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〜らぶ トモ〜 LOVE TOMORROW  作者: にのみやみのに
学園生活編
10/139

らぶトモ 第8話 【追跡 2人目の監視者】

だんだんドタバタな感じになってきました。

 泉水ちゃん考案の、お兄ちゃんに奈々を1人の女性として意識してもらう作戦で、

 ねこねこピュアランドに遊びにくることにしたの。

 はじめは出入り口で待ち合わせ。

 普段見せたことがない自分をお兄ちゃんに見せたくて、初めてお化粧して、

 おろしたてのかわいい服着て。そしたらお兄ちゃん、かわいいっていってくれて、

 奈々、これまで褒めてくれた中で一番嬉しかった。この調子なら最後までうまくいくよね。


ー場内ー


「わ〜い、ねこねこピュアランドだ〜!あ〜、ねこねこちゃんのお友達の【たつさん】だ〜かわいい〜!」

「たつさんって・・・龍じゃないか・・・この顔でかわいい?世の中何が人気出るか分からんな・・・」

「あ〜!」

「え?なんだ?」

「お兄ちゃん見てみて、フォックスドックの「ゴン・ザレス」だよ〜。黄色いふわふわの毛並み〜気持ちいい〜」

「奈々その辺にしてやれよ。ゴンザレスが首絞められてる状態で完全にぐったりしてるぞ」

「え?あ、ごめんなさい。強く抱きつきすぎちゃった」


 【たつ】と【ゴン・ザレス】この二匹?は、ねこねこちゃんに次ぐ人気キャラクターで、子供達に大人気だ。

 何か特別な思い入れでもあるのか、その肌触りのいい毛並み。中の人が動きやすくなるように気配りをしている

 ような関節の造り。職人の魂がこもっている。だが、この場でそんなことは言わない。

 野暮な行為や言動はご法度だ。マナーを守ってこその夢の国なのだ。


「ああ!」

「今度はなんだ?」

「新キャラクターの、がのがのとっとすだ〜。青いきれいな色〜。一見たぬきに見えるけど本当は、

 レッサーパンダなんだよ〜」

「どう見てもたぬきにしか見えないが・・・」

「ふあああ!」

「どうした?」

「ちょっとおトイレ〜。お兄ちゃんそのベンチで待ってて〜」

「わかったよ」


 ごにょごにょ小さい声でおトイレ宣言。ちょっと笑える。

 はじめは奈々が別人に見えて緊張したけど、中身はやっぱり奈々だから、なんか安心した。

 奈々があれだけはしゃいで喜んでるの久しぶりだし、俺も一緒に楽しもう。


ートイレの中ー

「ふんふんふん、ねこねこちゃん。みんなの心にねこねこパンチ♪」

「ずいぶんとお楽しみのようだな」

「はひ!? なんだ泉水ちゃんか・・・びっくりした〜急に話かけないでよ〜」

「急ではない。ずっと話をする合図を出しておったのだが、奈々が一向に気づかんからこちらから出向いたのだ。

 これは大きなリスクを伴うのだぞ。兄上に見つかったらすべて水の泡だからな」

「ねえいづみちゃん」

「なんだ?話はすぐ終わるぞ」

「その前に、ほんとに一大事だからトイレいかせて」

「仕方ないな。話はトイレが済んだその後だ」

「了解しました〜!急げ〜」


「奈々遅いな」


 やはりたくさん人の集まる場所は、女子はたいへんだと思う。

「お兄ちゃんお待たせ、混んでよ〜」

「こういうとこは仕方いよな。じゃあこれからどうするかな?」

「奈々お腹空いた〜」

「じゃあ、昼飯にしようか」

「うん」


 泉水ちゃんから、デート中の恋人同士がやるメニューを教えてもらったの。

「よいか?恋人同士を演出するのだ。これからお昼だが、やはり恋人同士と言えばこれしかあるまい」


 俺たちは、食事エリアと書かれたアーチをくぐって、どんな食べ物があるか見てまわった。


「いらっしゃいませ〜。ホットドック揚げたてですよ〜」

「ねこねこピュアランド名物、ねこっこランチいかがですか?」


「奈々、ここでいいか?丁度席2つ空いてるぞ」

「うんいいよ〜。ふう、やっと座れたね〜」

「何食べたい?いくつか見てまわったけどさ」

「奈々は、アメリカンドックとフランクフルトとたこやき〜」

