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〜らぶ トモ〜 LOVE TOMORROW  作者: にのみやみのに
学園生活編
35/139

らぶトモ 第33話 【着替えるぞ】

コスプレ会場へ突撃です

 ついにコスプレイベントに突入した俺たち、奈々、山縣さんの3人は、受付へ向かっていた。


「泉水ちゃん、みんなもう着替えて写真とか撮り合ってるよ。コスプレする人も相手の人と

 写真撮ったりするんだね」

「まあ今はFREETIMEだからな。自分自身は1つのコスプレしかできないからな。

 大好きでたくさんあるキャラクターの中から、厳選したものを着るしかないのだ。

 こういう類のものを好きな人にとっては、毎回が苦渋の選択だろう。

 だからこそ、自分の着るコスプレ以外で好きなコスプレを見つけたら、写真を残したくなるというものだ」

「山縣さんやけにコスプレする人の気持ちがわかるな」

「初参加前に、いろいろ知識を得るのも必要だからな。何も知らずに参加すると、それだけで楽しめる要素を

 見落としがちになる。というか、兄上よ、そろそろ呼び方を変えてくれまいか?

 こちらに来るにあたり、親友の兄上には、もっと浸しみを込めて接していただきたいものだ」

「あ、ああわかったよ。泉水ちゃん」

「それで良いのだ」

「これで2人はお友達だね。奈々も前からお兄ちゃんと泉水ちゃんにはもっと仲良くして欲しかったんだ〜」

「そうか。奈々がそう思ってたのなら気軽に話をするようにする」

「うむ。やはり親友の家族と仲良くなるのは嬉しいものだ」


 確かに。自分の友達が、別の友達と仲良くしてくれると嬉しいからな。

 話しながら受付に到着。


「こんなに並んでんの?着替えの場所確保できるかな?」

「並んでる人らも、女子率高いな。会場入ってコスプレしてる人も女子ばっかりだったな」

「まあコスプレは女子で保たれているようなものだ。女子の変身願望は時代と関係ないからな」

「コスプレも市民権得てきた感じあるな。芸能人も結構やってる人いるし」

「人が集まればそれだけ、企業も動く。こんな時代だ、人を集めるのも興味を沸かすのも苦労するのだろう」


 さっきから泉水ちゃんが話す内容、すんごく濃いな。

 奈々にコスプレさせるためだけじゃなく、しっかり知識も習得している。

 泉水ちゃんの将来を考えると、末恐ろしい大人になりそうだ。


「さて受付が終了したので、我らは、戦闘服に着替えに行くとしよう」

「え?泉水ちゃんもやるの?」

「兄上は1人で寂しいやもしれんが、しばし楽しみに待たれよ」

「奈々ね、やっぱり1人だと不安だからお願いしたの」

「ふふ、兄上、私のコスプレを見れし、奈々のも見れる。両手に花だな」

「お兄ちゃんちょっと待っててね」


 2人の背中を見送りながら、顔を見合わせ笑顔で更衣室へ向かう2人を見ていると、

 これからもずっと2人の成長を見てたいと思った。

 妹が2人いるみたいだな。


 更衣室から少し離れた場所では、フードスペースがあり、付き添い、見学の人たちが限定商品などを食べている。


「お兄ちゃん」

「お、きた・・・か・・・」


 食べてたフランクフルトを落としそうになった。

 そこに立っていたのは、【剣と美術のインターネット】という今中高生に大人気の女剣士アニメの主人公の

 コスプレをした奈々だ。

 この物語は、主人公のアスミという少女が、

 インターネットゲームの世界に引き込まれてしまい、現実世界に戻るために魔王を倒しにいくという

 活劇ストーリーだ。


 特に人気なのがその装備の数々。

 防御数値が高いのに、その見た目がとてもセクシー&可愛い。

 奈々がコスプレしている主人公アスミの装備は、

 仮面の代わりになってるティアラ。ガラス細工のティアラは、光の屈折が複雑に彩り、マリーアントワネットの

 宝物庫にあるような作り。

 プロテクトは、チョーカーにハートがついている。そのハートのせいで、ついて胸の谷間に目がいってしまう。

