らぶトモ 第88話 【温泉地でお兄ちゃん輝くよ】
「奈々よ、今度の連休は暇か?」
「試験休み?うん、予定無いかな?お兄ちゃんにも聞かないとだけど」
「もし時間あれば、うちの温泉宿に行かぬか?」
「え?そんなのあるの?行きたいかも!」
「では、兄上に話してみてくれ」
「おっけー」
「園子もどうだ?」
「うー、勿体なかお誘いなんやばってん、そん日家族で買い物に行くばい。久しぶりやけん前から計画しとってごめんなしゃい。また誘うてほしか」
「そうか。家族のと時間は大切だぞ。また誘うぞ」
「はい」
そんな具合で泉水に誘われた俺は、奈々、俺、泉水、桜庭さんで泉水の家の人が経営する温泉宿にやって来た。
もちろんただではない。
というか俺がただなのはよくないと思ったのでなにか手伝わせてもらうことにした。
奈々には数時間仲居の仕事をしてもらって、俺はloungeの料理を手伝うことになった。
「遠慮せずに繕いでくれればよいのだ。わざわざここまできて、働かなくても」
「泉水ちゃん、お兄ちゃんは泉水ちゃんやさくらさんに少しでも恩返しになることをいつも探してるからいいんだよ」
「そうか?我が誘ったのだから気にせんでよあかのに、誘いづらくなるぞ」
「泉水ちゃん、お兄ちゃんだよ?そこまで考えてると思う?」
「そうだな。兄上なりの気遣いだ、有り難く受け取ろう。その分、この宿をあとで楽しんでくれ」
「おっけー」
そんなやり取りは俺は知らないのは、到着してすぐに調理場に行ったからだ。人手がほしかったらしい。
ーー調理場にてーー
「おお、にいちゃんやるな〜。包丁使えるじゃねえか」
「まあ、妹のために毎日やってますから」
「いいねえ。妹のために頑張るにいちゃんか〜。気に入ったぜ」
「木村くん、こっちもやってみるかい?」
「はい」
なんかすげーいいなここ。
「ふむ。あんなに充実してる兄上は、我と奈々がコスプレして見せた時以来だな」
「ほんとだね〜。すごく輝いてる」
「はい、はっきりと見えます。大吾様の周りに奈々様の残像が」
「ふむ確かに、どこかのスタンドな如く」
「す、スタンド?喫茶店のこと?」
「さ、我らもやることやらねば」
「はい、準備はできております」
「なになに?」
「奈々行くぞ。宿代分は働いてもらうぞ」
「あ、あれ?私も?なんか泉水ちゃん、さくらさん、熱血モード?」
温泉大好きです。
90分は入ってられます。
温泉地の話は少し続きます。
よろしければブクマ・評価お願いします。