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〜らぶ トモ〜 LOVE TOMORROW  作者: にのみやみのに
学園生活編
50/139

らぶトモ 第46話 【マルシェに行ったよ】

喫茶店好きなんです

 さて、授業も終わったし、晩御飯の買い出しに行くか。


「おう大吾〜。今日も静が出ますね」

「精もなにも、当たり前のことだからな」

「仕事ではなく、当たり前・・・。素敵なお兄様ですね〜。大吾に私の執事&秘書を依頼させていただきますよ〜」

「なんだそれは?俺が将来どこにも就職できないみたいじゃないか」

「なんと!私との仕事をブラック的に感じるとは!!有能なお兄様に見合った報酬を用意しますよ〜」

「お兄様いうな!!ま、本当に就職できなかった時に頼むは。じゃあな」

「は〜いではまた明日・・・。結構本気なのですがね」


 俺はいつもの商店街に来て、スーパー、個人商店の各種見てまわる。


「おばちゃん、今日は豚バラ200gね」

「はいよ。大ちゃん今日はなにするの?」

「豚バラボール。うるち米と野菜を巻いて甘辛く味付けするやつ。あ、ついでに牛も100gね」

「相変わらず凝ってるね。それでよく奈々ちゃん太らないね。美味しくって食べ過ぎちまうだろうに。

 はいよ、豚バラ200g、牛100gお待ちどう」

「サンキュウおばちゃん。じゃあまたね」

「ありがとう」


 小さい頃からこの商店街は庭なようなものだ。

 忙しい両親の代わりに奈々の世話を焼いていたことは、買い物先のおばちゃんたちは事情を知っていて、

 優しく接してくれていた。そんなおばちゃんたちに、奈々の笑顔。俺はそれだけで幸せだった。


 ん?

 ここ・・・。初めて見る店だ。

【マルシェ】シャレてるな。時間は・・・。うん、ちょっとくらいイイよな。

 ドアは軽めで、貴族のベル呼び出しみたいなのが、ドアについて気持ちいい音色が店内に響く。

 その内装は、ベルの音にふさわしくイギリス王朝を思わせる作りだった。

 壁紙に細かい花。床はモダンな色調と石畳のようなデザイン。カウンターは背もたれは無いが、腰のところは少し

 寄りかかれるようになっている。荷物も入るようにカウンター下は斜めに深くなっている。

 サイフォンが置かれ、本物の珈琲を淹れてくれるのは目に見てわかる。

 お客さんも年齢の高めな人たちが数名いた。この雰囲気最高だ。

 そして、そこに立っているのは、

 いかにもな、イケメンのおじさまと、可愛いウエイトレス。それに、


「あ」

「いらっしゃいませ。こちらカウンターへどうぞ」

「お客様は初めてですね。ようこそ、マルシェへ。私はここのオーナーのロバート・冴島・フォートランドです」

「ようこそ青少年。私はオルタナティブから召喚されてきた、闇の眷属東田透子ひがしだとおこだ。

 ククク、存分に寛ぐがいい」

「これ透子くん、それはやめてって言ってるだろ?失礼しました。この子アニメゲームが大好きでして」

「いえいえ全然ありですよ。それよりその」

「ああ、ご紹介遅れました。この子は私の娘の、ペルシャ。さ、ご挨拶して」

「あ、あの、初めまして、ペルシャ・冴島・フォートランドです。あのその声はあの時の?」

「やっぱり。ショッピングモールで会った子か。まさかここの娘さんとは思わなかったよ」

「あの時は本当にありがとうございました」


「すみません〜注文いいですか?」

「あ、は〜い!オーナー私行ってきますね」

「ああ、すまないね。

 そうか、貴方がペルシャを助けてくれた優しいお兄さんか」

「え?そんな、優しいだなんて。当然のことしたまでですよ」

「もうお父さんも、恥ずかしいからそういうことご本人の前で言わないでよ」


 頬を紅くして俯いてしまった。儚げで可愛いな。


「あははすまんすまん。じゃあ私は仕事に戻るよ。あ、貴方のお名前を教えてもらえませんか?」

「俺は木村大吾です」

「大吾くんか。これからよろしくお願いしますね。娘と仲良くしてやってください」

「こちらこそ。あ、俺コーヒー好きなんです。ラテを1つお願いします」

「かしこまりました。ペルシャ、お客様のお相手頼んだぞ」

「もう!お父さん!」

「あはは」

「ご、ごめんなさい」

「いいっていいって。それよりまた会えて嬉しいよ」

「う嬉しい?・・・迷惑かけたのに」

「迷惑なんて思ってないって。だから気にしないでくれ、気になるから」

「はいありがとうございます」

「ここの店最近できたの?」

「はい。1週間前にオープンしました。こっちの国に引っ越してきました」

「そうなんだ。帰国子女か。なんかかっこいいな」

「女の子にかっこいいは褒め言葉じゃ無いですよ〜」

「あははごめんごめん。つい妹みたいに感じちゃって」

「妹?」

「そう。一緒にいたでしょ?」

「ああ。もうひと方の声を聞きました」

「そう。あいつは、俺の妹で木村奈々。14歳だ」

「私と同じ年です」

「そうなんだ。じゃあ今度ここへ連れてくるよ。よかったら仲良くしてやってよ」

「はい。あ、でも・・・」

「ん?」

「私は・・・。こんななので・・・ご迷惑だと思うんです」


 そうか。ペルシャは目が見えないから・・・。

 でも迷惑だ、なんていうは・・・。


「ペルシャ。自分のことを【迷惑な人間】って思ってるの?」

「そ、それは・・・」

「まだ2回しか会ってないのにこんなこと言うのはどうかと思うけど。

 君は、迷惑な人間じゃない。少なくても、俺はペルシャと会えて嬉しいと思ってるよ。

 迷惑どころか、逆に迷惑なことを俺は君に頼もうとしてる」

「え?」

「これからもっと仲良く、それで友達になれたら嬉しいな」

「う・・・」


 あ、言い過ぎたな。それに調子に乗って、握手求めちゃったよ。


「本当に優しいんですね・・・」

「ん?」

「あ、ありがとうございます」


 あ、握手してくれた。


「これからよろしくね、ペルシャ」

「はい、よろしくお願いします。お、お兄さん」

「はい?」



読んでくれてありがとうございます。


新たな【妹】が登場でした。


是非可愛がってください。


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