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拳で会話

 メルポメネーは、すっかり昔のジャパネスクにはまってしまって、アホみたいなコスプレ姿をさらしている始末よ。

 頭は黒のおかっぱにして、でかい牡丹柄のミニ浴衣を着て、ひざ下までの黒いロングブーツを履いているわ。

 

 メルポメネーのエコーがかかった声が聞こえてきた!

 

 (無駄なことを……どのみち、果てる身で)

 

 言うなり、メルポメネーの来ていた着物の牡丹柄が、空気に溶けるように広がり始めたわ!

 

 果てるなんて、ジョーダンじゃねーYO!!!

 

 と憤慨しているアタシの周りを、空中ににじみ出た牡丹柄の赤色が、チョウチョの群れへと変貌して、アタシを取り囲むのよ!

 

 そのチョウチョたちの真ん中に、メルポメネーが飛び込み、アタシに急接近。

 

 メルポメネーの持っている小刀の一撃をかわし、アタシはひじ打ちをお見舞いした……ら、なんと、相手の体までが、チョウチョの群れに変化してしまったわ?

 

 こ、これは目くらましね!

 

 アタシは目を閉じ、両掌を交差させるわけ。

 

 心を落ち着け……目を開くと、チョウチョの群れが消えたわ。

 そして、背後に人の気配が!

 とっさにジャンプ!

 

 そこよ、メルポメネー!!!

 

 小刀を振り上げるメルポメネーと空中ですれ違い、地面に降り立ったアタシ。

 

 ……ってここまで、昔のアニメ映画の「カム〇の剣」のワンシーンとクリソツじゃないの!!!

 

 でも、アタシはジ〇ウみたいに奥ゆかしい性格じゃないから、メルポメネーの衣装を思いっきり剥いでやったわ。

 

 ほう、ミニ浴衣の下は、レオタードだったのね。

 

 「いやっ……」

 

 恥ずかしがって、悲鳴を上げ、しゃがみ込むメルポメネー。

 

 「そのほうがいい」

 

 と、さわやかにアタシは言うわ。

 

 「何が?」

 

 「そういう、メルポメネーのほうがいい」

 

 アタシの白い歯がキラーン☆

 

 メルポメネーの頬がポッ……って、赤くなったり。

 

 って、ごっこ遊びしてる場合じゃねーのよ!!!!!


 暗い部屋の真ん中で、全裸であお向けに倒れた主人公(仮名)ちゃんは、ハァハァと息を荒くしつつ、言ったの。

 

 「使える……AV、めっちゃ使えるよ……。

  でもちょっぴり恥ずかしい~!

  きゃひゃひゃひゃひゃ!」

  

 布団の上で、よじれたうどん玉みたいに、転げまくっている主人公(仮名)ちゃんをお見せしたけど、とりあえず彼女の出番はここまでにしておくわね。

 

 ここで、視点は変わるわ。

 

 そういえば、あいつは今、何をやっているのか疑問に思っている人もいるでしょう。

 ただの出オチだったのかな? あのスカトロ青年。

 と思う向きもいることでしょう。

 

 ……しかし、彼は、主人公(仮名)ちゃんがAVみながらなんかやってる間に、結構、重要な役割を果たしていたのよ!

 

 ガベジは、脇役(仮名)ちゃんのカーペットのお金を払うために顔を合わせた時に、それとなく、元カレの居場所を尋ねていたの。

 その場所は、歌舞伎町の某ホストクラブ。

 

 「むん……こんな裏スポット、一生来るつもりなんてなかったのに……と思う」

 

 相当げんなりしているガベジくんは、なんとか店内におどおどと入り、相当怪しまれながら、元カレの出勤状況を聞き出したわ。

 結果、元カレはこれから出勤するみたい。

 

 とりあえず、元カレが来るまで、ガベジくんは、ストリップ劇場の近所にある、薄暗い神社で一休み。

 ぼんやりしていると、背後から、声が聞こえたの。

 

 「オメーかよ。

  俺を探してるっつーのはよー?」

  

 「むん……はい? ぼくに、何か御用ですか? と思う」

 

 なんと、いつの間にか元カレが、背後に立っているじゃないの!

 ちなみに、顔写真は、脇役(仮名)からもらった顔写真入りの名刺と、ホストクラブのHPで確認済みよ。

 

 単刀直入に、ガベジくんは言うわ。

 

 「元さやに、おさまってくれないか?

  相手は、脇役(仮名)さんだ」

  

 そう!

 ガベジくんは、方言チバラキにそんなのがあればだけどを矯正しようと努力した結果、がんばれば、フツーに喋れるのよ!

 よーするに、主人公(仮名)ちゃんたちとしゃべってた時は、ものすごくリラックスしてたわけ。

 

 元カレは、イラつきまくって、声を荒げたわ。

 

 「なんでそんなこと、オメーみてーなカスに、指図されなきゃなんねーんだっ? おぉん?」

 

 「脇役(仮名)は妊娠しているんだぞ?

  責任も取らずに、おまえ、それでも男かよ?」

  

 「うるせーんだよ。

  好きで捨てたわけじゃねー。

  アイツに嫌われちまったんなら……しょーがねーじゃねーかよー!」

  

 「だったら、素直になれよ!」

 

 「俺にも、プライドがある。

  おめおめと、オンナに頭下げられっかよ」

  

 「だったら、男の勝負をしてもらおう。

  ケンカで、ぼくが勝ったら、もう一度、脇役(仮名)に会ってもらおう」

  

 「ヘッ……男の勝負、か……。

  そういわれちゃ、逃げらんねーな」

  

 ……うわぁ……くっせぇ……エイティーンズ的な意味でのくっさってカンジ。

 あきれていると、ガベジと元カレが戦いを始めたわ!

 

 互いにもつれ合って、激しい技の応酬が繰り広げられた結果、ガベジが、元カレの両脚に四の字固めを決めているわ。

 勝負あったわね。 

  

 ホントはもう少しいろいろと、やりとりがあったんだけど、こーゆーマッチョイズムみたいなの、どーでもいいから、とばすわね。


 かいつまんで言うと、主人公(仮名)ちゃんがでっちあげた手賀沼公園での結婚式に、元カレも参加することになったってことよ!

 作中で、登場する「カム〇の剣」というアニメ映画は実在するのよね。しかも、「カム〇外伝」とは全く関係ない話なの。最初、実写?の「カム〇」を見ようとして、ググったら余計にわけわかんなくなってしまったものよ。さらにややこしいことに、「カム〇外伝」にもアニメ版があって、それはまた古いやつなんだけど、いったい、〇ムイって何ヴァージョンあるんだよっ???

 ところで、次回の主人公(仮名)ちゃんは、どーなっちゃうのかしらね……?


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