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〜らぶ トモ〜 LOVE TOMORROW  作者: にのみやみのに
入学・進学編
80/139

らぶトモ 第76話 【監督するよ②】

 トイレから出た俺は教室へ早足で向かっていた。


「急がねば」


 どん!


「うわっと!あぶな!」

「・・・・」


 トイレから出てすぐのところに二階に行くための階段があるのだが、職員室からは大抵生徒用のトイレは

 離れているのだ。時折この階段への角はぶつかりそうになる人が絶えない場所でもある。


「大丈夫ですか?」


 ぶつかってはいないが、少し服が引っ掛かった感触がある。

 受験者だったらやばいな。これが原因で落ちたとか言われたら困るぞ。


「平気です。あなたの方は?」

「全然平気。すみませんでした、急いでたもので」

「はい、私も急いでました。では失礼します」


 見たことない制服。完全に受験者だった。申し訳ない気持ちが込み上げ受験者の後ろ姿を見送ってしまった。


「やば!ぼうっとしてる場合じゃない!」


 俺は二段飛ばしで駆け上がった。

 背が小さいし足短いけど、二段飛ばしくらいはできるぞ。バカにするなよな!


 ガラッとドアを開けて入室後チャイムが鳴った。

 ギリギリセーフ。


「では、これから答案用紙を配ります。配布は監督官の彼が一人ずつ配ります。ん?」


 ん?みっちゃんが俺の・・・胴の方を見てる。

 すっと手が俺の左胸に伸びて何かを取った。

 とりあえずみっちゃんは自分のジャケットのポケットにしまった。

 なんか引っ掛かってたようだ。ゴミかな?


 俺は気にせず与えられた仕事をこなした。


 チャイムがなり、解答用紙を回収。本日のテストはこれにて終了。

 受験者諸君、お疲れ様でした。

 と思って教室からみっちゃんと出る。


「なあ木村」

「はい?」

「これさっきお前の左胸のポケットに引っかかってたやつだ」

「これ・・・」

「ブローチ型の校章だな。どこでこれを?」

「多分あの時だ。みっちゃんそれちょっと貸してください。心当たりあるんで。これお願いします」

「お、おいこれ全部か?」


 俺は急いであの階段へ向かった。

 本人自体このプローチの校章を落としたことを気づいてないかもしれないけど、

 気づいてて探してるかもしれない。

 ぶつかったんだ。責任感じるし。早く返してやりたい。

 それとぶつかった事をきちんと謝りたい。


 急いであの事ぶつかった階段の角に行った。

 だが・・・いなかった・・・。

 しばらくそこで待っていたが、あの子は来なかった。名前を聞いておくべきだった。


 このブローチ・・・どうしたものか・・・。



気に入っていただけたら幸いです。


続きます。


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