5話 解体師、ドラゴン戦
「ちょっと、日向君もっと急がないとドラゴンに捕まっちゃうよ」
「ルル、待ってくれよ、俺解体以外だと常人と同じぐらいしか力がないんだから」
「なら解体しながら走りましょう」
「できるわけないだろ‼︎」
「はぅ、すいません…」
「ルル、飛ぶスピードを落とすな、死ぬぞ」
絶賛街道を爆走中だった
なぜこうなったのか、数時間前
朝食を食べ終わり、野営していた場所を片付けて、移動を開始する。
2時間後
「えーっと、ルシフェルさん?ちゃん?」
「長いので、ルルでいいですよ」
「それだったらこっちも日向でいいよ。ところでルル、あっちの方の空に赤い点がいくつかみえるのわかる?」
「はい、ありますね」
「で、そこから結構な魔力が感じられるんだけど」
「はい…そうですね…」
「もしかして、ドラゴンじゃないよね?」
「そんなわけないですよ、いくら知能が高くて、プライドが高くて敵は地の果てまで追って殺すと言われているドラゴンでも、あれだけボコボコにされてここまで追ってくるわけないじゃないですか…」
「じゃあ、あれはなんだろうか、結構な速度でこっちに来てるけど…あ、いま、鳴き声が聴こえた」
「…ドラゴンですね」
「ドラゴンだな」
「迎撃します?」
「なんという戦闘狂な考え方、めんどくさいし逃げとかどうでしょう」
「それいいですね」
そして現在に戻る
「ルル、あいつらと何日か戦えてたんじゃなかったのか⁉︎」
「ちょっとダメージが抜けきってなくて、今行くとほぼ確実に死にます。ですが、お望みとあらば…」
「やめてやめて、流石に旅の友が一日で死んだらトラウマになる自信がある。…戦うか…」
「後方からの支援は任せてください」
「頼むよ」
俺は、背を向けていたドラゴンへと向き直りアイテムボックスから剣を取り出す、数は…5
(これから、こいつらを解体する)
後ろから身体強化のバフが飛んでくる、ルルのおかげだ。
ドラゴンは全身が素材になる、しかし昨日の蛇と違い、鱗に隙間がない鱗の合間を縫っての攻撃ができない、だがそこは解体スキル、鱗を傷つけずに解体するためにある、ことができるようになる。
一飛びで十数メートル上空を飛んでるドラゴンに対して鱗ごと首へ一撃、毎度の如く血抜きだ、ちなみに抜けた血は結界術を利用した受け皿を下に形成して一箇所に集めてるぞ。刃が一瞬透けて鱗を傷つけずに身だけ切り裂く。空中にいる間、他のドラゴン達がこちらへ攻撃をするが、足元に結界で足場を作り、空中で移動、そいつらも同じ手順で血抜き。魔力を使われると鮮度が落ちるのでさっさとと決着をつける。
「神よ、このものに戒めを、聖鎖縛」
光る鎖が巻き付きドラゴンが動きを止める。
「ナイス、ルル」
俺は解体をさらに意識する。漠然と解体する、ではなく、どこから切り込み、どの臓器を出し、どう皮を剥ぎ、どう分けるか、刃の角度、強さなど、細く手順を意識する。
さらに解体によるバフがかかり、目にも止まらぬ速さで解体が進む、皮と身の間に刃を入れ剥がし腹を捌いて腸、心臓、肺、肝臓、胃etc.を出し骨を肉から外し肉を切り分ける、頭は転移魔術を使い脳などの内部機関を取り出し外側は傷つけない。それを同時に5体へ施す。そして解体が済み次第アイテムボックスへと放り込む。
数秒後、ドラゴンは跡形もなく消え去っていた。全ての解体が終了した。
「あそこで動き止めてくれたから助かったよ、ありがとう。あれってほんとはもっと詠唱長くなかったか?あのレベルの魔法の詠唱を省略して、あの威力って、ルルは本当にすごいな」
「はうぅ、…あ、ありがとうございます…」
すっごい照れてる、なにこれ、かわ(以下略)、褒めたらこうなるんだったら、もういっぱい褒めちゃうぞ
「その、日向くんも、ドラゴンを一瞬で倒してて、かっこよかったよ…」
「そうだろ、かっこよかっただろ」
こっちを褒める時も照れてる、なに(以下略)、これはあれだな、年の離れた姪っ子にすごいすごいと言われる感覚だな。
とにかく、無事生きててよかった、この量のドラゴンを売ればそれなりの金にもなるだろう、しばらくは遊んで暮らせるな
解体しくんの解体術、LV2
対象を細かく解体することまで想像することで、解体の自動化、バフの増量を行う。別に動いていても構わないのだが、動いてる状態だと動くことも加味した想像をしなくれはいけないので、簡単にいうと未来が見えないと無理。




