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自分が大嫌いで人生詰んでた私、超御曹司と入れ替わって価値観がバグる  作者: 秋月心文


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9/9

野望!?

「次は、指鉄砲…って言ってわかりますか?。

 片手で人差し指と、親指でL字のようなカタチを作って、その他の指は握っておいて…」

「そうそう、そんな感じです」

「その人差し指をたたんだ状態から、指先を何かのモノに向けて、

 指鉄砲みたいな手の形になるようにして、指さしてみてください。」


やってみると、指先から弾が飛んでいくようなリアクションがあり、指鉄砲で狙った先にあるものの情報が色々表示されてきた。

モノの名前、商品名、価格などなど…

「おぉ!」

なんか未来っぽい


「次は目の前で、手の平を開いて、親指だけを握っては戻す動作を3回ほどしてもらえますか?」

やってみると、音楽が流れてきた。


「おぉ!」


「音楽が鳴っているままで、装置を外したりつけたりして見て下さい」

外した途端、音楽がパタッと聞こえなくなった。

付けると、音楽が聞こえる。

え?、何これ?


「使用者の耳にしか聞こえないように指向性が調整されたステレオスピーカーを組み込みました。音漏れしないので、ヘッドホンも不要です。」


「これ1台で、スマホの機能はもちろん、マスク、肩こり防止の磁気治療器、眼鏡(視力矯正用)、虫眼鏡、望遠鏡、ヘッドホンの機能を備えているという訳です。」


「それにしても、この数週間で、ここまで作ってしまうとは…。すごいですね。」


「いえいえ、どれも、元々この会社の中で、転がっていたものばかりですから…」


他にも色々な機能が満載で、驚きとワクワクに満ちあふれた時間を過ごした。

おもしろい、おもしろい…

「すごい、すご~い…。」思わず、口に出ていた。


それを見ていたお父さんは、クスッと笑った。

「!!」


「あ、すみません。顧問の反応が、うちの娘に似ていたもので…」

そりゃあ、そうでしょうよ。あなたの娘だもん。


「娘さんがおられるんですか…」

とぼけた質問を返してみた。


「はい、高1と中2の二人がいるんですが、下の娘は、私の一番の理解者でしてね。

 私は、いろいろなモノを作るのが好きなんですが、

 その娘だけは、とても興味を持ってくれて、いつも素直な感想をくれるんです。

 そんな娘だからなのか、

 この会社なら、そういう能力が活かせそうだよ…って勧めてくれたんですよ。」


え?、私が、勧めた?。そんな事してないんですけど…。

入れ替わった後って事かな?。…って事は、私の中に入ってる人が…って事だよね?。


「そ、そうですか…」

とりあえず社交辞令的な返事を返したものの、私は、とても動揺していた。


・ ・ ・ ・ ・


すごく気になるけど、それよりも、まず、目先の事を進めよう。


「これ、商品化出来ないかという話を、

 中期経営企画会議で提案してみようと思うんですけど、

 名付けるとしたら、どんな名前がいいかな?」

「うーん、インテリジェント・スクリーン、略して、iスクリーンとかどうでしょう?」

「いいですねー」


「ちなみに、これを使って、

 5年後、10年後を考えるとしたら、どういう感じに進化出来ると思います?」


「そうですね、さっき、眼鏡とか、望遠鏡とか言いましたけど、

 あれは、まだ技術成熟度が高くないので、第2段か、第3段で搭載する事にしたいですね」


「ふむふむ…」


「10年後を考えるなら、今と逆の技術を搭載してみたいですね」


「逆?」


「はい、スクリーンの外にも投影する技術です」


「それをするとどうなるの?」


「変身出来ます」


「え?」


「今、顔の前面をスクリーンが覆っていますよね。

 このスクリーンは、自分からは見えるけど、外の人から見えないようになっています。

 今後は逆に、外から投影して、外に向かって反射させると、

 自分には、その光は入って来ないけど、

 外から見れば、投影された映像が見えて、その下にある、こちらの素顔は見えなくなるんです。

 ここに、自分の顔を猫に加工した顔を投影したとしたら、

 他の人からは素顔は見えなくなり、猫の顔しか見えないという状態になります。

 デジタルお面って感じでしょうか。

 更にその映像を、自分の顔の動きに合わせる機能も持たせたら、リアルタイムで表情が変わり、

 まさに変身したように見えると思いませんか?」


「すっご…!」


「使い方を変えると、

 すっぴんの状態で、このスクリーンを装着すると、化粧した顔を見せる事が出来ます。

 笑顔が苦手な人が人前で笑顔でいたり、

 どんなに動揺していても無表情というポーカーフェイスを演じる事も出来るでしょう。」


「面白いですね。是非、見てみたいです。」


「今の技術では、まだ、それが出来ません。

 そのためには、投影技術だけでなく、

 フェイクとして投影した画像が、本物と見間違える程のクオリティにする必要もありそうです。

 瞬きしたり、表情の変化を自然にしたり…。やるべき事は、山積みです。

 けれど、それを実現するつもりで今から取り組めば、10年後には、それが可能になるでしょう。」


・ ・ ・ ・ ・


思わず、お父さんの手を取り…

「それこそが、望んでいた中期計画です。

 仮でいいので、3年後、5年後、10年後という感じで、

 いつ頃までに、どういう技術を開発して、

 その結果、どういう商品を作りたい…という年表のようなものを作ってもらってもいいでしょうか?。

 あくまで「目標」というか「展望」なので、実際に出来なくても問いません。

 ですが、本気でやれば、出来るかもしれないものをお願いします。

 全部通るかどうかわかりませんが、それで、一度話をしてみたいです。」


お父さんも、思わずを手を握り返してきて…

「ありがとうございます。早速、草案を作って来ます。」


こうして、私達親子?は、新たな野望をスタートする事となった。

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