らぶトモ 第66話 【肘より肩に乗るよ】
太助の経営するリゾートから帰ってきて冬休みも最終日。
1月7日は恒例の食べ物を食す時だ。
毎年の恒例。最近の世の中はニュースぐらいでしかリアルに食べてる人を聞かなくなった。
だ〜が!!
うちは違う!俺特製の七草粥だ!
ご存知の通り「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」春の七草。
リズムよく言うことで、覚えることは道徳の時間・・今は生活?の授業で習っていたと思う。
自分で作って食べた時の旨さは格別だった。それがきっかけで毎年作っている。
奈々も喜んで食べてくれていたから続けていた。
「ふああ、お兄ちゃんおはよう〜。ふにゅう」
「だらしないな奈々。もう学校始まるんだから、シャキッとしろよ」
「だ〜って〜。もう冬休み終わっちゃったよ〜。今日からまた学校だよ〜。お兄ちゃんと2人きだったのに〜」
「あのな、さりげなくヒッキーな発言だぞ。もう高校に上がるんだから、中学生最後の三学期を楽しめよ」
「は〜い」
「ほらよ七草粥だ、食べて目を覚ませ」
「わ〜い!これ本当に美味しいよね〜いっただきま〜す。ハムハム、おいひ〜〜」
「お、良かった」
セリ・ナズナ・ホトケノザはそのまま食用草。
ゴギョウはハハコグサ、ハコベラはハコベ、スズナはカブ、スズシロは大根だ。
余談だけど、江戸時代に農民や商人によって広まったって言われたり、僧侶が広めたとも言われてる。
交易が多くなった時代には、料理を自由に変化させることが許されたりした時に割烹の世界の料理人が
お偉いさんに喜んでもらうために・・・とまあ色々諸説ある。
一般的には《今年も家族がみんなが元気で暮らせますように》との願いが込められてて、
いわゆるお袋の味ってやつね。
「お兄ちゃんの作る七草粥って食べた後もたれないよね。すごいな〜」
「そうか?普通に作ってるはずなんだけどな」
「そうなんだ〜。不思議だね。奈々幸せだよお兄ちゃん」
「お、おう」
奈々の瞳が潤んで俺を見てる・・・。
【お兄ちゃん・・・奈々・・・お兄ちゃんのこと・・・】
【ああ〜お兄ちゃん、動かないで〜〜〜】
がああああ!思い出すな思い出すな〜!
しかも都合よくエッチい言葉のつぎはぎしちゃったよ〜!!
部分的に繋げるとけしからん奈々が登場する〜〜〜!!
【お・・に・・・い・・・ちゃ・・・ん・・・】
止まらん!!妹萌えのエッチいのが止まらん!!
「お兄ちゃん今奈々のことエッチいことで妄想してるでしょ?」
「ぐは!!・・・い、いや・・・そんなことないぞ〜」
「ふ〜〜〜ん・・・ジトおおおおおおお」
「あ、あははは、ああ〜今年の七草粥うまいな〜あははは」
「奈々歯磨こうっと。ごちそうさま〜」
「おう」
「あ、お兄ちゃん」
「ん?」
リビングに出て行くドアのところで振り返った奈々。
「変態・・・」
バタン
鼻血ぶうううううう!!!
ヘンタイ・・・。言われてもうた〜!!妹から言われてもうた〜!!最悪だ〜〜!
ーー廊下に出た奈々、少しリビングから離れてリビングを見たーー
「お兄ちゃんの・・・あほ」
その言葉と全く合っていない、ちょっと嬉しそうな表情で洗面所へ歯を磨きに行った。
一緒に学校に行くのも2週間ぶりだ。
道を歩くと周りの目が気になる・・・。いつも以上に仲睦まじくなってしまったからか・・・。
というか態度が・・・。
「あ、あの奈々。また俺を大外刈りすることにならないだろうな」
「もう慣れたから大丈夫。上手に歩くよ〜」
「あ、あそう」
あう、歩くたんびにポヨンポヨンと肩に胸が当たるんですけど・・・。朝から気持ちいぞ、イヤイヤ、
困るぞ!
あ、もうお気付きだろうけど、普通女子の胸は肘に・・・だけど、俺、セガい低いから肩なのだ。
とほほのような、他の人よりラッキーというか。たまに乗っかるからな・・・。目立つのやなんだけど・・・。
「おはよう2人とも」
「あ、泉水ちゃん〜久々〜」
「ウプ。:;・@p;:@;lp@(奈々おっぱいを挟むな、苦しい)」
「えへへへ。嬉しいなこのやり取り、安心するよ〜」
「全く今年もこのやり取りが続くのは兄上のみにしてほしいものだ」
「ええ?それは寂しいよ〜」
「そうか?」
「そうだよ〜」
なんだかんだ2人のやり取りは俺にとっても必要なことだ。
奈々が心を許せる友人はとても大事だからな。
ーー始業式終了ーー
始業式終了後は普通に授業だ。
「よ〜しお前ら〜。今日からまたよろしくな〜」
「みっちゃん今年も元気だね」
「ふむ、あの人は不老不死ではないかと時折感じることがある」
「泉水ちゃんネットの住人ぽい言葉増えてきたね」
「そうか?」
「まあいいけど」
「オラそこの2人!うっさいぞ」
「はいごめんなさいみっちゃん」
「だからみっちゃんって先生をあだ名で呼ぶな」
「は〜い」
「「うふふ」」
ーー大吾の教室ーー
「やあ大吾、昨日ぶりだね」
「ああ、ありがとうな太助、楽しかったよ」
「いや〜、大吾にお礼を言われると、照れるな〜、あ〜エクスタシーだよ〜」
「太助体をくねくねするな」
ヒソヒソ
「おい、おい、あいつらなんか去年より仲良くなってねえか?」
「親密度が増してるよね?ホモ?」
「平等院くんはその気があるとは思ってたけど」
おいおいみんな頼むから、俺と太助を暗黒の世界へ誘わないでくれ。
イベントで腐の書本になるのはごめんだ。
ほら〜、クラスの隅の、え?君みたいな子が腐なの?ってやつが、そういうことしてるんだよ。
二ヘラ・・・。
うぐ・・・。ほら、チラッと見たよこっちをさ・・・。
絶対俺と太助が完全に全裸だよ・・・。脱がされてるよ。2秒後にはくんずほぐれつさせられてるよ・・・。
最悪だ・・・。
キンコンカンコン
チャイムが鳴り、生徒たちが席に着く。
ガラッとドアを開けて入ってきたのは、
「よ〜〜〜し、新年だ〜!今年もよろしく〜!」
「マッチョサイエンティスト、このクラスの担任、角田教諭健在だな」
そして学校生活が再開する。
学校生活スタートです。
ちょっと新キャラ出そうです。
続きも是非読んでくださいね。
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