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〜らぶ トモ〜 LOVE TOMORROW  作者: にのみやみのに
学園生活編
21/139

らぶトモ 第19話 【諦めないぞ】

 天空寺先輩の訪問から数日後の週末。俺は逃げようと思ったけど天空寺家の謎の黒服の人たちにしっかり捕まり、

 対決の場へ輸送されていた。

 

 天空寺先輩が言っていた【天空寺式一本勝負】とは、


「ん?勝負の内容か?それは、天空寺式障害物競走だ」

「「障害物競走?」」

「そうだ。ふふだが侮るなよ。ただの障害物競走ではないぞ。これは代々受け継がれてきた、天空寺家に生まれた者

 全ての人間が試練として行なっている由緒正しいものだ」

「由緒正しいのに、障害物競走と聞くと、なんて陳腐な響・・・」

「奈々もそう思う」

「いいか?未来の妹よ!この障害物競争で負けたら大吾は私の婿になるのだ、わかったか?」

「いいよ!負けたら何も言わないよ」

「いや、だから俺の気持ちはどうなるわけ?」

「お兄ちゃん、大丈夫。奈々がお兄ちゃんを守るからね」

「何をもって大丈夫なのかわからんのだがね」

「おい大吾。大人しく待っていてくれ。私はこの勝負で勝って、お前のことを生涯愛すことを誓うぞ。よき妻に

 なるために、お前の趣味にも付き合うつもりだ」

「え?」

「お兄ちゃん、騙されちゃダメだよ!ああ言う女の人ほど、手に入れたらポイッて捨てちゃうんだから」

「未来の妹よ!それは言い過ぎではないか?」

「だから未来の妹って言わないでよ!!」


「「むむむむ」」


 全く話が進まない。


「あ〜わかりましたから。天空寺先輩も奈々も落ち着いて。じゃあ今度の週末に勝負ってどうですか?

 天空寺先輩の形式だから奈々が不利にならないように、障害物競走のレパトリーは教えてくださいね。

 流石に無茶すぎる障害物とかだと、意味ない勝負になりますから」

「ああ承知した。コースと今回の勝負の詳細は後ほど使いのものに届けさせよう。では皆のもの退散するぞ」


 天空寺先輩の一言で、素早く立ち去っていく先輩のお付きの人たち。統率の取れた組織だな。

 玄関で先輩を送ったとき、


「大吾、こちらへ」

「はいなんですか?」


 ちゅ♪


「ほえええ!」

「ああああああああああああああ」

「では、また学校で。あ〜ははははは」

「や、やられた〜〜〜!もう!お兄ちゃんいつまで鼻の下伸ばしてるの?」

「いやいや伸ばしてませんて」

「ほっぺにキスされた悪来でそんな顔してたら、奈々助けてあげないから!!」

「わかったわかった、奈々」

「え?」


 俺は奈々の頭に、喧嘩してから久しぶりに手を乗せた。


「ふにゃああ」

「奈々。頼んだぞ」

「お兄ちゃん・・・ずるいよ」


 奈々可愛いな。ハニカミながら顔を真っ赤にして俯いちゃったよ。

 お兄ちゃんやってて至福の瞬間だね。


「お兄ちゃん!奈々絶対に諦めないから!お兄ちゃんを絶対守るから!」


 そして奈々は、次の日の夜から修行に出るから!と言って、友達の家に泊り込みをすると言うのだ。

 と言うことは、俺と先輩の事情を少なからず話しちゃったってことだよね。

 ものすごく小っ恥ずかしい〜!!

 ベッドでゴロゴロ悶えてしまいました。


 泊り込みをすると言っても、学校を休むことはなかった。

 2人とも、学校では顔を見せてくれたし、クラスのみんなの視線が以前とは大きく変わったのだ。

 それはやっぱり、


「おい、大吾。昼を一緒にするぞ、早く来い!」

「お兄ちゃん!奈々と一緒にご飯食べよう!」


 週末毎日2人が昼飯を誘いにくるのだ。

 これまで太助ぐらいしか友達がいないと思われていた俺からしたら、クラスのみんなにして見れば、

 今ここで高校デビューをした男子に見えなくもない。

 一体どこで天空寺先輩と知り合ったのかなどの憶測が飛び交いまくった。


「大吾〜。今週一体何があったんですか〜?」

「太助か。まあお前には少し話してもいいか」


 詳細は隠して、天空寺先輩との出会いは話してもいいかと思った。

 そのあとのおんぶの件は、話さなかった。どうせ太助のことだ。保健室の先生に裏を取りにいくとかしそうだしな。


「なるほどね〜。これまでは奈々ちゃんだけが、大吾大吾って懐いてたけども、

 他人様が、しかもあの天空寺澪先輩ですからね〜。

 クラスのみんなが不思議がるのはわかりますね〜」

「俺だって、こんな展開になるなんて思ってないって」

「それにしても、天空寺先輩は大吾のどこが気に入ったのでしょうね〜」

「おい!俺にだってそれなりにいいところはあると思うぞ。俺も気づかないなにかがな。

 それを先輩が見出したんだよ」

「大吾・・・・」

「なんだよ」

「ウンウン、見栄をはりたいですよね。わかりますよ・・・うう・・・哀れな」

「同情すんじゃね〜!」


 そうして、週末がやってくるのだった。



いつもありがとうございます。


是非ブクマ、評価の方、ポッチっとお願いいたします。


ではまた次回も読んでくださいませ。

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