 あ、あの奈々さん・・・。前より大きくなってはございませんか? ドキドキどき・・・・。

 実際の主人公のアスミは小さくはないが大きいわけではない。その知識があるから余計胸が気になる。


 これ本当に防御力あるの?というか、お肌の防御はほぼないと思われます。


 胸を潰さないように作られているビスチェの部分は、しっかり胸を包んで脇肉とか全然見えないから

 よりボリューミーでほっそり見える。

 恥ずかしそうにクルッと回って後ろを見せてくれたのだが、

 ヒップラインのところに大きなリボンがあり、くびれのメリハリを持たせている。


 下半身はタイトスカートのフェイクで、中は短パンになっている。

 腰からのスカートにも見えるマントタイプ。前方跳躍すると、ふわっと持ち上がり、羽が生えているように

 揺れて優雅だ。


「見惚れた・・・」

「えへへへ」


 もうここには、奈々・・・というか1人の女剣士が立っていた。

 すごく似合っていて格好いい。そして綺麗だ。


「2人とも盛り上がっているところで悪いが、私もいるのだがな」

「うわ!泉水ちゃん可愛いな」

「うむそれを聞きたかったのだ」

「ねえ、お兄ちゃん、可愛いよね〜」


 泉水ちゃんが俺に見せてくれたのは、奈々と同じゲームの中のキャラクターの、武器屋の格好だ。

 武器屋なのに、セパレートタイプのかなりエグいレオタード?に見える装備を着ている。

 ぱっと見は、幼児がよく着る女児水着。ご自身の見た目を最大限に発揮している。

 周囲からの視線は、奈々よりも向けられているように見える。


 デザインは水玉で深いブルー。

 首の後ろでリボンをするタイプだ。

 胸にもリボンが施してある。

 腰の部分にフリルが1周りりしてある。

 頭にもリボンのカチューシャをしていて、三箇所のリボンが可愛く見える。

 全くもって武器屋に見えない。

 背負ってるのは、極小さいランドセルようなリュックサック。そこにちっちゃい剣の握る部分がはみ出している。

 会場内は長いものは禁止となっているので、本来は奈々も腰に剣を背負うのだが、ルールは守らねばならない。


「さ、そろそろイベント開幕だ。皆でコスプレイベントの会場まで行こう」

「うん!ねえ、そこまでいったら、3人で写真撮りたいな」

「ああ、カメラ持ってきたから記念に撮ろうな」

「では出陣だ!」


 2人が会場に入れば絶対に目立つぞ!

 イベントでは、撮影会中に、至る所に審査員が巡回している。

 審査基準は、見た目、手作り感、可愛さ、かっこよさなど、男女統一イベントなので、

 評価点は様々らしい。

 

 まずはFREETIMEで撮影会を楽しみながら、

 お昼休憩の合図の時、登録していた名前が貼り出される。まずはここを突破しなければならない。

 お昼休憩終了の合図とともに、最終審査が壇上で行われるのだ。

 

 なので、コスプレする人たちは、いろんなポーズで写真を撮ってもらおうとカメラを持っている人たちに

 猛アピールをするのだ。

 

 俺からしたら、もう今の奈々たちの格好を見れただけで、満足なのだが。

 2人の初めの目的からしたらそれではダメなのだ。

 イベントで好成績を残すことが、今回の目的の1つだ。


 俺にいいところを見せたい。成長した姿を見せたい。

 それだけのために。

 それだけという表現は2人に怒られるな。


 2人に・・・いや奈々にとって、それはとても大切なことなのだ。

 真摯にその思いを受け止めなければならい。


 子供の奈々から、大人の奈々へと変わる1つの階段と位置付けているのだ。

 真剣なことを、バカにしてはいけない。

 本人の立場になって考えなければ、いけない。

 

 今回のことは、兄として、人間として、1人の男として、俺も一緒に成長しなければいけないな。

 




最後まで読んでくださってありがとうございます。


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