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〜らぶ トモ〜 LOVE TOMORROW  作者: にのみやみのに
学園生活編
19/139

らぶトモ 第17話 【再会したぞ】

新しいキャラってワクワクしますね。

「朝飯できたぞ、奈々〜・・・あれ?今日は遅いな」


 昨日の晩飯中に急に奈々が怒り出してそのまま朝になってしまった。

 一晩で機嫌がなおればいいなと思っていただが、甘かった。

 ガチャリとリビングのドアが開く音がして、


「奈々、おはよう」

「おはよう」

 

 朝ごはんを食べにはきてくれた。なんとか仲直りしたい。


「な、奈々。昨日なんか怒らすような事言ったみたいだな。俺鈍感だから気づけなくて悪かったよ。

 だから機嫌なおしてくれ」

「気づいてないのに、謝るの?本当にわかってないの?」

「すまん・・・わかんない」

「じゃあまだ機嫌治りません」

「そんな・・・どうしたんだよ昨日からおかしいぞ」

「そうだよ〜、奈々はおかしくなっちゃたのです。だから機嫌が悪いんです〜」

「奈々頼むよ。なんで怒ってるのか教えてくれよ」

「知りませ〜ん」

「奈々」

「奈々は今ぷんぷん中です」

「いい加減にしてくれよ!いつまでも子供じゃないんだから、理由くらい教えてくれよ」

「自分でわかろうとしないで人に委ねちゃうんだ?

 お兄ちゃん何にも分かってない!奈々の気持ち全然わかってくれてない!」

「奈々の気持ち?だからなんのことだよ?」

「うるさいうるさ〜い!」

「奈々・・・」


 理由が分からない以上どうすることも・・・いやでも諦めないぞ。でも今は一旦・・・。

    

「じゃあ奈々後でゆっくり話そうな。一緒に学校行こうぜそのくらいはいいだろ?

「・・・・」


 返事をくれない・・・。


「今日は、別々だな。じゃあ先行くぞ。鍵頼むな」

    

 俺は一度頭を冷やすのもあったので、先に学校に行くことにした。

 菜々も少し落ち着いてくれればいいけど・・・。


「お兄ちゃんの鈍感・・・」


 俺は通学路を肩を落としながら歩いていた。


「朝からテンション駄々下がりだよ。

 奈々の機嫌がなんで悪くなったのか全然わからないぞ。

 げ!もうこんな時間だ!しょうがない、近道するか!」


 学校への近道。

 それは、雑木林に囲まれた廃屋のある敷地。

 学校はこの敷地をぐるっと半周した先にあるから、ここを突っ切れれば時間短縮になる。

 でもみんなこの敷地に入りたがらない。それは、廃屋に幽霊が出るって言う噂が信じられてるからだ。

 何人もこの雑木林で言霊を見たやら、へんな声が聞こえるなど話が絶えないからだ。

 でも俺はそいうの信じてないんだよね。もちろん他にも俺みたいややつはいっぱいいるけどね。

 なにより、遅刻するかしないかの瀬戸際なのだから今日は仕方ない。


「よし、この廃屋を通り過ぎればあと半分だ!」


 この廃屋は、元神社のようにも見える。鳥居とかないから神社なのかは不明だ。

 神社だからって鳥居がおるとは限らないからね。

 俺がその廃屋を通り抜けようとした時、


「おいそこの」声の後すぐに俺の体に風が吹き抜けたような感覚があった。

 おいおいマジか?本当に幽霊っているんですか?


「今呼ばれた」

「おい、そこの」

「うわああ、幻聴だ〜、今日は朝から最悪だ」

「いいからこっちを向け」

「振り向いたら魂抜くとか無しでお願いできますか?」

「そんなことせん!私は人間だ」

「はい?」


 警視庁の特務係の人みたいな返事の仕方しちゃったよ。

 振り返るとそこには、


「あ、あなたは昨日の」

「また会ったな」

「えっと・・・ども・・・っていうかなんか、あなたとは妙な会い方しますね」

「そうだな。しかし大吾、お前はなぜここに来た?」

「ここ近道なんですよ。あなたも知っているのでは?」


 っていうかいきなり呼び捨てかよ。


「なんか言ったか?」


 鋭い視線を浴びせてくる。ちょっと怖い。


「いえ別に。あなたこそなんでここに?」

「私はちょっと練習を」

「練習?」


 確かに何かを練習してたのかな?

