二振りの月(二人用/男女比1:1)時代物恋愛風
葵と葵(N)/一人称、わたし:男性
芙蓉と芙蓉(N)/一人称:私:女性
四文字の漢字は技名ですから技を使ってる感じで☆
振り(ふり)は月の数え方じゃないと知ってます……
葵:わたしと妹弟子の芙蓉は次期頭目として育てられた
芙蓉:私と兄者の葵は、同じ師にたった二人の弟子として育てられた
葵(N):明朝に次期頭目を選ぶ戦いを、しなければならない
芙蓉(N):私と兄者が戦う。実力の面で劣る私は、明日は兄者に負けるだろう
葵(N):二人のうち一人が命を落とすまで戦うのだ。つまり、どちらかの死を意味する。
しかし、わたしがわざと負ければ芙蓉の自尊心が永遠にわたしを許さない
芙蓉(N):兄者も私に対し本気で挑むだろう
葵:(だから、わたしは郷さとを出る。わたしが郷から消えれば頭目争いもしなくて済む。今夜の月はまるで細い糸のようだ。今宵が過ぎればわたしと芙蓉の縁もこれで最後になってしまう。夜の雲が細い月を引きちぎってしまったかのように)
芙蓉(N):深夜に兄者、葵の姿が無いことに気づいた私は二振りの刀を持ち郷の出入口へと急いだ
彼の後ろ姿を見つけ、私は背後から兄者に声を掛けた
芙蓉:兄者、私との戦いから逃げるわけではあるまいな
葵:……
芙蓉:今ならまだ私以外の者は気付いていない。今すぐ自分の寝所に戻るが良い
葵:わたしは郷を出る
芙蓉:まさと思うが私が負けるとでも?
葵:……いいや
芙蓉:ならば戦え
葵(N):戦えと言った芙蓉は持っていた二振りのうち、片方をわたしに投げ寄越した。わたしは、つい反応し受け取ってしまっていた
芙蓉:刀を抜け
葵:分からぬか
芙蓉:負けるつもりはない
葵:勝負の話ではない
芙蓉:では責任の重さとでも?
葵:我々の話だ
芙蓉:私も我々の話をしている。だから鞘から刀を抜け
葵:……
芙蓉:今がご不満なら、予定通り明朝でも良い
葵:……。影と言えば聞こえは良い。しかし、我々は駒ですらない
芙蓉:だから、逃げるのか?
葵:世間に戦が無いのなら我々は、この世に要らぬ存在
芙蓉:だから死を求め郷を出て、逃げまどうのか?
葵:いいや。だから、生きたいのだ
芙蓉:逃走しながら暮らすのは生きた心地がせぬであろうな
葵:だろうな
芙蓉:もう一度言う、兄者。刀を抜け
葵:わたしは芙蓉、お前の兄であったことなのど一度もない
初めて会ったその日から。だからお前も生きろ
芙蓉:戯言を!!
芙蓉(N):私は持っていた鞘から刀を抜き、葵に向けた。そして激しく切りかかるために躍り出た
葵(N):芙蓉、本気で私を討ちに来ている
芙蓉:いざ!!一撃必殺
葵:形影一如
芙蓉:会者定離
葵:相生相克
芙蓉:いくら兄者とて愚弄が過ぎる!!わたしたちが幼き日に戯れで作った技をくりだすなどと
笑止千万っ!!
葵:流水無じょ、うっ!!
芙蓉:え?
葵:(大きく息を吐く)
芙蓉:避けられたのに。本当に出て行くつもりだったの?
葵:あぁ
芙蓉:どうして刀を捨てたの?
葵:……さぁな
芙蓉:本当に戦いたく無かったの?
葵:……
芙蓉:……どうして?
葵:私は逝く時が来たらしい。最期に兄者ではなく、わたしの名を呼んで、、、く、、、れ、、、
芙蓉:(っ!!!……)




