らぶトモ 第67話 【おみくじ当たったぞ】
ーー昼食時間ーー
「んん〜〜〜〜おわた〜(終わった)」
「大吾一緒にお昼いき」
「木村くん!!」
うわ、もう来たよ。予想してたけど当日とは・・・。
「おやまあ、今日の森山翔子女史はアクティブですね〜」
「これから屋上に来てくれますか?いえ、来てもいますよ!!」
「はい?」
「それでは〜〜〜」
「いってら〜」
「ちょ太助、助けろ〜〜〜!!」
「太助だけに〜〜〜」
なんでこんな急展開なの?
ーー屋上の隅っこーー
「それで?いい加減に手を話してくれないか?」
「ああ!ごめんなさい。その右手は平等院くんとのちょめちょめのときに使うものなのに!」
「全くこいつはあれから何も変わらんな・・・。じゃあ俺はこれで昼飯食べたいし」
「待ってください!ごめんなさい!」
「わかったわかった、そんな大きな声出さないでよ。安心してよ。君の趣味のことは誰にも言わないから。
どうせその確認だろ?」
「そうじゃないです!また〆切が迫ってて手伝ってほしいんです」
「ちょっと!なんで今回に限ってそういうこと言ってくんの?これまでだってそういう窮地はあったでしょ?」
「だって、いつも何かしら、先輩や妹さんに振り回されてたじゃにですか」
「よ、よく見てたね」
「そりゃ、私の趣味を知っていて、平等院くんといつ公然の仲良しになるか気になってたし」
「そんな期待とかしないでね」
森山翔子。彼女はいわゆる同人誌作家だ。日直が一緒になった日。事件は起きた。
「日直は好きじゃないんだよな〜」
早朝から教室のあれこれしなきゃならないし。軽く掃除もしないといけないし。
「めんどい・・・」
「ひい!」
バサバサっと何かが落ちる音と少しの悲鳴。
教室のドアに背を向けて誰かいた。
「あ、お、おはようございます。は、早いですね」
「お前、誰だっけ?」
「ええ?クラスメイトのこと覚えてないんですか?」
「あのなあ、入学式が終わって、5日目に全員の名前を覚えてるやつがいるかね?」
「私は覚えてますよ。木村大吾さん」
「うわ、キモ、マジに覚えてるよキモ!」
「ひどいです!ちっちゃいくせに!」
「ちっちゃいって悪口だろ!」
「キモイも悪口ですよ!」
「あ、ああそうだな、悪かったよ。それにしてもこれなんだ?・・・あこれ!」
「み、見ましたね・・・私の秘密を・・・」
「グア!いきなり貞子みたいになるな!何なんだお前!」
「え?ただの腐女子ですけど何か?」
「開き直った〜」
「私の秘密を知ったからにはあなたの恥ずかしい姿を写真に収めてネットで流してあげます!」
「おいおいオイ!腐女子知られたくらいでそこまでやるか?誰にも言わねえから暴走すんな」
ダースベーダーみたいな呼吸をしてこちらにジリジリ近づいてくる・・・。どうする・・・どうする・・・。
なんとかしないと・・・。
「じゃあ俺の秘密を教えてやるよ」
「え?」
「それで秘密の共有でどうだ?」
「私の秘密と同等のものを持ってるんですか?」
「それはわからんが、俺は妹萌えだ。これでどうだ?」
「・・・・」
「なんだよ、結構恥ずかしいことだぞ」
「リアルシスコン!!好物です!!」
「じゃあそういうことでいいよな、腐女子さんよ」
「それ名前じゃない!」
「だってお前の名前知らないし」
「森山翔子」
「森山翔子ね」
「いきなり呼び捨てですか?」
「復唱しただけだろ!?細いな」
「い、いえ、男子に呼び捨てにされるの・・・気持ちいいかも?新境地ね、私にこんな趣味があったなんて」
「へ?・・・こ、こいつ・・・やっぱキモイ」
とまあこんな感じで、秘密を共有したわけだが・・・。
ーー屋上に戻って・・・ーー
「とにかく新年のコミケに間に合わせないといけないんです。だから手伝ってください。じゃないと
シスコンのことネットに広めますよ!」
「あ、きたねえこと考えんな!」
「じゃあ手伝ってくれますか?」
「脅迫的に頼むんじゃねえ!」
こいつは、こういうやつだ。
また厄介ごとに巻き込まれたか・・・。
新キャラ登場です。
いかがでしょうか。
ちょっとその世界に興味あります。
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