らぶトモ 第18話 【取り合いするぞ】
ぶっ飛びキャラって大好きです。
【大吾、私の名前は、天空寺澪。澪と呼んでいいぞ。二年E組だ、覚えろよ】
なんかすごい人と知り合いになってしまった。
天空寺家は、俺たちが住んでいる街の西にある大きな敷地面積を所有しているすっごいお金持ちだ。
そのこと自体は、よくいう大地主とかなので、表立って目立つ行動はしていない。
でも別の分野で才能ある家系でもある。
それは、天空寺式格闘術というのがあり、日本の格闘技の1つでもあるのだ。
天空寺式格闘術を銘打ってのイベント事は全然やってないけど、ここ日本では天空寺式格闘術を
学んでいる人は多い。
世界大会の空手の金メダリストは、天空寺式格闘術のお弟子さんだったとかよく耳にする。
そんなすごい家系の娘さんとお知り合いになれるなんて奇跡的なことだ。
学校生活にも楽しみが増えると思う。
でも・・・。
今やらなければならないのは、奈々との仲直りだ。
今夜も奈々と仲直りしようと、奈々の大好物の海老マヨを作っているのだが、
奈々は、話をしてくれるだろうか・・・。
帰ってきてただいまを言っても無言だし、いつものおかえりの抱きしめもない・・・。
いつもやられていた時は、困った態度ばかりとっていたが、いざ無くなると寂しく感じる・・・。
ワガママは俺の方なのかもしれない・・・。
俺と奈々がこじれている時に、さらにトラブルがやってきた。
ピンポーン!
「ん?誰か来た。親父たちなら勝手に入ってくるし、誰だろう?」
俺はドアフォンモニターを使って訪ねた。
「どちら様?あ、あなたは!!」
そこには、天空寺先輩がモニターに映っていた。
「今日の礼をしに来たのだが、入れてくれないか?」
「あ、はいわかりました。今開けます」
開けた途端、武装した人、黒服の人が忍者のように中に入って来た。
「こちらトワイライトから、プレジャーどうぞ」
「こちらプレジャー、異常なし。リビングを制圧」
え?制圧?って言った。
「フレンチキスは、配置に付いたらその場で待機」
「フレンチキス了解。周辺、近隣への配慮活動進行中」
近隣への配慮活動・・・。後で聞いたら、各一軒一軒に断りの話を至極丁寧に粗品を添えて周る担当の人が
いたらしい・・・。ものすごく気が抜ける配慮だけど、騒ぎにならなかったのはそのためかと納得もした。
俺はなんかすごく丁寧に玄関からリビングに4、5人で運ばれてソファーに座らせられていた。
「お兄ちゃん、何この人たち」
流石にこの騒ぎだと気になったのか奈々がリビングにやて来ていた。
「お、おう奈々。リビングに来てくれたんだな」
「う、うん。えへへ」
「なんかお客さんが急にきちゃったんだ、奈々部屋に戻っててくれないか?」
「う、うん、そうだねなんか、あれだね・・・あ、そうだお兄ちゃん・・・」
「ん?」
「あのね・・・【うう、ごめんなさいが、言えない・・・言えないよ〜】」
「みんなの前でいいずらいことなんだろ?ごめん、また後でいいか?」
「うん・・・じゃあそうする【なんで?私・・・素直に言葉が出てこないよ・・・】」
とりあえず、奈々は部屋に戻しておけば何かあっても大丈夫だろう。
「あの、それで、天空寺先輩は・・・」
「YES。ただいまお連れします。大吾様。 @;@:;@;l;@」
なんか英語だかドイツ語だか、隊員同士連絡を取り合ってるよ・・・。
もう宇宙語にしか聞こえない。
それからすぐに、リビングのドアが開いた。
「天空寺さん先輩」
「よう大吾久しぶり」
制服や道着と違って、私服の天空寺先輩は艶やかな着物を着ていて、純和風を醸し出していた。
まず今の時代には見ないであろう。希少な光景を俺は見てると思う。
「久しぶりも何もまだ半日も経ってませんけど」
「それだけ、大吾に私が会いたかったという事だ」
「そうなんですか・・・」
学校で2人きりとかで言われたら誤解しそうな台詞なんですけど、今の状況は甘ったるい雰囲気なんて
これっぽちもないです。あの、誰か変わっていただけませんか?
