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Huma Gear  作者: 近藤海月
序章ーー機械だった私ーー『マギア編』

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4/15

人間副次能力効果

4話です。

出したかった能力準備回です。

投稿時間は決まっていませんが、大体は夜に作業する時間が出来るので夜に投稿する予定です。


「ヒューマ能力……正式名称は人間副次能力効果だ。

人間なら、“本来”は能力を持って生まれる――と、聞いている」

“聞いている”のか。

そして、その含みを持った言葉が引っ掛かる。


「こちらの社会には馴染んでいなさそうだが、俺の社会では常識であり、生活するのになくてはならないものだ」

マギアは深刻な顔で続ける。

「君も見ただろう? あの大男のヒューマ能力を」

私は、襲われた時のことを思い出した。


「彼のヒューマ能力は恐らくだが……引く力や、持ち上げる力だろう……これは推測の域を出ないが……」

ヒューマ能力を看破する観察眼。

マギアがヒューマの社会で生きてきたのも納得だ。

「ヒューマ能力は、原則として何か力を放出するものだ――少なくとも、俺が見てきた限りではな」

あの大男の力の正体が、わかった気がする。


「どうだろうか? 俺も又聞きの知識で教えてしまったが……カンナの聞きたいことは聞けただろうか?」

私は少しばかり考える。

――ヒューマ能力については理解できた。

憶測だが、マギアの社会で普及している能力。

「生まれる」という言葉から、多分、先天性のものなのだろう。


……私が気になっていたのは、“本来”は、という言葉である。

それが結びついたのは、屋上での会話に出てきた

“ノーヒューマ”という言葉だ。


――「マギア……気になったんだけど……ノーヒュー……」

かんなめしだぞ!!」

マギアが何か答えようとした時、

会話を遮るように大声が響いた。

「カンナ、何者なにものだ!?」

「おじいちゃんの声だよ」

「お祖父様じいさまか! 一度挨拶をせねば! 悪い、カンナ! この話はまた今度だ!」

マギアは一足先に、声の聞こえたリビングの方へ駆け足でいってしまった。

……まずい。

おじいちゃんに、マギアのことを言っていない。


「誰だ!! 貴様は!! 泥棒か!!」

案の定だ……

下に降りると、おじいちゃんがマギアに掴みかかっていた。

かんな!! 気をつけろ!! こいつ! どこから入った!!」

マギアの方が身長が大きいので、胸ぐらには届かず、腹の辺りを掴んでいる。

それでも、その顔は真剣だ。

「カンナ!! 済まない! 説明してくれ!! 俺じゃ誤解を解けない!」

見ての通りだ。

「おじいちゃん! その人は泥棒じゃない! “友達”!」

私の声を聞き、おじいちゃんは少し間を空けて、手を離した。

「“友達”? ……何だ、それを早く言わんか」

マギアも、ハハッと乾いた笑顔を見せていた。


おじいちゃんは少し考えて、言った。

「……君も夕飯を食べていくか……?」

「! いいのですか!? 是非!!」

どうやら、ご馳走になるらしい。


今日は唐揚げだった。私の大好物である。

今日は色々あったが、これを食べている時だけは、日常に戻れる気がする。

おじいちゃんも、もぐもぐと黙ってご飯を食べている。

マギアは横で、一口食べて固まっている。


「うまーい!! なんだこれは!! 美味すぎる!!」

マギアが急に騒いだ。

どうやら、唐揚げに感動しているらしい。

確かにおじいちゃんの唐揚げは美味しいが、そこまでのものか?

「そうか! 美味いか!? ボウズ!!」

「ああ! こんなに美味いものを食べたことがない!! あなたは天才だ!!」

「そうか! 見る目があるじゃないか!! 気に入った! ほら! 酒でも飲むか?」

「あ、酒は……俺、まだ17歳です」

えっ……同い年?

嘘だろ……勝手に二十歳はたちは超えていると思っていた。

「そうか! 鉋と同い年か! それはすまんな!」

案外、二人は気が合うらしい。


夕食後、マギアは泊まっていいと許可をもらっていた。

「じゃあ……私は部屋で寝るし」

マギアは、リビングに布団を敷いて寝るらしい。

「ああ……お休み……」

既に眠そうだ。

寝る前まで、おじいちゃんと騒いでいたからだろう。

二階に上がろうとすると、声がかかる。

マギアが、何か言いたそうだ。

「そうだ……明日……ヒューマの研究をしよう……」

「そうだね……お休み……」


翌日、私の朝は早い。

おじいちゃんが、早朝から仕事を始めるためである。

マギアも規則正しく起きていた。

朝から、やけに元気なテンションだ。

朝食後、マギアから話があるそうだ。


「昨日は実行できなかったが、試したいことがあるんだ」

「試したいことって?」

「君にヒューマがあるか、確かめるんだ」

「私に?」

「ああ! 昨日の夜に思い出してな! ヒューマを確かめるコツがあるらしい!」

「何なのそれ? 教えてよ」

「それはな……ムズムズだ!」

「……は?」

「いや……ゾワゾワだったか?」

いや、コツがあると真剣に聞いた私がバカだった。

急に何だ、ムズムズにゾワゾワって。

「すまない……俺も聞いたぐらいの事で、よく覚えていないんだ……」


……まぁ……百考は一行にしかず(ひゃっこうはいっこうにしかず)、だ。

「それで、どうするの?」

「その……気張るらしい……」

気張るか……そんなので出るものなのか?

「……バカにしているわけではない……これしか知らないんだ……」

悪気があるわけでもなさそうだし。

……やってみるか。


「気張る……こう?」

腹に力を入れる。

体中の筋肉に力が入る。

その瞬間、背中の産毛が逆立つような感覚に襲われた。

「どうだ? 変わったか? ゾワゾワしたか?」

「……うん、した……ゾワゾワ」

「……あるのか! ヒューマが!!」

驚いた。

私にもあるのか……あの大男のような力が。

「さっそく試してみよう! カンナ!」

「うん……!」

背中のゾワゾワを、外に放出する感じで――

「……何も起きないな……」

「……何も、出てないね……」


何故だ?

ゾワゾワの感覚は、確かにあったのに。

「そうだ! 見えない力ではないのか?」

それだ。

そうと決まれば、もう一度――

「……何も出ていないな……」

「……うん……やっぱり何も……」

どういうことだ。

何か前提が違うのか?

放出するには条件があるのか?

マギアも頭を捻っている。

ゾワゾワはしているのに……なぜ出ない。


昼ご飯を食べながら、自分の中で考えをまとめた。

仮説は三つ。


一つは、触媒理論。

媒介となる何かが必要という考えだ。

だが、あの大男は媒介らしき物を使っていなかった。


二つ目は、可能性は低いが、放出能力ではない説。

しかし、マギアは昨日「放出するものが大半だ」と言っていた。しかし、放出だけと思い込んでいるだけかもしれない。だから、私の中では捨てられない仮説だった。


三つ目は、外部要因仮説。

何らかの外的な力が加わることで、

初めて発露するヒューマなのかもしれない。

この仮説を試すのは食後だ。

今は、素直にご飯を食べよう

マギアをマキアと書いていたパートがあって、そうなっていないかを、確認するために全話回りました。

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