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声劇台本置き場  作者: 如月ふたば


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虎の威を借る狐さん(4人用/男女不問)童話風

狐、虎、湖の虎、長老虎 全員男女不問

狐:さぁて、会議終わったから虎くん、一緒に森の集会所にいる皆にお伝え係に行こう

虎:もう僕、嫌だよ。この前は狐さん一人で行けたんでしょう?ならもう一人で良いじゃん

狐:それがね、ダメだったんだよ

虎:どういうこと?

狐:やっぱり私だけだと耳しか向けてくれなかったの

虎:聞いてくれたってことじゃないの?

狐:耳だけ。ちゃんと伝えたように行動してくれなかったってこと!!だから、ほらお背中乗せて!!

虎:え、ちょっと勝手に乗らないでよ

狐:そういうの良いから、まずは湖の集会所までレッツゴー!!

虎:僕の方が年下だよね?おんぶや抱っこは年上にしてもらうものじゃないの?

狐:でも、私の方が小さいし

虎:そういうことかな

狐:そうそう。そういうこと。それにね、私の方が足も短いから一緒に行くなら乗せて行ってもらった方が早く着くことに気づいちゃったの

虎:僕が行かなくても良いと思うんだけど

狐:だから、さっき言ったでしょ。私の話聞いてなかったの!!

虎:聞いてた、聞いてたよ。でも前ね僕のおじいちゃん言ってたんだ、最近の狐はけしからん。虎の威を借る狐ばかりだって

狐:仕方ないよ。虎くんと一緒だとちゃんと皆が耳を傾けてくれるのは事実だんだもん

虎:そっかぁ

狐:あ、もうすぐ湖の集会所に着くね!流石、虎くんがいると早いや!!よいしょっと、虎くんありがとう降りるね。


狐:あ、虎くんも集会所に入ってきてよ。次は長老木近くの集会所だからね!今日の会議のお伝え係に来ましたー!!

虎:こんにちは湖の近くの森の皆さん

虎:そうだ。ねぇ、湖の虎さん。僕と変わって狐さんと一緒にお出かけしてくれない?

湖の虎:なんじゃ?年寄りをこき使おうという魂胆かい?

虎:そういう訳じゃないけどさ。僕だって会議のたびに狐さんに同行させられるの面倒だよ

湖の虎:それが迷惑なんじゃな?

虎:迷惑って言うかさ、狐さんも僕のおじいちゃんも「虎の威を借る狐は嫌だ」って

湖の虎:それと、ワシとの交代と関係あるのかね?

虎:た、確かにあなたとは関係ないよ。でも、これからも毎回会議のあとこうやって伝令役の狐さんのお手伝いに付いて行かなくちゃいけないのかなって

湖の虎:なるほどなぁ。確かに昔の伝令役の狐氏は一人で大役をこなしておったわい

虎:じゃあ、今の狐さんみたいにお手伝いしなくても良かったってことだね!?

湖の虎:その狐氏は伝令終わったそうじゃの。では、お前も長老木のまで行っておいで

虎:ちえっ

湖の虎:そこのワシよりももっと年寄りの虎がおるじゃろ?その者に相談してみても良かろう。何かヒントが貰えるやもしれん

狐:虎くん行こう!!

虎:本当にヒントなんてもらえるのかなぁ

狐:ん?なに?ヒントってなぞなぞ大会でもしてたの?私にもなぞなぞ出してよ!!よっこらしょ、さぁて次は長老木近くまでひとっとびー!!

虎:なぞなぞ大会なんてしてないし、次の場所までかなり遠いんだからひとっとびなんてこと出来ないよ。しかも今日は狐さん乗せてるし

狐:やっぱり虎くんの足は速いね

虎:狐さんよりはね

狐:これからはもう虎くんに乗せていってもらおうっと

虎:どうして僕は毎回付いて行かなくちゃいけないんだろう

狐:パパ虎さんだって言ってたじゃん。森の隅々まで気を配れ、そして覚えろって。そのついでに私のお伝え係を手伝ってくれれば一石二鳥じゃん

虎:そうは思えないんだよなぁ

狐:え、私のとのお出かけそんなに嫌いだった?

虎:そういうことは言ってないよ!!

狐:じゃあ、これからも一緒にお出かけしてお伝え係へ行こうよ

虎:そうなっちゃうのかなぁ。あ、そろそろ長老木が見えてきたね

狐:あ、私ここで降りるね。ほら、私が虎くんに乗せてもらっているの誰かに見られたらお伝え係だけじゃなくて歩くのもズルしてるって言われちゃうから

虎:はい、じゃあここで降りて。どうぞ。あ、僕ちょっとお年寄りの虎さんのお家に行ってきていい?

狐:いいよ、でもお伝え係、終わったらね

虎:あ、うん。じゃあお年寄り虎さんとお話があるから。その間狐さんにはちょっと待っていてもらうことになるかもしれないよ

狐:わかった、それくらい待っていてあげるよ。でも集会所に来ていてくれたら楽なんだけどな。私が他の動物さんたちにお伝え係している間に、あなたたちお話済むものね

虎:うん、そうなるね

狐:こんにちはー!!あ、虎くんお探しの虎さんいたよー!!

