らぶトモ 第62話 【キーズってとこにいるよ】
大雪で飛ばないはずの飛行機が太助の根回しでまさかのフライト成功。
ただでリゾートに連れて来てくれる代わりに太助の経営するホテルのプライペートビーチの売店で
働くことにした俺と奈々。
場所はアメリカの最南端と言ってもいいところ。キーウエストというところ。
フロリダの自然豊かな場所に連れてこられた。
43個の島々を結ぶ国道位一号線には、TVで車のCMとかで見たことあった海の上に長いハイウエイが続いて
いるセブンマイルブリッジを通るのが有名なところだ。
「は〜い大吾〜お疲れ様〜。よくあれだけの人数のお客様をこなしましたね〜。素晴らしい〜」
「はあ、はあ、な、なんか知らんがよくもまあ来たもんだなお客」
「ふいいい、太助さんに雇ってもらってる人、いつもこんなに繁盛してるとこで働いてるの?すごいよ〜」
「はははは〜。奈々ちゃん〜。今回は奈々ちゃんが接客してくれたからですよ〜。やっぱり私の目に狂いは
なかったですね〜」
「そんなことないよ〜。お兄ちゃんの海老マヨ焼きそばが美味しいからだよ〜」
「まさかあんなに注文されるとは思わなかった。ほれ、奈々の分だぞ」
「やった〜。お兄ちゃん!やっぱり愛してる〜〜いっただっきま〜す。ハムハム」
「じゃあ大吾、休憩したらこの島の人気のビーチに行きましょう」
「よかった〜。やっとリゾート気分味わえるな」
「YES!頑張ってくれましたからね〜」
奈々が食べ終わるのを待って、太助に連れて来てもらったのは、バヒーア・ホンダ・ビーチ。
砂がサラサラのビーチで地元の人に人気があるらしく日本人はほとんどいない。
「綺麗だね〜」
「ああ、日本人がいないっていうのも異国にいる感じがしていいな」
「でしょ〜。ここはバーベキューコンロも置いてあって、一言言えば使っていいから、バーベキューも
手軽にできますよ〜」
「いいね〜」
「お兄ちゃんが作ってくれたら、いっぱい食べ過ぎちゃうよ」
「ではそろそろホテルに戻りましょう〜」
帰って来たときに太助の経営するホテルの外見は、ビル型のホテルで、受付でチョックインして部屋へ向かい
紹介された部屋は、入ってすぐに広々としたリビングルームがあって、ビル型なのにすごく陽が差し込んでる。
「お兄ちゃんこの部屋広くて素敵だね〜。家とは全然日差しの入り方違うよ〜」
「確かに。スッゲーなここ」
「気に入ってもらえたら嬉しいですね〜」
「あ〜隣の部屋もすごい!壁が全部窓だよ〜!海が見える〜」
「オーシャンビューだな」
「フワ〜〜〜、隣の部屋にベッド〜、大きい広い〜キングだよキング〜」
「こりゃゴロゴロしても大丈夫だな」
「お、お兄ちゃん、子、これ見て」
「ん?」
「壁に穴空いてるからのぞいたら・・・ジャグジーだよ」
「おおこりゃ気持ち良さそうだ」
「でも・・・これ・・ベッドから丸見えだよ〜恥ずかしいよ〜」
「ほんとだ。おい太助」
「外国なので〜みんなあんまり気にしないですよ〜」
「そうじゃない!俺ら兄妹なの!」
「兄妹なら別に見てもいいんじゃないの?」
「お前〜謀ったな?」
「何のことやら〜」
「てめ〜」
「あ、お兄ちゃんユニットバスがあるよ、よかった〜」
「なんだそうなのか。太助早く言え!」
「のほほほほ〜」
「いかがでしたか?」
「ああ、十分な部屋だサンキュウ」
「太助さんありがとう」
「いえいえ、じゃあ夕飯まで自由行動ということで。あ、そうそう、2人に着替えを用意したので着替えてから
夕飯に来てね。場所はホテルの5階ですよ〜ではではごゆっくり〜」
そういって太助は外へ出て言った。
「お兄ちゃんよかったね楽しいお正月だよ」
「そうだな。こんなところに俺たちだけじゃまず来れないよな」
「太助さんに感謝だね」
「そうだな。癪だけど太助に感謝を1mmくらいはしてやるか」
「少ないね」
「あはは十分だろ」
夕飯の時間になりホテルマンが持って来てくれた着替えは、俺は襟の立つポロシャツ、しかもフェラーリの
マークついてる・・・すご!パンツははき心地の良いスラックスでサイズもぴったりだ。
「お兄ちゃん着替えたよ」
「おお良いなあ」
「えへへ」
ちょっと大胆だけど今日はいいよな。
蝶を思わせる刺繍のレースが胸から腰あたりまでされていて、オフショルダーのミニドレスで大人っぽさを
演出している。
そのレースの詩集にはキラキラするガラスみたいなのが散りばめられてて光の当たり方で反射する。
くるっとまわって見せてくれた背中は、シンプルなバックスタイル。フロントの刺繍のレースがオフショルダー
の背中側まで続いていた。
「すごく大人っぽく見えるぞ奈々」
「えへへ。こんな感じ?」
「う、うわ〜そのポーズはやめろ〜」
奈々が前屈みになり、ベッドに両手をついて二の腕で胸を挟み込み、谷間が盛り上がり溢れそうだ。
「そ、それ以上したら飛び出しちゃうぞ!」
「何が?」
「胸が!!」
「大丈夫〜!ブラもしてるから出るわけないじゃん。お兄ちゃんえっちだな〜」
「お、お前な〜」
「にしししし」
「あ、ワザとだな」
「知らな〜い」
全くもって可愛いぞ!けしからんぞ!たまらんぞ!
