らぶトモ 第76話 【監督するよ①】
新展開です。
何で俺は学校にいるのか。それに生徒がこういう役目をする者なのだろうか。生徒会ならまだしも。
まあ事実生徒会共は手伝っているが。
「きくらげくん・・・」
「木村です」
「大根くん」
「大吾ですよ」
「あら、ツッコミは健在ね。大吾くん」
「霧ヶ峰先輩のボケも健在ですね」
霧ヶ峰先輩。この学校の生徒会長。
霧ヶ峰先輩は学校のカリスマ的存在だ。以前は俺の成績が悪くて家庭教師をしてくれたことがある。(強制的に)
この学校の一般受験の日に監督役を手伝うように頼まれた。
「一体なんです?久しぶりですね」
「別に私は久しぶりでもないのだけれどね」
「どういうことです?」
「いつもあなたのことは見てるから」
「ええ?まさかついにストーカー行為を?」
「ええそう。歪んだ愛であなたを見てる」
「ちょ・・・」
「うふふ、冗談」
「霧ヶ峰先輩は冗談と本気の境界がわかりづらいですよ」
「うふふ」
そして、ここに俺はいる。
チャイムが鳴り、テストを裏返す受験者。
「はいでは、これから、テストを回収しますので、回答用紙は、わたし。問題用紙は彼に渡してください」
「では問題用紙を受けとりますのでお待ちください」
同教室の監督者は、みっちゃんこと、奈々の担任。ここらへんは、霧ヶ峰先輩が気をきかせてくれたのだろう。
その後問題なく職員室へ戻る。
「んん~!疲れる」
「ご苦労木村。お前も1年前はあの連中と同じだっただろ?」
「まあそうなんですけどね、あ、トイレへ行ってきます」
「もう時間ないぞ」
「急ぎますよ、次は2年6組でしたよね?」
「ああ」
「ダッシュしますよ」
「廊下は走るな」
「急ぎますの意味ですよ」
俺は早足でトイレへ向かった。
これからしばらく続きます。最後まで読んでお付き合いください。