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〜らぶ トモ〜 LOVE TOMORROW  作者: にのみやみのに
学園生活編
57/139

らぶトモ 第54話 【お話し中だよ】

俺はペルシャに頼んで、奈々に連絡をしてもらった。

買い物から出てきたので心配させないようにだ。

ロバートさんも透子さんも理解してくれているので、忙しいお店の時間だったが、いさせてもらうことになった。

ただ隣にいるのも何気にきつくなってきたので、ロバートさんに話して、またカウンターに入れさせてもらった。

そのときに、俺の好きな珈琲を入れて、透子さんに渡す。


「この珈琲、俺が好きなやつなんで、よかったら飲みませんか?」

「...」


無言だけど、そのまま、側から離れて接客を始めた。

お店はやや混んだので、 4人でなら余裕だった。そのあと少しお店は落ち着きを取り戻した時、ドアが開いた。


「こんにちは」

「あ、奈々さん」

「ククク、よくぞマルシェへ来たな。貴様が来ることは預言されておったのだ。さ、こちらの席に座るがよい」

「はい。ありがとうございます。それで、さくらさんどうしちゃったの?」

「ククク、そのことだが、彼女がまだ冥界から戻らぬ。少し時間がかかるやもしれん」

「いったいどうしちゃったのかな」

「奈々ちゃんも心配して来てくれたんだね」

「ロバートさんも心配ですよね」

「もちろんさ。ペルシャの次にみんなが心配だよ」

「ロバートさんらしいね」

「ククク、我も皆のことは気にかけておるぞ」

「僕の方が、みんなを気にしてるよ」

「ククク、オーナーよりは我の方が心配性だ」

「なんだって?僕の方が心配性さ。現役軍人の時は皆が心配で後方支援なのに前線に痛んだよ」

「ククク、我などは」

「ペルシャちゃんほっとこうか」

「はい・・・すみませんお恥ずかしい・・・」


ーー閑話休題ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よっと。とりあえずお客さんも履けたし、休憩だ」

「・・・・あ、あの」

「ん?なんですか?」

「・・・・あ、ありがとうございました。珈琲美味しかったです」

「それは何より」


 ついに桜庭さんが話をしてくれた。

 涙も落ち着いてる。よかった。


「それで、今日はどうしたんですか?」

「実は・・・」


 桜庭さんの話だと、泉水ちゃんが選んだカーテンを設置してる時に、台から落ちてしまったそうだ。

 そのときとっさに掴んだカーテンと泉水ちゃんが大事にしていた物を壊してしまったそうだ。


「でも、泉水ちゃんなら《ふむ。さくらが怪我をしなくて何よりだ》とか言いそうじゃない?

