らぶトモ 第87話 【決闘だよラスト】
我、奈々、兄上、園子、透子さんがハモった。さくらは眉がピクピクしている。
「ペルシャ、急にどうした?」
「は!あ、あの、これは・・・その、園子もお兄さんって呼んでるからまぎらわしいでしょ?
だ、だから区別つけようかなって・・・いけませんでしたか?」
「い、いやそんな事ないぞ。な、なんか驚いちゃって。じゃあこれからはそう呼んでくれて」
「いいんですか?嬉しいです」
ふ、ふむ。だ、大吾お兄さんとは・・・。な、なかなかやるなペルシャめ。
ズキ!・・・う・・・ま、また・・胸が・・・。
「泉水様どうされましたか?」
「い、いやなんでもない」
「私もびっくりだよ。まさか大吾お兄ちゃんって呼ぶ女の子が現れるなんて思わなかった。
なんか兄妹多い家族の呼び方で聞いたことあるよ」
兄上もあの呼び方にドキドキしてるようだ。ある意味ご奉仕になるのではないだろうか。不意をついた呼び方の変化
は、気持ちの変化を表しているからな。ペルシャ思い切ったことしてくれるな。
我も兄上に呼び方を変更させた時のようなものだ。
やはり心の距離を縮めたいのだ。想い人の隣に並びたいのだ。
ムカムカ・・・・く・・・今度はムカムカだと?心がざわつきすぎだ、落ち着け我の心よ!
「はい。お兄しゃん。うちん作ったオムライスばい。ペルシャが手作りしてん聞いたけん、
うちもやってみた。それにこれも。・・・・恥ずかしかばってんやる!」
「なんだ?園子?」
兄上が声をかけたがペコっと腰を折って控え室へ行ってしまった。
そして・・・。
「あああ!園子ちゃんその格好は?!!」
「にゃんにゃん園子だにゃん!」
「うわあああ」
兄上が驚き声をあげた。と思ったが驚きの声と困惑の気持ちが混ざった声をあげたのはペルシャだった。
兄上、奈々、さくらの目が点になっている。
「にゃんにゃんって・・・ちょっと透子さんまさか園子にあれを教えたの?」
「いいや、あれは自前だ」
「そんな・・・」
2人のやり取りを聞くとなんか昨日はやり残したことがあったようだな。
それが園子が用意したものに酷似しているのだろう。
「園子ちゃん猫耳かわいい〜」
「うわああ!うわああ!!」
兄上がすごく興奮してる。食いついてる!
周りのお客からもどよめきが起こっている。
「園子さん、考えましたね」
「ああ、そのようだな」
園子は兄上の趣味の一部を会話から聞き出し2次元の世界が好きなことを割り出したのだろう。
「ご主人様。これからメイドん園子がコーヒーば注がしぇていただくにゃん。
注ぎ終わったら「園子、ご褒美にゃんにゃん」て言うてくれんだにゃん」
「お、おおわかった」
「博多弁でにゃんにゃんとか可愛すぎるよ〜」
店内中が息を飲んで注ぐ園子を見ている。
「園子、ご褒美にゃんにゃん」
あ、兄上が恥ずかしそうに悶えておる。男子には流石にあのセリフはきついな。だがGOODJOB園子。
「つ、次はメインのオムライスだにゃん。美味しゅうなるおまじないだにゃん。
デリシャスデリデリ、らぶらぶインストール!・・・はい美味しゅうなったにゃん」
【うおおおおおお、園子ちゃ〜〜〜ん俺たちにしもしてほしい〜〜〜〜〜!!】
【可愛すぎて辛い!!】
【生きててよかった〜〜〜】
と、おじさんたちには大好評だ。兄上はというと、
「あ、あ〜んだにゃん」
「あ〜ん」
「うううう、本当は悔しいけど、今日はメイドさんにあ〜んは譲るよ!私が妹でよかったね」
「奈々しゃんありがとう」
園子め、あ〜んまでやるとは・・・・今回は園子の頑張りが優って
「ちょっと待った〜〜〜!!」
さくら、我の評価が決まりかけた時、園子とは別の種類の猫耳を着けたペルシャが出てきた。
「園子ができるなら私だってミャ〜!
だ、大吾お兄さん!わ、私のご主人様は大吾お兄さんだけですミャ〜。私のコーヒーも飲んでくださいだミャ〜!」
「ペルシャまで?」
「ククク、これは面白いことになった」
「うそ!ペルシャちゃんまで用意してたの?ずるい!」
「ククク、奈々もやるか?」
「やる!!」
【今日はなんて日だ!久しぶりの奈々ちゃんのウエイトレス姿!しかも猫耳だと〜〜〜!!】
【思い残すことないぞ】
【ロバート!おめえ幸せもんだぞ】
く、くそ!奈々に先を越された。
「さくら!」
「はい、用意はできております!!」
「よし流石だ!」
我は何を張り合っているのだ・・・えええい!今はそれどころではない!
「あ、兄上!」
「え?泉水?それ!お前もか?」
「泉水ちゃん、すごいよ!」
「えええ?泉水さんもやってるの?」
「うちもびっくりばい!!」
「泉水様、最高にかわいいです。そして私もご一緒に」
「ククク、泉水もさくらもやるではないか」
「みんなどうしたんだ?」
我、奈々、さくら、園子、ペルシャ、皆が猫耳になり兄上にご奉仕をしたのだった。
決闘はしっちゃかめっちゃかのうちに終わってしまった。
ーー三日目談:マルシェにてーー
「ペルシャ、私ペルシャの気持ちすごくわかった」
「園子、私もです」
「私たちは同じくらい大吾お兄さんのこと大好きってこと認めます」
「うちもペルシャん気持ちようわかった。認める」
「2人がそれで良いなら」
2人はがっちり握手を交わし、認め合った。
やっと面倒ごとから解放されたか・・・。
「ところで〜」
「泉水さん」
「ん?なんだ?」
2人ともニヤニヤと我を見て
「泉水しゃんもお兄しゃんのこと〜」
「すっごく大好きですよね?」
「な、なんだと?」
「隠してんつまらんばい」
「バレバレですよ!私たちが決闘中、ずっと不機嫌そうでしたから」
「そこら辺んこと、じっくり話そう」
「な、なんのことだ?」
「ダメですよ隠しても」
く、くそう。我もまだまだ未熟であったか・・・。
そこでペルシャが名付けた3人のグループ【大吾お兄さん大好きっ子同盟】
それだけは抜け出したい。
メイドさんはいかがでしたか?妹たちのメイドは何度描いても楽しいです。
少しでも気に入ってくれたら嬉しいです。
よければブクマ・評価お願いします。