「了解しました。じゃあちょっと待ってろよ」

「うん」


 やっぱり昼時はどこも席が空いてなかったな。20分くらい食事エリアをうろついてしまった。

 なんとか奈々を休ませることができてよかったけど、


「やきそば5個にコーラ5本ね」「ねえさっき頼んだたこ焼き3人分まだ?」「こっちのフランクフルトまだかよ?」


「うわ、すっごい混んでる。これじゃいつ買えるかわからないぞ。奈々も待ってるし、他にないのかな?」

「HEYそこの迷えるお兄さ〜ん、お困り?」

「え?だ、誰?」

「MEは、迷えるお客さんに舞い降りた、売店の天使。特別に速攻で買えるようにしますよ〜。しかも〜・・・

 お値段もリーズナブル、如何ですか?」

「そうなの?じゃあお願いしようかな。あ、あの一つ聞いてもいいですか?」

「はい?」

「店員さん、どっかで会ったことありませんか?」

「NO、NO、NO、NO、いいえ〜、はじめてで〜すよ〜」

「その話し方にすごく似てるクラスメイトがいるんです」

「おう、世界には3人の似てる自分がいるっていいますからね、は〜い、到着で〜す」


 本当にすっごく似てるんだよな、太助に。あんな変やつ世界に3人もいたらそれはそれで、仰天世界のニュースだ。


「連れてきてもらってありがとうございます。本当に人少ないですね。っていうか、俺しかいない」

「では、ご希望のはい、これとこれとこれ!」

「え?あの、こんなに頼んでないですよ。しかも、よくフランクフルトとアメリカンドックとたこやきって、

 わかりましたね。それに焼きぞば、チュロス、カレーライスまで」

「YESYES。私のような何年も販売員をやっていると、お客さまが求めているのが、手に取るようにわかりま〜す。

 まあ細かいことはnothing(ナッシング、お好み焼きとやきとり10本はサービスで〜す」

「ほほお〜、これはいい店を見つけた。私にも売ってくれないかね。

 あ、そこの青年。そんなに買って誰か待たせておるのかね?」

「そうだった、奈々怒ってるかも。はい、お代。お兄さんありがとうございます。俺もう行きますね」

「BOY!サンキューベリーマッチー」

「・・・・」「・・・・」


「行ったか」

「ふ〜、危なかったですね〜。大吾は変なところで冴えてるところがありますからね〜。そこが魅力だけど〜」

「おい貴様!あの二人の邪魔をするなと言ったはずだが!?」

「NO!MEは、むしろ助けようとしてるですよ〜」

「どう見ても邪魔してるうようにしか見えんが?今もバレそうだったではないか」

「ですが、あの混みようで食べ物買おうものなら、随分と奈々ちゃんを待たせてしまって、イメージ悪いランチに

 なってしまったとは、思いませんか?アンダスタ〜ン?」

「そうかも知れんが、そんなことで奈々が兄上の印象を悪くするとは思えんがな」

「そうかも知れませんが、山縣泉水さんの計画には、落ち度がある」

「なんだと?何を根拠にそのようなデタラメを」

「クエスチョン!あなた奈々ちゃんの為って言ってましたね。でもこれは、大吾の為でもあるのではないですか?」

「!!」

「お判り頂けましたか?大吾をサポートして、よりカッコイイお兄ちゃんにしてあげることも、自然と奈々ちゃんの

 為ではありませんか? あっは〜ン?」

「まあ、貴様の言うことも一理あるか・・・」

「ふふん、その素直に相手の意見を理解し受け入れる頭の良さ。さすがは山縣家と言ったところでしょうかね」

「ふん!貴様に褒められても何も嬉しくはないぞ。だが、貴様が、兄上のことを考えての行動ということはわかった」

「では〜。ここは一時休戦して、2人のサポートに徹して協力する。いかが?」

「仕方あるまい、奈々のためだ。その誘い乗ろうではないか、我が山縣家の宿敵、平等院太助」


 2人は、固い握手を交わしたのだった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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