「あ、先輩お茶がいいですか?コーヒーがいいですか?」
「お構いなく。それなら既に用意させてある」
何時うちの台所でお茶の用意をしていたのか。既にうちの台所事情を把握されてしまった。
あの、勝手に使わないで欲しいんですけど・・・。
「どうぞ、粗茶ですが・・・俺淹れてないけど」
「これはすまない」
礼儀正しくお茶を飲む姿も凛としていて見惚れそうだ。しかし、今は聞きたいことがある。
「あのそれでなんの御用でしょうか?」
「うむ、話というのは他でもない。おい、黒服A」
う、怖!!めちゃ背が高くてムキムキなのがスーツ越しでもわかるよ。
抵抗はまずできないな。
「はい。これから読み上げるのは、内閣総理大臣からのお手紙です」
「あはは、また冗談を」
「冗談ではないぞ」
今の俺の背中は、華厳の滝のごとく汗が出ております。
「こほん。はじめまして木村大吾くん。私は内閣総理大臣です」
「軽い文面ですね」
「今回の話は誠に素晴らしい。澪くんとお友達になってくれたそうだね」
友達?なった覚えがないですけど、話が進まなそうなので黙っておく。
「天空寺家は、国に大きな影響力のある名家です。内閣にも天空寺家の方が各担当大臣をしています。
今回の友達になる、というより未来の婚約者になっていただきたいのです。
澪くんと君は、友達になって恋人になって結婚します。
国にとっても大変喜ばしい事です。他にも経済に多大なるご尽力を賜っています。
ここで澪さんが結婚前提の彼ができたとなレバ、株は上昇し、この不景気も一気に好景気へとなる事でしょう。
つきましては国を代表して、この申し出を了承されるよう要請します。
ま、確定事項ですがね・・・以上です」
「ちょっと待った〜〜!!」
「奈々!」
「黙って聞いてれば好き放題言っちゃんて〜〜!」
リビングのドアが勢いよく開いたところから、奈々が激おこぷんぷんまるで入ってきた。
「ん?貴様何者だ?」
「奈々はお兄ちゃんの妹だもん」
「おお、大吾の妹か。はじめまして、私は、大吾の友達から恋人に発展し、将来は妻になる天空寺澪だ。
これからは義姉と呼ぶがいい。しかし凄くかわいいな。
こんな可愛い妹が出来て私は嬉しいぞ」
「うわ、ちょっと抱きつかないで!奈々は嬉しくない〜!」
「ぷはあ〜!家族としてこの話絶対認めない〜!」
「なにを言っているのだ。これは国からも認められた必須事項だ」
「そんなの関係ないもん! それに知らないの?結婚は男子は18歳、女子は16歳じゃないと出来ないんだから!
お兄ちゃんは16歳だし結婚できないもん」
「だからこそ、まずは友達になってから恋人になり、結婚するのだ。高校を卒業するのだから問題ないだろう?
それに私と大吾はすでに夫婦の絆が結ばれている。これはどんな事が当ても切れる事の無い絆だ」
その絆結んだ覚えが無いんだけど・・・。
「なにが夫婦の絆よ?私とお兄ちゃんは小さいときからずっと一緒にいて年期が違うんだから!」
「ふ、ふふふ」
「なによ〜」
「知らんだろうから教えてやろう。私は大吾に愛ある応急処置をしてもらったのだ。ほら見てみろこの包帯。
挫いた足をそれはそれは丁寧にな。オーバーニーソも下ろしてくれたしな」
「駄々こねられながらだけどね。それに応急処置しただけで惚れらても困ります」
「う」
「応急処置?たかがそれくらいで愛とか言わないでよね。そんなのあなたの一方的な思い込みじゃない!
私なんか、お兄ちゃんに毎日ご飯作ってもらってるもんね〜」
「奈々料理下手だからな」
「ふにゅ」
「おいこら大吾!」
「お兄ちゃん!」
「あ、ごめん・・・つい」
やばい、余計なこと言ってしまった!
「おい未来の妹よ!どうしてもこの結婚認めんというのか?」
「絶対だめ!それに未来の妹とか言うな〜!」
「では仕方が無い。今後は、義妹になる貴様にもきちんと理解をしてもらわねばならんからな。
天空寺に伝わる1番勝負を執り行うとしよう。それでしっかり兄離れしてもらわなければなるまい」
周りの人たちがザワザワしてますけど、そんなやばい勝負なの?
「1番勝負?」
「正式なルールに乗っ取り、1番勝負をする事で、素直に結婚を認める。これでよいな?」
「受けて立とうじゃない!」
「ほう?ためらいも無く受けたか。だが今了承した事を後で後悔することになるぞ」
「そっちこそ、足下すくわれないようにせいぜい気張るのね!」
「「ふ、ふふふふ、ふふふふふふ」」
お互いにハモるように睨み合って笑ってる・・・。
その睨み合い。よくある漫画の龍と白虎がよく似合いますよ2人とも。
あの一言いいですか?
俺の意見は全く聞かないんですね。
最後まで読んでくださってありがとございます。
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