部屋から出た時自然と奈々が昔のようにくっついてきた。俺は背が低いから腕が上がってしまうのだが、
腕を絡めてくる。
大きくなっても昔の甘えん坊の奈々だ。すごく安心する。
「いらっしゃいませ」
「うわ〜広い〜」
「すげ〜な」
食堂はビュフェタイプになっていてみんな楽しそうに食事している。
様々なジュース類、酒類、洋食、和食、中華、タイ、インド・・・様々な国のニーズに応えている。
「おう大吾〜きてくれましたね。わお、2人ともお似合いですよ」
「ありがとうございます太助さん素敵なドレスですね」
「喜んでくれて嬉しいですね〜」
「大吾もなかなか決まってますよ〜」
「そうか?お前はすげ〜カッコいいタキシードだな。この場所だと浮いてるぞ」
「まあここではね〜。さ、夕飯にしましょう〜」
「やった〜食べ放題だ〜」
「NOですよ、奈々ちゃん」
「え?」
「MEたちは向こうの奥ですよ〜」
「太助様、大吾様、奈々様、お待たせいたしました準備が整っておりますのでこちらへ」
執事の二条城さんが先導してくれてビュッフェの部屋の一番奥にVIPと書かれたドアを開けて奥へ通された。
そこはカウンター式の鉄板焼き屋の作りみたいになっていて、カウンターでシェフが待っていた。
「どうぞお座りください」
「お、お兄ちゃん奈々こういうとこ初めてだから緊張するよ」
「俺も初めてだから一緒だぞ」
「2人とも緊張しなくて平気ですよ〜。私たちだけですから〜」
「そ、そうなのか・・・」
「余計緊張するよ〜」
「のほほほ〜まあ徐々に慣れていきますよ」
「じゃあシェフ、プリーズごはんです〜」
「かしこまりました」
太助は本当に英語喋れるのか疑問になるしっちゃかめっちゃかな言葉遣いでシェフに指示を出した。
「アメリカ最高級のロースをミディアムに焼き、特製のタレで召し上がっていただきます」
肉を焼いているシェフがさっと手早いテクニックで仕上げにフランベをして俺たちに取り分けてくれた。
「ハムハム。おいひいね〜」
「うんこりゃ絶品だな」
「デリシャスですね〜。肉汁が噛むほどに出てきてすっと口の中で蕩けます。シェフいい仕事してますね」
「恐れ入ります。次はオマールエビを使った構想フランベを召し上がっていただきます」
「お兄ちゃんあんなにおっきいエビだよ。海老マヨにしたらすごく美味しいよ」
「おいおい、オマールエビを海老マヨにするのはまた今度な」
「残念」
「あはは奈々ちゃんは海老マヨ大好物ですもんね」
「はい。でもお兄ちゃんの作ったやつじゃないとダメです」
「ほほう、それは興味深いですね」
「あ、いえすみません。そういう意味じゃ」
「あははわかっていますよお嬢さん」
「ふにゅううう」
「あははは」
奈々のおかげで場が和み、楽しく食事ができた。
仔羊のロースト、ハッセルバックポテト、鶏のグリルハーブ仕立て、フォアグラ、ボイルズワイガニ、魚介の
カンパニョーラ、フレッシュフルーツなどなど
お腹いっぱいに料理を楽しませてもらった。
「ごちそうさまでした」
「本当に美味しかったです」
「またのお越しをお待ちしていますよ」
「じゃあ大吾奈々ちゃん、また明日〜。明日の夜の便で出発ですよ〜」
「ああ、ありがとうな太助」
「はいまた明日お休みなさい」
俺たちは部屋に戻った。
マジにうまかったな。一仕事終えてからだったからめちゃ腹減ってたし。
奈々も満足そうだ。
俺はそのあとのことを全く気にしていなかった・・・。抜かった〜!
リゾート編いかがですか?
またぜひ読んでくださいませ
続きはリゾート夜の話になります。
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