第70話 カバーライブ後日談〜シングル発売決定
「結依ちゃんおはよう〜」
「あ、持田さん。おはようございます。」
「味の素スタジアムの売り上げすごかったみたいだよ。」
「良かったんですか?悪かったんですか?」
「良かったに決まってるじゃん!グッズの売り上げが高かったんだって」
「ほぼ完売でしたもんね。」
「あとschweinの椅子の煽りが一皮剥けた平塚結依のようで良かったって書いてあるよ。」
「こんなに大きく…」
2人でスポーツ新聞を読んでいると、志乃ちゃんがやってきた。
「おはようございます!」
「おはよ。元気だね?」
「元気が1番ですよ!」
「あ、そうそう今回のライブDVD?とBDになるからね〜」
「へぇー!すごい!」
「初回限定盤はドキュメンタリーが収録されるからね、舞台裏を全部見せちゃうよ〜」
「ドキュメンタリーってどこまで収録されるんですか?」
「全部だよ。」
「全部ですか…」
「おはようございます〜」
「あ、皐月ちゃんおはよう」
「結依ちゃんおはよう〜」
「おはようございます」
杏がやってきて私の隣に座り耳打ちする。
「何で起こしてくれなかったの?」
「気持ち良さそうに寝てたから」
「起きたら遅刻寸前だったよ!」
「ごめんごめん」
「じゃあミーティング始めるよ〜」
ところで皆さんお気づきだろうか。高山さんがいないことを。
別のアイドルのプロデューサーになったのである。だから私たちのプロデューサーは持田さんだけなのだ。
まぁ持田さんはプロデューサー経験豊富だし、なによりメンバーからの信頼が厚い。特にあの他人に対して野良犬のように食ってかかる杏が懐いているのだ。すごいことだと思う。
「次のシングルのタイトルが決まったよ。帰り道ってタイトルだよ。」
「帰り道ってなんかのアニメのオープニングじゃなかった?お姉ちゃんが聞いてた気がする。」
「化物語?」
「それだ。大丈夫?訴えられない?」
「商標登録はされてないみたいだから大丈夫だよ。これ、楽譜と音源ね。今回のセンターは杏ちゃんで副センターが結依ちゃんだね。よろしく、朝倉ちゃんと大森ちゃんと新人ちゃんのパートもしっかりあるからよろしくね。」
「はい!」
「はい、柔軟体操〜」
柔軟体操は私と杏、大森さんと朝倉さん、明日香ちゃんと志乃ちゃんの2人1組で行う。
「結依痛い痛い痛い!!!股裂ける」
「女の子が股とか言わないの。ほら。」
「あー!ギブギブ!!痛すぎる!」
「はい、じゃあ今日はここまで〜」
「ありがとうございました。」
「痛い…歩くのが辛い…」
「負けないでもう少し最後まで走り抜けて」
「無理だよ…」
「お疲れ様でした!」
新人2人が仲良く帰宅していく。
「お疲れ様!」
「お疲れ様…」
「じゃあ杏、私たちも帰ろう。」
「うん…そう言えばX見た?」
「見てない。」
「結依がschweinの椅子で客に歌わせてたときの映像が流れてきたんだけど、結依、すごいドSな顔してたよ。」
「あの時は確かにドSモードだったね。」
「楽しそうだった。」
「楽しかったよ。味の素スタジアムが満席になるなんて思いもしなかったしね。」
「そうだね。」
「んー!なんか今日はしゃぶしゃぶな気分!温野菜行こうか!」
「うん。」
レッスンスタジオから出る。私はカバーライブの余韻に浸っていた。
「今度杏ともやれるといいな。」
「ん?なんか言った?」
「ううん、何にも。じゃ、行こうか。」
「うん!」
明日はまた大学だ。切り替えなければ。




