らぶトモ 第74話 【お、大っきいよ】
「い、泉水ちゃん、こ、こんなおっきいの・・・は、無理・・・だよ・・・」
「いいか奈々。女という生き物は、時に、受け入れなければならないときがあるのだよ」
「そうは言っても・・・。こんなおっきいの入らないよ・・・もし入っても・・・壊れちゃう〜」
「奈々・・・」
「泉水ちゃん・・・」
「じゃあ割れ」
「うん」
ぱきぱき。とチョコを砕いてミキサーに入れてスイッチオン!
ミキサーが問題なくチョコを砕いて軽快にウイイイイインと音を立てて動いてるよ。
「ほら〜。やっぱり砕いてよかったんだよ」
「軟弱なミキサーだな」
「泉水様、機械のすることです。お手柔らかに」
「仕方あるまい」
今日は泉水ちゃんのお家でバレンタインデーのチョコを作ってるよ。
さっきもそうだけど、ミキサーにおっきいままのチョコ入れたらミキサーが動かなくなって一時停止。
チョコを砕いてからの方がいいよって言ったのに、無理矢理回そうとしてたの。
「して奈々。今回はチョコシェイクのビターを作るんだな」
「うん。いつもお兄ちゃんにあげてるけど、形もお決まりのハート方ばっかりだから今回は、
飲むバージョンもいいかなって思ったの」
「なるほどな。では我はチョコキャラメルを作ろうかな」
「レベル高いね」
「簡単だぞ。キャラメルを買って来て、チョコをコーティングさせて終わりだ」
「あ、キャラメルは売ってるやつか。びっくりしたよ」
「キャラメルも作ると思ったのか?さすがに手間がかかりすぎる」
「キャラメルは私が丹念に作りますと申し上げたのですが」
「当然であろう。さくらがそんなに丹念に作ったら重すぎてもらいづらいだろ」
「そうですか?泉水様が作ったといえば大吾様は労いをということで、泉水様を甘やかしてくれる
と思うのですが」
「ふむ、それも悪くないな。やはりキャラメルも作るか」
「甘やかしてくれる・・・」
「ん?奈々妄想か?」
ーーぽやんぽやんと妄想へトリップする奈々ーー
「お兄ちゃん、私今年はチョコシェイクを作ったのもらって」
「ああ、ありがたくいただくよ。そんな奈々をたっぷり甘やかさないとな」
「お、お兄ちゃん、いったいどんな甘やかしをしてくれるの?」
「それは、ベッドの上で教えてやるよ」
「お、お兄ちゃん・・・」
「えへ、えへ、えへ・・・お兄ちゃん・・・」
「最近の奈々は大人になりつつあるに加ええっちい妄想をするようになったな」
「泉水様それは泉水様もです。あの極秘日記には大吾様とのくんずほぐれ」
「てい!」
ぐは!・・・と、さくらさんは突然気を失って倒れたの。
「泉水ちゃんどうしたのさくらさん。鼻血出て気絶してるよ大丈夫?」
「ああ、ただの睡眠不足だそのままにしておいてやってくれ」
「う、うん。・・・でもスカートめくれちゃって丸見えだからこれだけ直すね」
「ああ、すまんな」
「さくらさんの・・・大人なやつ・・・透けてる・・・」
「なにをまじまじ観ておるのだ?」
「え?ええ?ああ、何でもない!!!」
あ、あぶなかった〜。なんか見入っちゃったよ。あれが大人の女性の下着か・・・。
私も大人の下着を増やさないと。
お尻に猫のプリントのは卒業しなきゃ。
「ん?右手を握ってなんか決意したな」
女子というのは周りが思う以上に大人の階段をかけあがるのであろう。
しかし、我も気をつけねば・・・。あの日記だけは誰にも見せられんからな。
バレンタインのチョコ・・・。
なんかいい思い出・・・ない・・・。
それは置いといて
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