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〜らぶ トモ〜 LOVE TOMORROW  作者: にのみやみのに
入学・進学編
82/139

らぶトモ 第78話 【園子ちゃんと仲良くなるよ】

 入学式が始まり、新入生に花をあげるのも無事に終えた。

 あの子にブローチ返せたのは収穫だった。

 だけど・・・。


「はあ・・・肝心の謝罪を忘れるとは・・・」


ブローチばかりに気を回しすぎた。

詰めが甘いよなー。


「大吾は、いつもそうですよ。デフォなので心配ありませんよ。MEはいつでも大吾の味方ですよ」

「え?俺今口に出してたか?」

「ええ、駄々漏れですよ~」

「すまん」


なんだかなあ。高2になったんだから、少しはちゃんとせんとな。いつまでも1学年気分じゃだめだな。奈々の兄貴としても妹に恥はかけないようにせんと。

だが、救いがある。

奈々とあの子は同じクラスになったのだ。

泉水ちゃんもだ。

おかげで話を切り出しやすくなった。


「というわけで奈々。ブリーチ返せたその三河島園子ちゃんに話してくれないか?」

「うん、それは構わないよお兄ちゃん」


なんて出来た妹だ。


俺はその晩、奈々に三河島さんとの接点をもってくれるように頼んだ。


次の日の学校で昼食に誘ってもらえるように二人に頼んだ。

昼食なら、時間もとれるし落ち着いて話せそうだ。

泉水ちゃんは、そんなに気にするほどではないだろうと言うのだが、ひと言謝らないと気がすまなかった。

頑固なところもあるんだなと、自分でも驚いている。

自己満なのはわかっていた。けれど、奈々の同じクラスになったんだ。それなら、奈々とも仲良くしてほしいしな。


屋上の公園風に作られている広場のベンチに場所をとり、待っていた。


「あ、いたいたお兄ちゃんお待たせ。さ、三河島さん」

「...はい」

「そう固くなるな。奈々の兄上だ。怖くないぞ」

「はい、知ってます」


話ながら俺のところに来てくれた。


「や、やあ。三河島さん今日は、ありがとう。今日来てもらったのは奈々からも聞いてると思うけど、

 テストの大事な日にぶつかって、冷静さ乱したんじゃないかって思ってて・・・だからごめん。あの時すぐに

 謝らなかったこともごめん」

「そ・・・そうですね。取り乱しました。でもいいんです。テストは私のすることです。落ちてても受かってても

 あなたのせいにはするつもりは全くありませんでした。だからもう気にしないでください。

 こうやって律儀にブローチも持っていてくれて、しかも出会ったその次の日に謝る段取りまでこしらえて・・・。

 あなたの人柄はわかったので」

「そ、そうか。よかったありがとう。これからもよろしくな。奈々共々」

「はいこちらこそ」

「良かったね〜。これで二人はお友達だね」

「ふむ。兄上の良いところは、非を認められるところにあるからな」

「大吾〜〜、お昼一緒に食べましょう〜!」

「ヒ!!」

「このあほ平等院!!」


 泉水ちゃんの下段連打撃が太助の下腹に炸裂!泉水ちゃんも背が小さいから正拳突きが下段なのだよね。

 太助がくの字に曲がって顎が泉水ちゃんの頭上に来ると、その右手拳が天高く太助を舞い上がらせた。


 泉水 WIN


「全然効きませんよ〜」

「んな馬鹿な!」

「お兄ちゃん効いてないわけじゃないみたいだよ、鼻血が滝のように出てる」

「あの人・・・大丈夫ですか?」

「ふむ、気にするな。彼奴は尋常ではないのだ。心配は無用だ」

「はあ・・・ふふ・・・お兄しゃん、面白か〜」

「おもろか?」

「は!!・・・・ううう」

「ほほお、園子よ、お主、九州の出身か?」

「え、あのその・・・」

「面白か〜は、博多ですよ〜」

「太助詳しいな」


 太助のドヤ顔は見慣れて来たのでなんとも思わなくなった。

 慣れって凄い。


「す、すみません・・・気を抜くと・・・出てしまうんです、ごめんなさい」


 申し訳なさそうにしゅんとしてしまった。

 そこに奈々が声をかけた。


「園ちゃん、そういうの気にしないで。お兄ちゃん、太助さん、泉水ちゃん、私も言葉で偏見持ったりしないよ。

 だから安心して。月並みなことしか言えないけど」

「奈々さん」

「ふむ、あまりかしこまるな。クラスメイトだろ」

「三河島園子女史!MEはwelcomeですよ〜」

「うん」

「みなさん」


 ありがとうの言葉が出ないが、瞳に涙を溜めて、ウルウルしてるの見れたから十分だよな。


「本当にありがとうございます。学校くるのが楽しくなります」

「また敬語」

「あ・・・」

「ふむ急には無理だな」

「スローリーでOK」

「そうだな。園子のペースで」

「はい」

「お、お兄ちゃん!?」

「ん?」

「兄上?」

「はい?」

「だ、大吾さん・・・」


 奈々と泉水ちゃんが眉を吊り上げ、園子が眉を八の字に下げクネクネしてる、

 太助はやれやれと肩をすくめている。なんかした俺?


「お兄ちゃん、あとで」

「兄上、後ほど」

「家族会議」「ミーティング」「だよ」「だぞ」


 どういうことなの?

 

 



その土地独特の話し方は、ずっと子供たちに伝えたいですね。


気にいっていただけたらブクマ・評価お願いします。


続きます。

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