私の世界
「はじめまして、明石めぐみです。よろしくお願いします」
悔しいけど、仕草がいちいち可愛い。
「どうです、顧問?。抜群の可愛さでしょう?」
(あれ?、ちょっと待って?。
さっき巷で人気って…私が?。えぇ~!?)
「あちこちの週刊誌が、
こぞって、このコの写真を掲載してるんですが、
掲載すると、売り切れ続出との話で、
各社が取り合いしてるらしいです」
そう言って、宣伝部の担当者は、
私(明石めぐみ)が、表紙を飾っている週刊誌を並べてみせた。
物凄い数だ。
どれも、とても魅力的な表情とポーズで写ってる。
かわいい……。
というか、めちゃくちゃ魅力的だ……。
そういえば、一時期、お姉ちゃんに勧められて、
読者モデルみたいなのに、憧れた事があったっけ?
すぐに、諦めてしまったけど……。
「それにしても、君、胸大きいね。何カップ?」
(こいつ~。なんて質問してるんだ)
そんな質問をした宣伝部の担当者を、睨みつけるが、
当の本人は、それに気づいていない。
めぐみの胸を凝視しているからだ。
明石めぐみは、うつむきながら、
恥じらい気味な様子で、小さな声で…
「エッチです…」
なんというか…。仕草がイチイチ可愛い。
(あぁ、もう、素直に答えなくていいのに…)
「あぁ、ごめんね。変な質問して…」
(あれ?。あぁ、別な意味に勘違いしてくれたのか…)
明石めぐみはHカップだったハズなので、
エッチと言ったのだけど、エッチな質問しないで
……と言われたのと、勘違いしたようだ。
もしかすると、勘違いしたのは、私の方かもしれない……。
明石めぐみだった頃、私はこの「Hカップ」というのに、
とても、コンプレックスを持っていた。
だけど、このコの対応を見ていると、
そんな事は、どうでもいい事だったと、気づかされた気がする。
それにしても、
中身が違うだけで、こんなに魅力的になるなんて……。
大事なのは外見や立場よりも、中身なのね。
その後、宣伝部の担当者と、マネージャが、
今後の話を詰めにいった。
その為……
――私と、明石めぐみは、2人きりになった――
「ボクが言うのも変な話だけど、明石めぐみは、
誰もが憧れる魅力的な女の子だと思わない?」
「うん!」
「もしも、こんな魅力的な子を、
ボクにひとりじめさせておくのが、惜しいと思ったら……
戻りたいと思えばいい。
キミが望めば、いつでも、元の自分に戻れるよ。
強く、深く、本気で……そう思うだけで……」
「いいの?」
「おかしな事を言うね。キミの体だろう?」
「そうだけど…」
「何か迷いがあるなら、まず、それを解決するといい。
悩みがあるなら、ボクで良ければ相談にのるよ?」
「ありがとう」
「キミが戻りたいと思うまでは、
この体は、傷一つつけないように、
大切にお預かりしておくから安心して……」
――私と、明石めぐみは、世間話をしていた――
「お父さんと、お母さんは、ヨリを戻したよ。
今では、元通り、同居してるよ」
「えぇ!?」
「すっかり、仲良しで、
お母さんのヒステリーは、
もう聞く事が出来なくなったよ」
「ほへぇ……」
「あと、お姉さんは、ボクの事を、
キミじゃないと見抜いてたよ。
でも、キミが幸せなら、それでいいって……」
「うわぁ、やっぱり、お姉ちゃん、スゴイ……」
「そうだね。ボクもそう思う。
妹思いで良いお姉さんだよね」
「それにしても、ボクも、
会社がこんな事になっててビックリしたよ」
「すごいでしょ!。
これ、きっと売れると思うの」
「うん、ボクも、そう思うよ。
この商品、なんだか、楽しそうでいいね」
「実はボクね。前世は、女の子だったんだ。
だから、今、女の子として振る舞えてるのが、
とても、懐かしくてうれしいんだ」
「ボクは、今、キミの記憶の中に、
読者モデルやりたかったってのがあったので、
今、読者モデルやってみたけど、なかなか楽しいよ」
……と、とても楽しそうに話す。なんて純粋なコなんだろう。
――なんだか、私の世界は、完全に変わってしまった――




