。
「絶滅の危険を感じた雪の長老や研究者は、耐久に強い身体の研究して……」
「その方法が雪だるま化と言う訳なの?」
ソロリックの質問にホルは頷く。
「そして初めから耐久に優れた雪を残して、他はみんな雪だるま化したのよ」
これがだるま型の雪が誕生した秘話である。ちなみにだるま型の雪は、ジャックフロストと呼ばれていた。
「最初はみんな同じ数だったのだけど、時代が進むだけに雪だるま型が増えていき、私達のような人型は少なくなってきたの」
今では雪だるま型が星の数ほど増え続けていき、人型の雪はレアだと言われ珍しがられるが、同時に誘拐・監禁・売買のターゲットにされかけるようになる。
今にも泣きそうになるけど丁度雨がやんでいた。
「お!ホルが湿っぽい話してる間に、暖かい太陽が出て来たな」
野田が気持ちよく背伸びをして、軽くストレッチする。
「じゃあなソロリック♪」
「あっ!?ちょっとハンカチ!!」
ソロリックにハンカチを渡したまま野田は行ってしまった。
「……へクチュ!」
「大丈夫?」
「うん、濡れたからね」
くしゃみをするソロリックにホルは心配する。
「あの…私の家、近いから来ますか?」
「え?そんな悪いよ」
「気にしないで、ほら」
ホルはソロリックの手を引っ張りながら家に連れて行くが、そんな様子を木の枝に止まってく隠れてた、鳥型のロボットが居た事に気づいていなかった。
しばらくしてソロリックは、ホルの家に着いたので2人はさっそく上がる。
「はいタオル。それから今服を持ってくるから」
タオルを渡してホルはすぐに自分の部屋に行って、ソロリックの服を持って行こうとする。だけど、今自分も濡れているから
[少しだけなら]
仕方なく別な服に替えようと、ホルは素早く服を脱いで着替えようとしたその瞬間。
「あの、私シャワー浴びたい……」
「え?」
なんとドアが開けっ放しでソロリックが顔をのぞいて、何も着ていない全裸のホルの姿を見てしまい。いきなりの事なので当然二人は固まってしまう。
ソロリックとホルの出会って、雪の種類はもちろんソロリックに、ホルの本当の秘密が知られてしまいましたね。
そしてもしかしと次の話で、ホルが女装する秘密が分かるかもしれません。