らぶトモ 第77話 【監督するよ③】
3年生を送り出す行事も過ぎ、新入生を迎える月。
4月はやけにソワついた空気とソワついてる空気を懐かしんで成長をしている自分を見直したりするな。
さて、このブローチの持ち主はこの高校に入学したのか否か。
「あ、お兄ちゃ〜ん」
「おう奈々来たか」
奈々もついに高校1年生だ。制服は少し大きめを見繕った。これからも成長するしね。
俺はぴったりだけど・・・泣
「お兄ちゃん、新入生のお出迎えありがとう〜!」
「ま、しゃーないよ。みっちゃんに借りがあったし」
「まだ見つからないの?そのブローチの落とし主」
「ああ。一般受験の日から何日もあるのに、学校には連絡なしだしな。いらないのかもな」
「そうだねー。連絡ないのはそういうことかもね」
「ふむ、2人ともご機嫌麗しいか?」
「あ、泉水ちゃん」
「ふむ、奈々は元気そうだな」
「泉水ちゃん入学おめでとう」
泉水ちゃんは堂々としたものだ。高校仕様の制服は泉水ちゃんの体型にぱったりだ。
プリーツスカート。色は薄い青の下地に2本の白線。ふわっとしたリボンは赤。奈々たちの年代は赤だ。
俺たちの世代は緑。1つ上は白だ。
「新入生の方は、体育館の受付にお願いします。クラスはそちらでわかりますのでお願いします」
拡声器で新入生を促すみっちゃん。
「あ、みっちゃん〜!」
「おう木村の妹!山縣!入学おめでとう、それに先生をみっちゃんと呼ぶな!」
「イタタタた」
「ふむ、みっちゃんお祝いの言葉ありがとう」
「山縣まで」
「ふむ。ところでみっちゃんは中学の先生のままか?」
「まあね。あんたらが無事に高校に行ってくれて良かったよ」
「では我らの次の担任は誰なるのか」
「それは、入学式に発表されるからお楽しみにだな」
「そうか」
「ちょっとドキドキだね」
俺はあのマッチョサイエンティストの角田教諭が担任になった時ドン引きしたもんだ。
1年の学園生活に担任の影響は少なからずあるからな。
【あのやなセンコーに会いたくねー】で、遅刻多くなるとかあるしね。
毛嫌いしちゃう繊細な子結構いるからね。
「そろそろ受付時間終了となります。トイレなど所用は早めに済ませて置いてください」
「奈々、泉水ちゃん、また後でな」
「うん、お兄ちゃんまたね」
「ふむ、兄上。またな」
奈々に大振り、泉水ちゃんはちっちゃく、手を振って受付に向かった。
「さて、俺は1年生に花束渡す役が残ってるから、裏手にいかないと・・・!!!!」
ギリギリの時間に校門に影が見えた。
それは一般入試の時にぶつかったあの子だ。
「あ、あの、君」
「・・・はい?」
「俺のこと覚えてるかな?一般受験日にぶつかった」
「ああ・・・あの時の・・・。監視官じゃなく普通に先輩だったんですね」
「良かったよ。別の学校に進学してたらこれ、返せなかたよ」
「・・・・あ、それ・・・ここの学校で落としてたんですね」
「困らなかった?学校に連絡してくれれば良かったのに」
「まあ、気づいたのがつい最近だったんです」
「そ、そうだったのか。余計なお世話だったかな」
「・・・・いえそんなことは・・・あ、ありがとう・・ござ・・いま・・・す」
「どういたしまして」
顔を隠しながらうつむき加減で右手を出してきた。
静かに手のひらに乗せて返す。
「そこの生徒。早く受付に向かってください、式が始まります」
お、そうだったギリギリだったんだ。
「すまんね、引き止めて長話しちゃって」
「いえ、ご丁寧にどうもです。ではまた」
「ああ、入学おめでとう」
「・・・・」
返答もなくそのまま早足で受付へ行ってしまった。
しかし良かった。やっと返すことができた。
あ・・・。
ぶつかったこと謝るの忘れてた・・・。
ついに進学まで来ました。
最後まで読んでくれてるあなたのおかげです。
ありがとうございます。
続くのでまた読んでください。
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