おかえり、めぐみ
明和が、会見場に姿を現す。
カシャカシャカシャ(音に合わせてフラッシュも発光)
「無課金でもTrue Dream Fantasyをクリアできるように改修することにいたしました」
「これまでの課金勢に申し訳ないと思わないんですか?」
「申し訳ないと……思っています」と頭を下げる
カシャカシャカシャ(フラッシュが一斉に光る)
「課金勢に対する補償とかないんですか?」
「課金額とプレイ時間に応じた補填を行う予定です」
「いつやるんですか?」
「予定って言葉だけじゃ信用出来ないぞ」 とヤジがとぶ
「True Dream Fantasyの世界観を反映したミニアプリをリリースしていくので、それをインストールするたびに補填が行われます」
そう言って、いくつかのミニアプリの画面を見せる。
「おぉぉ……」会見場がどよめく
カシャカシャカシャ(音に合わせてフラッシュも発光)
……という感じの記者会見風に改修内容を紹介した動画を動画共有サイトで公開したところ、予想以上の再生数を記録した。
シナリオライターがノリノリで脚本を書き、シャッター音やフラッシュまで入れた本格的な記者会見風動画になった。
橘明和自体が、美少女にも見えるような外観で、
声も高めなことから、動画からは性別もわからない。
あのコは誰だ? みたいな話もネット界隈でとびかっていた。
他にも『True Dream Fantasy』改修の話を、ゲーム雑誌やゲーム情報サイトに紹介した。
ミニアプリのプロトタイプが、かなりたくさんできあがった。
ホーム画面、目覚まし、AIアシスタント、ミニゲームなど、多種多様なプロトタイプが完成した。
休み明けから3日しか経ってないんだが……
あとは、それぞれで新規に起こす部分を、絵師さんや、声優さんに補充してもらえば完成だ。
皆から、すぐにでも、リリースしたい気持ちが伝わってくる。
だけどこれは、あくまで本編に興味を持ってもらうための仕掛け。
アプリストアの新作のところに、常に何かのミニアプリがあるようにすることが目的だ。
新作から消えたら次の新作をリリースする感じにしたいので、同時に全部リリースはしない。順番にリリースしていく。
だから今、社員たちが「じゃんけん大会」を始めている。
アプリリリースの順番を決めるじゃんけんだ。
なんだか、大変盛り上がっている。
こうして、第1作目のリリースは、キャラと一緒に写真が撮れるカメラになった。
リリース担当者も決めた。担当者は新作から消える毎に、別な新作をリリースできるように、アプリストアに目を光らせる。
もちろん、『True Dream Fantasy』の改修も完了し、リリース済だ。特定のところまで進めると必要なキャラがもらえる仕掛けを入れた。
5ステージ毎に必要なキャラのパック販売も開始した。
『True Dream Fantasy』のダウンロード数は順調に伸び始めた。
無課金でもらえるのに、キャラパックは予想以上に売れた。
なんで?
ミニアプリをメインで使い始めた人が、『True Dream Fantasy』本作を進めずに、キャラだけ増やしたくてそうしているようだ。
売り上げが増えたのならいいか。
こうして、「アスカロン (ゲーム配信会社)」の改革は順調に進んだ。ある種のやりとげた感を感じた。
すると、ふっと目の前の景色が変わった。
目の前にはお姉ちゃん(明石晶)。
そうか、戻ってきたんだ。
お姉ちゃんは、なんでもお見通しみたいだ。
「おかえり、めぐみ」
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本作は、これにて完結となります。
最後まで、お付き合いいただき、
心より感謝申し上げます。
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