らぶトモ 第37話 【寝ちゃうぞ】
風が出て来て、窓がガタガタ・・・私もガタガタ
「ではここで失礼する」
「はい、泉水さんまた遊びましょう」
「ああ、またな。兄上」
「奈々を頼むぞ」
「ああ」
泉水ちゃんは意味ありげな瞳で俺を見ていた。
そして、奈々にはいつも通りの顔を見せて帰っていった。
--電車の音が静かに俺と奈々を運ぶ--
「大吾さん今日は有り難うございました」
「え?」
「こんなに楽しかったのはじめてです・・・」
「奈々・・・」
「大吾さん、また連れてってくださいね」
「ああ、もちろん!どこだっていいぞ!」
「ホントですか?じゃあ、ハワイ!」
「奈々が大学生になったら」
「カナダ」
「奈々が社会人になったら」
「もう!大吾さん!結局どこもつれってくれないんじゃないですか〜!」
「あはは、そんなことないって」
「じゃあどうしたらつれってくれますか?」
「ま、2人きりの旅行は緊張するな」
「恋人同士・・・」
「ん?どうした?」
「大吾さん、私を、かの・・じょに・・してくれませんか?」
「奈々・・・」
「今日一緒に遊んでいて、気持ちを確認したんです。わたしいつの間にか・・・大吾さんのことを・・・
ううん、いつの間にかじゃないです。あの日初めて会ったときから・・・
わたしはもう恋に落ちていたんだと思います・・・」
俺は答えられずにいた。
「あ、めい、迷惑ですよね?い、妹のはずなのに・・・あ、あはは」
「いいや」
「大吾さん?」
「こんな気持ち、誰が聞いてもキモいだろうな。倫理的にもキモすぎだ。
傲慢だし周りに認められないと思う。でも認められないからって気持ちを抑えられなくなった。
俺の本当の気持ち、伝えられてないんだ」
「・・・」
「奈々・・・俺はお前が好きだ。妹としてじゃなく、1人の女性として」
「大吾さん・・・う、うううう、うううう」
「奈々!」
「う、嬉しくて・・・凄く嬉しくて・・・・」
「奈々・・・」
「大吾さん・・・」
俺を呼んだ後、力なく倒れる。
「う、ううう・・・あああ・・・大吾さん・・・お願い私を・・・離さないで!・・・ああああ」
「奈々!奈々!」
抱きしめた奈々はまるで糸の切れた人形のように力なく崩れ、俺の胸の中で気を失った・・・。
色々気持ちが交錯しました。
いかがでしたでしょうか?
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