らぶトモ 第82話 【決闘だよ②】
ペルシャ、園子の兄上のことを自分の方が大好きであることを証明、相手に認めさせる決闘は、
日々の兄上へのご奉仕から始まる。
園子は、学校で、ペルシャは、店でのご奉仕の仕方に抜かりがないかを判断する。
だがここで、判断する...という項目。
これをクリアする必要がある。
誰が判断するのか。
「それは、泉水さんお願いします」
「泉水さん、お願いしたかで」
まあそうなるな。その場に居たのだし。
だが、ずっと兄上の側にいる必要があるな。
ま、まあ悪い気はせんがな。
不自然になるので、ずっとは、無理だ。
ここは、さくらに協力を求めるしかあるまい。
ーーそして決闘1日目ーー
「MYフレンド大吾〜!三河島園子女史が呼んでますよ〜」
「おう園子。どうした?」
「お、おい!あんな可愛い子のこと呼び捨てだぞ。あのチビ大吾が生意気な」
「あいつ最近モテ期だよね」
「妹もいるくせにどこが良いんだ?」
うう!クラスの男子の視線が痛い。
「そ、園子ちょっと廊下に」
「はい」
園子の背中を押して廊下に出た。
「あ、その巾着もしかして」
「はい。良かったらお昼ご一緒にいかがですか?」
「ああ、構わないけど」
「MEもご一緒によろしいですかね〜」
「はいもちろん」
「じゃあ、弁当俺も持ってくるよ」
「あ、あのその・・・」
「ん?」
「(ヒソヒソ)大吾よ〜くご覧くださいな」
「え?」
園子が泣きそうな顔でモジモジしている。その手にぶら下げられているのは確かに大きいな。
さっきは良く見てなかったからな。
「まったくもう。大吾はこういう時には視力が落ちるんですから困ったものですね〜」
「なんだよそれ。園子それってもしかして、みんなのも作ってくれたのか?」
「は、はい。それで一緒に」
「ああ、わかったよ。じゃあお弁当の交換しようぜ」
「はい!ありがとうございます」
ということで屋上へ行くことになった。
「お兄ちゃんこっちこっち」
「おお、奈々。泉水も」
「ほほ〜」
「何だよ太助」
「べ〜つに〜。山縣泉水女史〜。奈々ちゃんどもども〜」
「ち、貴様も来たか」
「山縣泉水女史〜とほほ〜」
「はい。お兄さん」
「わ〜〜!すごいよ園子ちゃん」
「ああ見直したよ」
「・・・・」
園子の顔が真っ赤っかだ。でもなんか嬉しそう。
園子の作った弁当は、個人個人用に作ってきたようだった。
でも泉水の分はなかった。聞くと仲良くなってくれた始めのお友達として奈々に。
その兄貴ということで俺の分だったそうだ。律儀だ。
そして園子が作ってくれた弁当は、和食のおかずをメインにしたものだった。
茶色っぽくなりがちの色味が和食の特徴だが、梅干し、シソ巻きアスパラなどの緑入れている。
それだけで鮮やかな弁当になっている。
考えたな園子やつ。
しかも木製でできている弁当箱を使っている。園子の優しい気持ちが詰まったお弁当だ。
「園子俺の弁当と交換だな。はいよ」
「ありがとうございますす、すごい!」
「でしょ〜?お兄ちゃんはちょっと女性の敵でもあるんだよね〜」
「ふむ、それはちょっとわかるな」
「何でよ?」
「台所は女性のお城って言いますしね〜」
「そんな古臭い考えまだあるのか」
俺の作った弁当は、ご飯に魚肉ソーセージで作った桜の花びたに模した型をとって、グリンピースで
花弁にして、焼き鳥で定番のネギまの塩焼き、だし巻き卵、ひじきのうま煮を入れている。
「こげん凝っとーお弁当ば毎日奈々しゃんに作っとーなんてすごか〜」
園子が素に戻るくらい驚いたか。そんな大したことないんだけど。
「どうだ味の方は?」
「美味しかね〜。どげんして作っとーんと?」
「じゃあ今度一緒に料理でもどうだ?」
「本当に?」
「ああ。いつでもいいぞ」
「めちゃくちゃに嬉しか。よろしゅうお願いする〜」
「私も園子ちゃんと遊びたい〜」
「ああ。じゃあみんなも今度うちで遊ぼうぜ」
「ふむ。良いな」
「YESYES!大賛成ですよ〜」
園子はこれからもみんなと仲良くいてほしいと思っている。
やっぱりそれにはみんなとの接点を増やすのが一番だな。
ペルシャにも仲良くなってほしいな。
「(ヒソヒソ)あ、あの、泉水さん。いかがですか?」
「(ヒソヒソ)なかなか感触はいいのではないか?兄上も喜んでいるようだしな」
「(ヒソヒソ)やなあ?やなあ?感触よかよね?うふふふ」
「どうした?園子?」
「い、いえ何でも。うわ〜このだし巻き卵も美味しいですね〜」
ふむ。園子は皆を明るい雰囲気にする素質があるな。
とても良いことだ。
一緒にいるだけでムカムカする奴もおるからな。
「はい〜?なんですか?山縣泉水女史?MEの顔に何かついてますか?」
「悪霊がな」
「えええええええ?お祓いしてください〜〜〜!」
なかなかやるではないか園子。
ポイント高いぞ。
園子の本気度が伝わってくるな。
何だろうな。なんか・・・落ち着かんな。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
やっぱり一生懸命作った誰かを想うお弁当は素敵だなって思ってます。
手間ってすごく気持ちが伝わりますよね?
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続きます。