らぶトモ 第24話 【霧ヶ峰先輩の想いを聞いたぞ】
少し気持ちを伝えるって難しいです。
霧ヶ峰先輩が強引に家庭教師をするということで、俺の部屋にいるわけだけど・・・。
あれから30分・・・数学の公式を教わりながら問題を解く・・・その間に話した言葉は・・・。
「これ・・・やって」
「はい」
「出来ました」
「そ」
先輩が答え合わせした後、
「これ、やり直し」
「はい」
やり直しをして渡す。
「出来ました」
「そ、「次」
「はい」
そして問題を解いてる最中は、床にわざわざ用意した、向き合える足の引くいテーブルの正面に座って
じっとこっちを見てる・・・。
視線感じでやりにくい・・・。
しかも、視線が鋭いまなざしでちくちく痛い・・・。
これじゃあ、全然勉強してる気がしない、というか、家庭教師らしいことされてないのだが・・・。
勉強の時間は終わりだよ。と、数回繰り返す声がどこからか聞こえた。
俺はどこからだ?と部屋をキョロキョロしてると、
先輩がゴスロリっぽい西洋風の衣装の腰辺りから時計を取り出した。
金色のすごい高そうな時計だ。
「はい、ではここまでにしましょう」
「有り難うございました・・・」
「ぎろり」
「ひいい!声でぎろりってやめて!」
「なにをおびえているの?」
「怯えさせたの先輩なんだけど」
「そ」
「あ、じゃあ、俺はこれで・・・」
ドアを開けようとした時
「お待ちなさい」
「はい?」
「・・・澪と何があったのですか?」
「え、その・・」
「澪は小学校のときからの親友です・・・あの子の性格は把握しています。人に簡単に心を許すことのない彼女が、
明るくあなたの事を話す姿は、あなたとの間に何かあったのですね?どうなんです?」
いきなりたくさん話してくれたと思ったら、澪さんの親友だったとは・・
確かに何も無かった訳じゃないけど・・・。話も長くなるし・・・
でも説明しないと納得しないだろうし・・・
天空寺先輩とのことを話した。先輩は黙って聞いていた。
「それで、話てて思ったんですけど、謝ります」
「なぜ謝るのです?」
「すべては俺が悪いんです!
そうですよね?確かに親友が激変すれば心配しますよね?
だから先輩は俺の家庭教師をすることで、話をする時間を作ったんですよね?」
「怒っているわけでも心配しているわけでもありません。ただ澪を変えた男子に興味が出たのです。
前にも言いましたが、借りがあるのは事実。
それに、澪が心を許した者がブービー賞では澪が可哀想です」
「ごもっとも・・・」
結局、先輩は天空寺先輩のために家庭教師をやろうと思いついたのね。
天空寺先輩のことを大切に思っているんだと感じる。
友人のために一生懸命になれる霧ヶ峰先輩は、見た目からはわからないけど、
俺はそう感じた。
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