虎:長老木の集会所の皆さん、こんにちは。あ、長老虎さんも、こんにちは

狐:私はお伝え係してくるからねー、虎くん。お年寄りさんとお話しするのも良いけどちゃんと私の方も見ながらね

虎:うん。わかってるよ。長老虎さん、ご相談があるんだ

長老虎:どうしたんだ、お前さん

虎:僕、もう狐さんのお伝え係に付いて行く理由がよく分かんなくて

長老虎:そりゃ、虎の威を借る狐したほうが狐氏も楽じゃからじゃろ

虎:うん、そうだけど。長老虎さんも狐さんのお手伝いに毎回参加していたの?

長老虎:どうだったかのう……うとうと

虎:あ、ちょっと!!お話し中に寝ないで

長老虎:はっ!!なんだか綺麗な川が見えた気がするのう……

虎:ここは集会所です

長老虎:そうじゃったな。そうだそうだ、小生も若い時分に伝令に同行していたか?だったのう。うーん、そうだったような、そうでもないような

虎:どうだったんですか?あ、考えながら寝るのは止めて下さいね

長老虎:うーん。たぶん、違う気がするぞ

虎:たぶんかぁ

長老虎:古い記憶じゃからのう。しばし待て、思い出す

虎:寝ないでね?

狐:そろそろお伝え係終わるよ、虎くん。もう帰れる?

虎:もう少し、もう少し待っていて

狐:今日中にあと残りの集会所に行っちゃいたいのにな

虎:一人で行ってきてよっていうのは嫌だもんね

狐:嫌というのとは違うよ。みんな聞いてくれないの!!

長老虎:そうじゃ!!思い出した!!

狐:おじいちゃん、急に大きな声出さないでよ。私びっくりしたじゃない!!

長老虎:悪かったのう、お前さん

狐:いいよ。で、何思い出したの?

長老虎:昔の伝令狐についてじゃ

狐:ふーん、せっかくだから私の聞かせてよ

長老虎:そうじゃのう。えっと、むかしむかしのことじゃった

(狐と虎同時に)

:そういうの良いから

虎:早くお話聞かせて

長老虎:小生の知る伝令係は元々狐とは決まっておらなんだのだよ

狐:え!?そうなの?

長老虎:そうじゃ、それまでは地域の代表が会議までやってきてそれを皆に伝えていたんじゃ

虎:へーそうだったんだ。でも、どうして今はお伝えする係が決まっているの?

長老虎:そこで、出てきたのが賢い狐じゃ

狐:へへーんっだ

長老虎:狐よりももっと体が小さき者や、夜に生活をする者、たくさんおるじゃろ。それらの者のために知恵を絞ったんじゃ

狐:さすが私の仲間!!

長老虎:始めは確か、立て看板を立てただったかな

虎:うん、例えば集会所の場所に?

長老虎:そうそう。始めはお試しとかでどうでも良いことをわざわざ会議にして、看板にする

狐:すると、どうなったの?

長老虎:誰も見なかった

狐:あー、そっちねー

長老虎:それで、お手紙にしたんじゃった

虎:それは皆のお家に配ったりしたの?大変じゃない?

長老虎:そうじゃった、そのお手紙が大量だからと小生も書くように手伝わされたのう。ほうれ、この左手の模様、あの時の墨がなんかこうなったんじゃったのう

狐:へー?それで?お手紙はみんな見たの。見ないでしょ、どうせ

長老虎:そう、だれも見向きもせんかった

狐:そんなの当たり前じゃん

虎:で、それから?

長老虎:うーん、なんやかんやあってのう……

虎:わりとそこ大事じゃない?

狐:ねぇ、虎くんこの虎さん信用していい?

長老虎:ばかもんっ!!目上の者を足蹴にするとはなんじゃ最近の若いもんは

狐:うわぁ、なんかぷりぷりし始めちゃったよ

虎:そんなつもりありません。えっと結局、そのままその狐さんと一緒に会議の内容は集会所にお伝えする感じになったんですか?

長老虎:うーん。そうではなかったな

狐:えー、今みたいに虎さんと一緒に行けば皆ちゃんと聞いてくれるでしょう?

長老虎:そうかもしれん。しかし、その狐はせんかった

虎:どうしてでしょうか

長老虎:なんじゃったかのー。なんか「狐だから虎だから話を聞いてくれるじゃなくて、私だから話を聞いてくれるんだよ」って言ってたのう

狐:どういうこと?お声が綺麗だったの?

長老虎:ダミ声で、かなりがっさがさな声じゃった。

狐:じゃあ、お声はブスだ

長老虎:そうなるのう。ちょっと小生には耳障りですらあった

狐:きーっ!!

虎:では、その狐さんのお話はあなたは聞かなかったのですか?

長老虎:いや、ちゃーんと聞いた。そして、ゴミ出しとかご近所迷惑にならないようにとかいう会議で決まったことは今でも守っておる。えっへん

狐:それは、えっへんですね!!

長老虎:えっへん!!そして皆も守っておったし、あの狐の話には皆、耳を傾けた

虎:あ、えっへんですね、はい。では、どうしてその狐の言葉は聞けたのでしょうか?

長老虎:うーん、なんでじゃろう。しかし小生も皆にはちゃんと伝わったのだ

狐:虎さんの威を借りなくても?

長老虎:そうじゃのう

狐:どうしてかなぁ

長老虎:どうしてかのう?なんかあの狐を見ていたら言うこと聞いても良いなって。会議の伝令だけじゃない気がしたのかもしれん

狐:ふーん

虎:なるほど……。結局、全然分かんなかったなぁ

狐:ん?何が?

虎:ううん、なんでもないよ

長老虎:で、お前さん。小生に相談とはなんじゃったかのう……

虎:なんだったんでしょうねぇ。聞く相手、間違えたかなぁ……

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