表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自分が大嫌いで人生詰んでた私、超御曹司と入れ替わって価値観がバグる  作者: 秋月心文


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/9

買い物は大変だ

ダイニングには、いかにも強そうなガタイの大きな男が、大盛りに盛られた朝食にガッツいていた。

「やぁ、坊っちゃん。今日は、どうします?」

そう言って、歯を見せてニヤリと笑った大男は、ボディガードの加地(かじ)さんだ。

執事の新崎さんと違って、この人は、いつも「坊っちゃん」と呼んでくる。

といっても、そう呼ぶのは、屋敷の中や車の中など素性の知れている人の前だけだ。

人前では「橘さん」と呼び方を変えている。


加地さんは、子供の頃から、気さくに話せる数少ない人だった。


「買い物に行こうかと思うんだけど…」

「買い物?。何か、欲しいものでも?」

記憶の限りでは、明和ともかずは、あまり物欲のある人ではなかったようだ。


しかし、今の中身は、明石めぐみなのだ。

(せっかくお金持ちの御曹司になったというのに、お金を使わないのはもったいないでしょう。

この「不思議な夢」は、明日には覚めてしまうかもしれないのだから…。

なんて言っても、私の記憶?によると、このコの貯金残高は15億円以上もある。

数千万円くらい無駄遣いしたって、どうって事ないよね?。)


「またいつもの気分転換ってヤツですかい?」

よくわからないけど、このコは、何かの拍子で気分転換と称して、それまでと180度違う行動に出る事がよくあるみたい。

なので、今回も、そういう事にして、ごまかす事にした。


加地さんの運転で街中に買い物に出かけた。

車は、以前見かけた「いかにも普通そうな車」だ。でも、防弾ガラスになっていたりとか、色々改造されているらしい。

あんまり高級車って見た目だと、いろいろ危ないので、そうしているんだそうだ。

だから、特にドアを開けてくれたりもしない。普通に自分で降りる。


大手量販店のゲーム売り場にやってきた。

買い物かごに、ずっと欲しかった最新のゲーム機やゲームソフトを、ポイポイと入れていく。

でも、貯金額を考えれば、何も困ることはないだろう。


…と思っていた。

レジで、支払いをしようと思ったら、財布の中には、現金はそんなに入ってなかったのだ。


少し焦ったが、財布には、金色のカードが入っていた。ゴールドカードとかいうクレジットカードだろうか。

いつもカード払いをしているのかもしれない。そう思って、そのカードを使ってみる事にした。


金色で少しひんやりした感触のあるカードを出すと、店員さんは目を丸くした。

「ちょ、ちょっとお待ち下さい」

店員さんは、近くの店員さんを呼んで何やら話をはじめた。

ひとりでは、対処がわからなかったらしく、だんだん、集まってくる店員の数が多くなってきた。

店員さんの一人が、マイクで店内に呼び出しをかける。

「て、店長、す、すみません、3階のレジまで、お、お願いします」

しまいには、店長まで呼び出される事態に発展してきた。

(な、何か、とんでもない事になってきてる…)


店員さん達は、なるべく客に聞こえないように小声で話そうとしているが、動揺しているのか、こちらまで聞こえてくる。

「これ、端末通せるの?」

「わ!、もしかして純金で出来てるとかってヤツじゃない?」

「えぇ!!、端末通す時に削れたりしたらヤバイじゃん」

そんな中、店員に呼び出されてやってきた店長は、店長というには若い感じの人だった。

店長も、どうにも、よくわからないという顔をしており、何か言おうとしては、その言葉を引っ込めるという事を繰り返していた。


(あれって、こういう店では使っちゃいかなかったのかな…)

「あれってクレジットカードじゃなかったっけ?」

執事の新崎さんに小声で聞くと、全てを察したかのように

「今日はスマホをお持ちではありませんかな?」

「持ってきてます」

「それでお支払いになると、先程のカードから自動的に引かれるようになってますので…」

「おー…」


ポケットの中からスマホを取り出す。

超一流メーカーではないものの、それなりに有名な「ファフニール (Fáfnir)」の最新機種だ。

スマホゲームに特化した仕様になっていて、スマホゲームが好きな明石めぐみにとって大好きな機種だ。


「あのー、こっちのペイ機能でお願いしてもいいでしょうか?」とスマホを見せる。

店員さんはホッとした表情を見せた。

「す、すみません、お気遣い頂きまして、あ、ありがとうございます」

なんだか店員さんの口調が完全に変わっている。なんだか、ヤバイ人って思われたみたい。


帰りの車の中で「ゴールドカードって、あの手の店で使っちゃいけないんだっけ?」と聞いてみた。

「何言ってるんです?坊っちゃん。坊っちゃんのカードは、ラグジュアリーカードとかって言うやつで、ゴールドカードなんかとは別物っすよ。」

(え?、何それ?)

記憶の中を辿ると、確かに、そういうのに申し込んだ記憶があった。外側は純金で出来ていて、年会費だけで20万以上とかいうヤツだ。

思えば、変な質問をしてしまったものだ。(変に思われただろうか?)

もしバレたら、悪霊でも払われるかのように追い出されるような気がして、少し焦った。

でも、車内を見渡すと、特に、誰も気にしている様子はなかったので、少しホッとした。


「でも、もうあの店には行かない方がいいでしょうな。坊っちゃんの素性が、何となくバレちゃっていると思いますから…。」

「ごめんなさい。次からは通販にするよ。」

「それがいいでしょう。」


帰宅後、買ってきたゲームを、加地さんと共に楽しんだ。

加地さんは、ゲームの腕前は、私と同じくらいで、僅差で買ったり負けたりといった勝負が続いた。

そんなすごく楽しい時間を思う存分に楽しんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