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16 縺斐a繧薙↑縺輔>

 ここ数日の記憶が無い。


 私は、南条静乃は、何をしていたのだろうか。


 思い出せない。


 そもそも私は本当に南条静乃なのだろうか。


 それすらも、私にはわからない。


「死ぬ以外の選択肢、それが()には無くて()にはある……」


 声が聞こえる。これは間違いなく私の声。


 私とは、誰なのか。


 私は私。


 ただそれだけのはずなのに。


 それが、わからない。


「効率だけを求めるな。人間はそれだけではない」


 これも、私の声。


 でも、こんなもの知らない。


 ふと、手を見たくなる。


 何かが付いている気がしたから。


 ……赤い。


 …………黒い。


 これは……私?


「違うよ? それは、私が奪っていったもの」


 私ではない何か。


 その声は私と同じ声。


 私は、私は……


 そう、だ。


 誰?


 殺したのは、誰?


「間違いなく南条静乃、お前自身だ」


 私、が……?


「ああ。お前が殺した」


 わた、しが……?


「お前が摘み取った」


 摘み、取っ……た?


 誰かの、可能性を……?


「認めろ、そうすれば楽になる」


 認めない。


 こんな現実、認めない。


「お前は、私だ。異論など認めない」


 違う。


 あなたは私じゃない。


 そんな簡単な否定。


 それすらも出来なくて


 出来なくて。


 嫌だよ


 私が私じゃ無くなるのは。


「私は、私だ。それ以外の何者でもない」


 私は、私だ。


 だから私をやめることは出来ない。


「殺したのはお前だ」


 だから何だ。


「開き直るのは罪だ」


 私はもう、重罪人だ。


 それくらい、もうわかっている。


「わかっているなら、どうして!」


 わかっているから。


「感情的。それこそ()が嫌いな無駄の極み。それは、いいの?」


 諦め。


 無常感。


 マイナスという形状を持った鎮静剤。


 流れ込んでいく。


 私の中に。




 でも、思い出せない。


 そのあとのことが。


 その前のことが。


 彼女のことが。


 思い出せない。

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