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自分が大嫌いで人生詰んでた私、超御曹司と入れ替わって価値観がバグる  作者: 秋月心文


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明石めぐみは悩んでいる

ここは、今の日本と違う歴史を送った世界。


世界地図も、この世界と一緒だが、織田信長が、本能寺で討たれる事なく、天下を統一し、海外へ進出した結果、オーストラリア大陸をイギリスよりも先に発見するなど、完全に違う歴史を歩んでいた。


そんな世界で、日本は「瑞穂みずほ」と呼ばれていた。これは、そんな世界でのお話。

鏡の前で、ため息が出る。ニキビびっしりの顔にウンザリ。

だから、長めの髪も手入れする気力がおきず、いつもボサボサ。


「何、朝から、ため息ついているの?、元気出して!」

そう言って、白い歯を見せてニカッと笑顔を見せてきたのは、お姉ちゃん。


お姉ちゃんは、私と、いろいろ正反対。

学校で一番背が高い先生よりも身長が高い私に対し、お姉ちゃんは小柄で可愛い。

子供服しか着れないとボヤいていたけど、それでも、可愛いので、すごく羨ましい。

ニキビびっしりの私と違い、顔もスベスベで、とてもキレイ。

同じものを食べているハズなのに…。


胸のサイズも正反対だ。無駄に大きいHカップの私に対して、お姉ちゃんはAAカップ。

大きい胸は嫌いじゃないけど、ちょっと大きすぎるし、何より「Hカップ」という分類が、何だか「エッチ」な気がして、気が引ける。

無駄に胸が大きい事が、ニキビの出やすさの違いになっているんだろうか…。


クラスの男子からは、デカ女とか、地味子とか、言われているが、特別、好みの男子もいないので、そんな事は、さほど、気にならない。


女子からは、目立たないブスな女と思われていたが、女子のリーダ格の子から、なぜか妙に嫌われていて、時々、嫌がらせを受けていて、クラスに友だちらしい友だちはおらず、お母さんは、話しにくく、話し相手は、お姉ちゃんだけ…。


でも、そのお姉ちゃんは、最近、図書館に行っている事が多く、話す機会が減ってきている。


「何やってるの、早く食べて!。片付かないでしょ!」

そう言ってくるのは、お母さん。

家族の私から見てもスゴイ美人だけど、仕事をバリバリこなすキャリアウーマンで、言葉がキツイ。

そんなお母さんのキツイところも可愛いと言っていた優しいお父さんは、

それまで勤めてきた会社を辞めてしまった事から、お母さんの強い要望で離婚した。


お父さんが家にいなくなってからというもの、お母さんは、思い通りにならない事があると、ヒステリックになって家族に当たり散らす。

そんなにお父さんがいないのが、嫌なら、別れなきゃいいのに…。正直、うんざりしている。


たまに、お父さんが気を効かせて、我が家を訪ねて来るが、お母さんは、その度に怒ってばかり、そのくせ、お父さんが帰ると、ヒステリックになって、家族に当たり散らす。


もちろん、両親が別れた時に、お父さんについていくという事も出来たのだろう…。

お父さんは、性格も良く、カッコよくて大好きだけど、今のお父さんは、無職なので、さすがにお父さんについていくという選択肢は考えられなかった。

私も、お母さんの事をとやかく言えないな…。


そそくさと食事を済ませて、学校に向かう。メガネをかけて学校モードに変身。

私の視力は0.5。日常生活にはさほど困らないが、学校に行く時には、地味なメガネをかけて登校している。

必要な時だけかければ良いのだろうけど、面倒くさいから、かけっぱなしにしている。

…というのは建前で、顔にビッシリとついたニキビを目立たなくしたいから、太めのフレームのメガネをかけて誤魔化したいというのが本音だ。


学校に向かう途中、とても可愛いコを見かけた。

お姉ちゃんのように小柄で、何だかよくわからないけど、ものすごく愛らしい顔をしている。

キレイな白い肌に、耳を出したサラサラのショートボブがよく似合う。

芸能人なんだろうか?、何だか次元が違うような可愛さだった。


「うわぁ、かわいいコだな…」と思わず声が出た。


私の声に気づいたのか、そのコと目が合った。すると、彼女は満面の笑顔で、ニコッと微笑んだ。

社交辞令でありがちな「作られた感じ」や「不自然さ」を欠片も感じられない笑顔で、

まるで恋人に向けた笑顔なんじゃないかと思える程に、とても自然な印象を受けた。

更に、その瞳には、心の底から包み込まれるような不思議な感じがあって、女の子に微笑まれたはずなのに、心を射抜かれたような不思議な感覚を覚えた。


その日は、何だか、心ここにあらず…というような日を過ごした。

たった一瞬の出来事だったのに、何だか、とても夢見がちな時間を過ごすことが出来た。

それほど、印象的な可愛さを秘めたコだったのだ。


だから、学校での孤独な時間も、いつの間にか終わっていた。


家に帰ると、お姉ちゃんは、今日も図書館に行っていて、ひとりぼっち。

やがて、お母さんが帰ってきたが、いつものように、グチと小言のオンパレード。

ご飯を食べて、そそくさと部屋に引き上げる。

私が部屋に戻ると、お母さんは、あたる相手がいなくなって無口になる。

お母さんは、朝のニュース以外、テレビとかも見ない人なので、静かな時間が始まる。


お母さんの稼ぎは、割と良いらしく、お金で困るような事はなかったけど、グチと小言に満ち溢れた毎日からは、恵まれていると感じる事は出来なかった。


部屋はお姉ちゃんと相部屋だ。でも、不満はない。お姉ちゃんといると心安らぐ。

お姉ちゃんは、いつも無口で、無愛想だけど、いつも私の味方。

今は、そのお姉ちゃんも出かけているので、少し寂しい。

ベットに横になり、今日あった出来事をいろいろ思い出していた。


しばらくすると、お父さんが訪ねてきたらしく、家の中が騒がしくなった。

お母さんの怒号が家の中に響き渡る。

(嫌だ!、嫌だ!、もうこんな人生は嫌!。もしも、やりなおせるのなら、死んでしまいたい!。)

そう思いながら、音を遮るようにと布団の中にくるまった。

もう今日は寝てしまおう。

目を閉じたまま、心の中で願った。

(神様、もうこんな人生は嫌!。もっと自由で優しい世界に生まれ変わらせて下さい!。)

とても強く願った。眠りにつくまで、いつまでも、深く、深く、願い続けた。


そうして、いつしか眠りについた。眠りもまた、深い、深い…眠りだった。

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