らぶトモ 第25話 【先輩に迫られたぞ】
お兄ちゃんが、霧ヶ峰先輩と心内を話してるころ、奈々は・・・。
「なるほど・・・奈々様は本気なのですね。そのお覚悟、このエイジェント小百合、感銘いたしました」
「じゃあ、霧ヶ峰先輩に、お兄ちゃんに近づかないように言ってくれる?」
小百合さんとちょっと分かり合えたかな?
「それは出来ません」
ダメだった。
「どうして?今感銘受けたって言ったじゃない?」
「確かにそういいましたが。私は、霞様に仕える身。どのような理由であれ、逆らう事は出来ません。
ですがお話を聞く事なら出来ます。
そしてそのことでなんらかの助言ができるやもしれません」
「そ、それはいいことなのかな?」
「よいのです。霞様のお気持ちもありますが、ここは、きちんと戦うべきです」
「あ、あれ?この展開は前にもあったよ・・・」
奈々が何やら話してる時、
「う、うわ、急にどうしたんです?霞先輩?やめてください!」
「うふふ、そんなに緊張しなくてもいいのよ。あなたは楽にしてればね。
痛い事するわけじゃないから安心しなさい」
霧ヶ峰先輩が、楽しそうな、はたまた、おもちゃを手にした子供のように、大人の不敵な笑みのような顔で
迫って来た。
「う、うわあ、や、やめ、らめ〜〜〜〜」
天井を突き抜け、空に雄叫び一つ。
「あああああああああああ」
「お兄ちゃん!!」
「霞様!!どうなされましたか?」
奈々とエイジェント小百合さんが勢いよく部屋に入って来た。
「おにいちゃ〜ん!どうしたの?ぴくぴく痙攣してるよ?ちょっと先輩?なにしたんですか?」
「実はこれを・・・」
「え?お弁当?」
「まさか!霞様、手作り弁当を大吾様に食べさせたのですが?」
「はい」
「うく・・・なんという・・・」
驚愕の事実を見せられ、床に力なく崩れるエイジェント小百合さん。
「小百合さん、これってどういうこと?」
「霞様は生まれもっての、味音痴なのです」
説明しよう! 味音痴とは・・・海原雄●に「誰だこんな吸い物を作ったのは?女将!!女将を呼べ!」
や、味●様に「この料理人は、失格だ!!精進せいよ!」と言われちゃう人の事をいのだ。
あ、世代的にわからない人がいるから、簡単に言うと、「砂糖を舐めて甘いと感じるけど、珈琲に入れて溶かすと
これ?甘いの?」と言うように感じてしまう人のことである。
奈々が恐怖を覚えた表情で、
「なんでまたそんな味音痴なのにお兄ちゃんに食べさせたの?」
「おかしいわ・・・味見もちゃんとしたのに・・・はむ・・・ちゃんと美味しいのに・・・」
「と言うように、霞様にとってはとても美味しい料理なのです・・・う、うぷ・・・過去を思い出しました」
「木村君は体調がよくなかったのですね」
「この状況でその反応と態度?・・・酷いよ〜、お兄ちゃんしっかりして〜!」
結局俺は、その日眼を覚ますことがなかった。
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