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ここ数日の記憶が無い。
私は、南条静乃は、何をしていたのだろうか。
思い出せない。
そもそも私は本当に南条静乃なのだろうか。
それすらも、私にはわからない。
「死ぬ以外の選択肢、それが私には無くて私にはある……」
声が聞こえる。これは間違いなく私の声。
私とは、誰なのか。
私は私。
ただそれだけのはずなのに。
それが、わからない。
「効率だけを求めるな。人間はそれだけではない」
これも、私の声。
でも、こんなもの知らない。
ふと、手を見たくなる。
何かが付いている気がしたから。
……赤い。
…………黒い。
これは……私?
「違うよ? それは、私が奪っていったもの」
私ではない何か。
その声は私と同じ声。
私は、私は……
そう、だ。
誰?
殺したのは、誰?
「間違いなく南条静乃、お前自身だ」
私、が……?
「ああ。お前が殺した」
わた、しが……?
「お前が摘み取った」
摘み、取っ……た?
誰かの、可能性を……?
「認めろ、そうすれば楽になる」
認めない。
こんな現実、認めない。
「お前は、私だ。異論など認めない」
違う。
あなたは私じゃない。
そんな簡単な否定。
それすらも出来なくて
出来なくて。
嫌だよ
私が私じゃ無くなるのは。
「私は、私だ。それ以外の何者でもない」
私は、私だ。
だから私をやめることは出来ない。
「殺したのはお前だ」
だから何だ。
「開き直るのは罪だ」
私はもう、重罪人だ。
それくらい、もうわかっている。
「わかっているなら、どうして!」
わかっているから。
「感情的。それこそ私が嫌いな無駄の極み。それは、いいの?」
諦め。
無常感。
マイナスという形状を持った鎮静剤。
流れ込んでいく。
私の中に。
でも、思い出せない。
そのあとのことが。
その前のことが。
彼女のことが。
思い出せない。