 いくら大切なものが壊れても、桜庭さんが無事だったことを優先しそうだけど」

「はい。普段の泉水様なら・・・」

「じゃあ普段とは違うっていうのは、泉水ちゃんが呵責したってことだよね」

「はい。それは私がいけないのです。叱られて当然なんです」

「いったいどんな物を壊してしまったんですか?」

「それは・・・」


 ちらっとみんなの方を見たような桜庭さん・・・。


「すみません、それは言えません。でも、泉水様にとってとても大切な物だったんです」

「それって復元はできないの?」

「世界に一枚だけなんです」

「そうだったんだ。でもさ、ちゃんと謝って許してもらおうよ」

「私もそうしたいのはやまやまなのですが・・・。そうもいかず・・・」

「どうして?」

「私は、主人に対して反論してしまったのです」

「アッチャー・・・。逆ギレか〜」

「はい。でもどうしても、泉水様にわかってほしかったんです」

「そっか。泉水ちゃんを思っての反論だったんでしょ?」

「はい。私は泉水様が世界で一番大切です。家族も大切ですが、それ以上の大切さ、愛おしさを感じています。

 ですが出すぎたマネをしてしまいました。いくら私が泉水様を大切に思っていても、所詮は雇い主と雇われ。

 気持ちに差異があって当然です。

 なの・・・に・・・私は・・・わた・・・しは・・・泉水・・・さまに・・・う、う、う」

「桜庭さんは、泉水ちゃんのことを想ってる。それは泉水ちゃんにもわかってる。

 ねえ桜庭さん」

「はい」

「泉水ちゃんに想いを伝えてみない?」

「でも・・・今更」

「もしかして、桜庭さんは泉水ちゃんが本当に雇い主と雇われの関係だけしか、桜庭さんと接していたと思うの?」

「いいえ。私は他の侍女よりも気にかけていただいてると感じます。でも私は特別扱いを受けたことはありません」

「まあそりゃそうだよ。泉水ちゃんは優しいけど、きちんとけじめをつけられる娘だよ。

 今回俺は、泉水ちゃんは桜庭さんに気を許していたから、感情的になったんだと思う。

 しかも、心を許している桜庭さんに図星を指摘を受けたような言葉を聞かされてしまったから、

 恥ずかしくて感情的になってしまったんだよきっとね」

「あ・・・・」


【さくらに何がわかる!言われなくてもそんなことはわかっている!!だが私は今のままがいい!!

 みんなが笑顔で、幸せで・・・。そんな関係がずっと続けば私はそれでいいんだ!!】

【そんなの嘘です!!】

【それならなんで、泣いてるんですか?なんで頬を涙が伝ってるんですか?泉水様はご自身の気持ちを

 誤魔化して、本当に笑顔で居られるのですか?それは嘘つきのすることです!!】

【だ、黙れ黙れ!!!もういい!!さくらは今の時点で首だ!!出ていけ!!】

【ええ!こんな分からず屋の主人の側には入られません!!大変お世話になりました!!!】


「私・・・なんて馬鹿なことを・・・」

「なんか思い出してたみたいだけど、正論が全てじゃないってことだし、理解できない、解読できなくて、

 じゃあなんなの?ってのは、お互いの気持ちの強さってこと。

 想いが強ければ強いほど、それは見失ってしまうものだと思う。俺が奈々を大切に想っているのと一緒だよ」


 その後、沈黙が数分続いた。

 そして、


「さくら!!ここか?!!」

「あ、泉水様・・・・」

「良かった。見つかって!!探したぞ!!」

「私を探してくださったのですか?私は解雇されたのに」

「すまんさくら。あれは間違いだ。本当にすまん。この通りだ許してほしい」

「あ、やめてください!!お顔をあげてください!!私に頭を下げないでください。

 私こそ、本当にすみませんでした、許してください。生意気な口をきいて、侍女失格です」


 2人とも頭を下げたまま起き上がらない。


「じゃあ2人ともこういうのはどう?

 今思ってることを、同時に言おうよ」

「「ええ?」」

「せえの!!」


「帰ってきてくれ!さくら!!」「戻りたいで泉水様!!」


 お互いの顔を見合わせる。

 びっくりした2人の顔。


「ぷ・・・あはははは、な〜んだ、心配して損したよ〜!2人とも仲良しさんだ〜」

「ククク、これが人の世の、めんどくさいってやつか?」

「ペルシャ〜お父さんはペルシャのこと大好きだぞ〜!」

「ちょっとお父さんヤメて!!抱きつかないで!!恥ずかしいよ〜。絶対皆さんに笑われてますよ〜」


 周りのリアクション・・・・この人たちは・・・・。と呆れていると。


「さくら、これからもよろしく頼む」

「はい!こちらこそ!!」


 泉水ちゃんから差し伸べられた手を、両手で包み込むように握る桜庭さん・・・。

 仲良しの2人に戻れて良かった。


 ま、根本になってる言い合った原因は、不明だけど・・・。


ーー泉水とさくら車の中でーー


「泉水様、今度はペアの写真を撮りましょうね」

「そうだな。堂々とな」

「それで、いつか・・・お兄ちゃんって、呼べるといいですね」

「は、恥ずかしいこと言うな!」

「うふふふふ」


ーーマルシェーー


 ハックション・・・とくしゃみを店の誰かがしたのだった。


最後まで読んでくださってありがとうございます。

まだまだ続きます。


これからも是非読んでくださいね。


ブクマ、評価是非お願いします。


良い連休を過ごしてくださいね。

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