 ハチマキになんだろ?テニスウエア見たいだけとちょっと違うか。

 セーラー服の上の部分?なのかな、それに似てる。下は袴みたいだけど、袴ほど動きは悪くなさそうだ。

 昨日は長袖だったから見えなかったけど、この人の腕は筋肉質だけど、ムキムキでもない。 

 バランス的にはすごく芯のまっすぐな体をしている。


「それより大吾、学校は行かなくてよいのか?」

「あ!そうだった急がないと!あなたも、さ、行きましょう!」

「あ、いや私は・・・よいのだ」


 なんか困ったような表情で登校を拒否した。


「なにいってんです?同じ学校通ってんだからあなたも遅刻しちゃいますよ」

「私はいいんだ。だからお前は早く行け」

「よくないでしょ?」

「私はもう少しここで沐浴をしてからいく」

「なにわがままいってんです!? 妹と一緒だなこれじゃ」

「妹がいるのか」

「あ、言ってなかったですね。俺、妹がいて。今日は朝からなんか知らないけど不機嫌で

 わがままいい放題なんですよ。世話が焼けます」

「では私は、その妹と一緒ということか?」

「今はそうですね。僕の恩人ですけど、この状況は、ただのわがまま少女ですね」

「なんだと!?それは返上せねばならん」

「じゃあほら、行きますよ」

「あ、こらだめだ、手を引っ張るな! うぐ!痛、た!」

「え?」


 力を失ったように崩れ落ちた。

 左足を押さえてひどく痛がってる。


「馬鹿者!悪化したらどうする?」

「その足・・・ちょっと見せて」

「あ、こら何をする!?」

「何するって、足挫いてるんでしょ?歩けないぐらい痛がってるし、現状を見るんですよ」

「ば、バカかお前は?素人に何が出来る?お前はなにもせんでいい!」

「もし骨に異常があったらどうするんです? 

 妹がいるって言ったでしょ?こういうことよくあったんですよ。

 だから、症状の確認と応急処置ぐらいはできます。

 何の練習してるのか知らないけど、このままじゃ、練習すら今後出来なくなるかもしれませんよ」

「それは困る」

「だったら、俺の言う事大人しく聞いてください。そこの少し段になってるところに腰を下ろしてください」

「ううむ・・・これでいいか?」

はいよく出来ました。じゃあまずオーバーニーソ下ろしますね」

「へ?いやそれは私が自分で」

「いいから!大人しくして。今は俺に自分を預けてください」

「うぐ・・・はい・・・・うひゃう!」

「どうかしました?」

「どうしたって、靴下お前が下ろす時からだ!」

「なんです?くすぐったかったですか?」

「いやなんでもない」


 やっと大人しくなったこの人の足を見たが、


「うわ、凄い腫れてる、これじゃあ歩けないのは当然だ」

「やはり腫れておったか」

「これはまず冷やさないと・・・確か鞄に湿布があったはず」

「なんでそんな物を?」

「さっきも言いましたけど、世話の焼ける妹がいるんで、いつでも携帯してるんです。応急処置道具」


 その後、


「さ、これでどうかな?」

「おお、さっきより痛みが引いたようだ」

「じゃあ一度、通学路に出ましょう。はいどうぞ」

「なんだその格好は?」

「おんぶの体制ですが?」

「おんぶ?私を大吾がおんぶするだと?無理だろ?OHPスクリーンでよろよろなのに?」


 足が痛いのに少しずつ俺をディスってくるな。


「いいから早く!」

「ううう」


 何を躊躇ってるんだか知らないけど、救急車を呼ぶほどじゃないんだし、早くしてほしい。

 学校遅刻しちゃうよ。


「観念してください」

「そこまで言われては仕方ない。では失礼する」

「よいしょ」

「あれ?大吾、重たくないのか?」

「ぜんぜん。おんぶは妹で慣れてるし。さ、一気に行きますよ。ほ、ほ、ほ、ほ」


 これでなんとか遅刻せずに・・・。

 済むわけないです。でもまあ、いいか。人助けできたし、恩返しということで。

 門にいた先生に事情を話して、中に入れてもらった。

 そのまま保健室に向かう。


「到着です」

「ああ」

「先生この人足挫いてしまったみたいなんです

「あらあらあら。はいはいご苦労様」


 学校の保険室は一階にあるのでおんぶしたままでも中に入れてもらえる。便利だ。


「大吾、今日は有り難うな」

「いえいえどういたしまして」


 ほほう。さすがのこの人も素直にお礼を言いましたね。

 しかもだいぶ照れながら。まあいいけど。


「じゃあ俺行きますね」

「大吾、私の名前は、天空寺澪てんくうじれいれいと呼んでいいぞ。二年E組だ、覚えろよ」

「天空寺澪さんか。・・・天空・・・寺いいいい?」


 



最後まで読んでくださりありがとうございます。


よければ、ブクマ、評価よろしくお願いします。

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