らぶトモ 第59話 【おみくじ引くよ】
今年は世間で話題になった小江戸川越の喜多院に来た。
ここはご存知の方もいると思うがおさらいで。
江戸時代の徳川家光が贔屓にした土地。
諸説ありますが奈良時代に創建というのが有力だそうだ。江戸時代には日本で7番目の大師を
天皇から賜った天海大僧正その人が再建を進言したと言われている。
「そうなんですね。桜庭さん詳しいですね」
「厄除け・厄払い、商売繁盛、学業成就、家内安全が良いと言われています」
「MEには商売繁盛がいいですね〜」
「奈々には・・・(縁結び・・ないのかな・・ごにょごにょ)」
「奈々には学業成就だな」
「ええ〜!もう高校生になれるんだからいいの〜」
「お、お兄さん」
「ん?」
「私は何がいいですか?」
顔を紅くして、振袖の袖を持ってもじもじするペルシャ。なんという可愛らしさ。
奈々とペルシャ・・・2人とも妹だと幸せ二倍だな。
「そうだな・・・。家内安全かな」
「ええ?あ、安産祈願ですか?そ、そんなま、まだ早いのでは?で、でも、お兄さんがお望みなら・・・」
「ちょ!」
「おいペルシャ、それは聞き間違いだ。それにお前はまだ15だろう?16までは法律的に無理だ」
「あ、そうですね」
「論点がずれちゃったよ!」
全員で一礼二拍手。
「あ、お兄ちゃん。くじ引きしよう〜!」
「おおいいな」
「私はおみくじ日本で初めて引きます」
「ペルシャちゃんは去年から初めてが続いて楽しいですね」
「はい、ウキウキが止まりません」
「じゃあペルシャちゃんはじめに引いて、はいおみくじ箱。シャカシャカしてからひっくり返してみて」
「は、はい、緊張します」
「ペルシャ、しっかり持って落とさないようにな」
「はい泉水さん・・・こうですかね」
「ね大吾」
「ん?」
「今のペルシャちゃん見てると、小型犬が餌を頂戴してるみたいですね〜」
「ふぬぬぬぬ、なかなかでません〜」
「ペルシャ、そんなに振ったら余計でてこんぞ」
必死になっておみくじを振っているペルシャ。両手でやってるから確かに犬とか猫とかの
前足の頂戴頂戴をしてるみたいだ・・・。は、鼻血出そうなくらい可愛いぞ。
「あ、出た〜」
「なんだった〜?どれどれ?」
「緊張します。どうでしたか?私はどんなものを引きましたか?」
「パンパカパ~ン。ペルシャちゃんは末吉です〜」
「末吉?それはいいのですか?」
「ああ。末吉はこれからより良くなっていくという暗示と言われている。臆することはないぞ」
「そうなんですね、よかった〜」
「じゃあ次は奈々〜。えい!吉だ〜、ギリギリセーフだよ〜」
「では我だ・・・どれ?ふむ、大吉だ」
「おおまじか?じゃあ俺な。よ!ええ?凶?嘘だろ?」
「あはははお兄ちゃんある意味あたりだね〜」
「こいつ〜」
奈々のほっぺをつねってやった。でも奈々は逃げずにされるがままだった。しかもちょっと嬉しそうだし。
「では次は私が・・・。中吉です」
「それではラストは、私太助が〜!てい!!おお!やりました末吉です」
「太助に負けた〜〜〜〜!」
「大吾〜今年はMEの方がいいことありそうですね〜」
「ふん!こんなおみくじは、しめ縄に結んでおけばなかったことになる!!」
「しめ縄って?」
「ふむ、あまり気に入らなければしめ縄におみくじを縛って、天に返す儀式みたいなものだ」
「ふ〜ん。私は持っておいて平気ですか?」
「ああ。せっかく初めて引いたんだ。記念に持っておくといい」
「はい。お父さんと透子さんに見せますね」
その後、川越を観光して回った。
お正月だけどお店も結構やっていた。
名物の焼きそばや幸福だんご、大学芋。
後、駄菓子の横丁で、大黒柱をイメージしたすっごく長い麩菓子を買った。
これは話のネタになるやつだった。
そして帰りの泉水ちゃん家の車の中。
「ふむ。奈々ペルシャ2人とも寝てしまったか」
「着慣れない振袖も疲れたのでしょう」
「泉水ちゃん俺からもお礼を言うよ。ありがとう」
「ふむ。こういうのもいいものだな」
「山縣泉水女史は素敵なことしますね〜」
「き、貴様に言われると・・・キモい」
「な!!」
車内は最後まで明るく楽しい詣だった。
一番は、奈々の振袖が綺麗だったことかな。
いかがでしたか?
ほんわかストーリーが好きです。
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